~趣味の世界~
ピットロード1/700スカイウェーブシリーズの駆逐艦疾風(はやて)です。

ハヤテ?四式戦闘機?
疾風は睦月型駆逐艦の前型である神風型駆逐艦の7番艦。初代島風など快速を誇った峯風型駆逐艦の改良型で、第1次世界大戦後の戦間期における主力駆逐艦として27隻の建造が計画されましたが、ワシントン海軍軍縮条約により9隻で打ち切られました。艦のディテールには同時期に建造された5500t型軽巡洋艦と通ずる点の多い艦型です。
疾風は1925年に竣工、当初は固有の名称が無く、第十三号駆逐艦と呼ばれていました。1928年に「疾風」の名が与えられ、同型の追風(おいて)・朝凪(あさなぎ)・夕凪(ゆうなぎ)と共に第29駆逐隊を編成します。
太平洋戦争の開幕戦である真珠湾攻撃と並行してウェーク島攻略が行われ、疾風もこれに参加します。しかし他の参加艦艇、戦闘艦は第6水雷戦隊の軽巡夕張、駆逐艦追風・睦月・如月・弥生・望月と、第18戦隊の軽巡天龍・龍田といった旧式艦ばかり。1941年12月8日の開戦とともに陸攻などの空爆により防衛側の戦闘機などを破壊、10日には上陸開始となりますが、波浪のため揚陸部隊の発進にもたつき、11日には上陸を一旦延期する事にして艦砲射撃に切り替え、夕張以下戦闘艦の砲撃が開始されるものの残存していた防衛側の戦闘機が襲来、ウィルクス島沖で砲撃を行っていた疾風は砲台からの射撃を受け200mもの水柱を上げて爆沈してしまいます。そう、「疾風」は太平洋戦争における最初の犠牲となった艦なのです・・・
(蛇足:疾風爆沈の1時間半ほど後には如月も戦闘機の爆撃により撃沈され、攻略部隊は撤退。ウェーク島攻略戦は失敗に終わります。21日には真珠湾帰りの空母蒼龍・飛龍、重巡6隻などの増援を受け再度ウェーク島の攻略を行いますが、こちらは結果として成功するものの上陸部隊に多くの犠牲を出し、艦載機のエースパイロットを失うなど少なくない損害を出す事となります。)


箱はいつものピットロードの駆逐艦キットらしく大きめ。


中身はややちんまりしています。


説明書。難しい所はありませんが、「各自資料を参照して・・・」というあたりに程よい厳しさがあります。ググってもあまり情報がすんなり出てきません・・・


カラーの塗装指示が付属。ただやはり別途資料を要求する傾向にあります。


主要パーツ群。立ててある方のランナーは静模のディテールアップパーツのような使い方で使用するパーツは半分程度。メインは手前の寝かせてあるランナーの方。デカールは追風・朝凪・夕凪の分も付属。


全部32軍艦色2でスプレー塗装してやりましたが・・・


梅雨の真っ最中、台風8号が迫っている中の猛烈な湿度の中でやってしまったためか所々デコボコになってしまいました。幸い酷い状態のパーツは使用しないパーツだったので事なきを得るのですが、これは教訓になりました・・・


先に全部吹き付けてしまったのでリノリウム色は後になります。面相筆でチマチマと塗りました。


甲板上に次々とパーツを配置してゆきます。難しい所もなく非常に組みやすいです。艦橋付近は立体的なので組んでいて楽しく、作業がはかどります。


デカールを貼ってから艦底色を塗ってないのに気付き、仕方なくデカールの上にマスキングテープを貼ってしまうのですが、当たり前のように名前デカールがテープにもっていかれてしまいました・・・なので「13」のデカールを代わりに貼っています。疾風は時期によって表記がまちまちで、艦首付近に13が書かれていたり、開戦時(すなわち最終時・・・)にはやはり全部消されていたり。




ウォッシングをして完成。



小さいながらモールドも詳細でカッチリしていて見栄えが良いです。



見た目の特徴の多い艦です。改峯風型と見分けるのは難しいですが・・・


主砲は45口径三年式12cm単装砲。砲重量3tの軽量な砲に後面が開いた防盾を取り付けています。


1番砲塔の直後は1段下がってウェルデッキとなっており、十年式53cm連装魚雷発射管があります。その後ろには艦橋そそり立っていますが、この配置は艦首で跳ね上げられ艦首甲板を滑って来た海水をウェルデッキで処理し、艦橋に直接当てないようにするための形。艦橋の後ろはまだ三脚を成す以前の1本マスト、煙突、2番砲塔、煙突という並び。


2番煙突の後方には連装魚雷発射管が2基並んでいます。


更にその後方には後部マストの前後に3・4番砲塔が架台に載せられて配置されています。この辺りはどことなく天龍型軽巡洋艦と似ています。


艦尾には爆雷投下軌条が2基、その直前には旧式の「K砲」である八一式爆雷投射機と装填台が2セット配置されています。


駆逐艦の多くは魚雷発射管の周辺から左舷側にはレールが敷かれていますが、これは港には左舷側を接舷させ、くの字状のクレーン(大抵レールの周辺や艦尾付近に置かれています)で魚雷を積み込み、レール上を移動して魚雷発射管や予備弾薬庫へと運び込まれます。神風型では3番魚雷発射管の左側から艦橋横のトンネルをくぐって艦橋の前をグルリと周り艦橋の右の辺りまでレールが敷かれています。


対空兵装としては完全に不足ながらも、艦橋の左右に2挺の留式7.7mm機銃が置かれています。この機銃はイギリスのルイス機関銃を国産化したもので、九二式七粍七機銃とも呼ばれます。神風型の前期型では三年式6.5mm機銃だったものから置き換えられています。


艦橋はオープントップの上に幌屋根を被せたもの。マトモな屋根が付くのは次の睦月型からになります。



次型である睦月型駆逐艦の長月と。


艦首はちょうど5500t型軽巡洋艦においてスプーン型からダブルカーブ型に変わったのと時期が重なり、神風型ではスプーン型、睦月型ではダブルカーブ型となっています。スプーン型の艦首形状は第一次大戦後の戦間期において帝国海軍が想定した「機雷戦」に対応したものとされています。機雷戦とはワイヤーで機雷を数珠つなぎにして敵艦の足止めをするもののようで、スプーン型の艦首によってこのワイヤーを乗り越えるつもりであったようです。結局はあまり効果的ではないとして機雷戦は廃れ、スプーン型艦首自体も波飛沫を上へ跳ね上げやすいため上端に返しの付いた形状であるダブルカーブ型に切り替わってゆきました。


睦月型では艦橋は丸みを帯びた洗練された形状になり、屋根もマトモなものが取り付けられました。長月では機銃の増備がされており、そのための架台が艦首の前に取り付けられてややシルエットが変化しています。


神風型では2連装の魚雷発射管が睦月型では3連装となりました。1基減っていますが同時発射数は6発を維持しています。


3番砲塔から後ろはほぼ踏襲されています。



ほぼ同じ全長の松型駆逐艦と。松型は設計がずっと新しいため艦様は大きく異なります。



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ストレスなく組み立てられ、仕上がりも上々な良いキットです。睦月型より古い駆逐艦に興味が出たら組んでみると面白いでしょう。旧型の駆逐艦のキットは神風型のほかに更に前型の峯風型と、同時期の二等駆逐艦である若竹型、樅(もみ)型などがあります。




タミヤ1/700ウォーターラインシリーズの駆逐艦敷波です。


タミヤの特型駆逐艦は特1~3が2つずつありますが、同型で2つあるのはそれぞれが年代違いを再現しているため。具体的には開戦前と戦中の対空兵装強化時などで、
吹雪(就役時)
初雪(対空兵装強化時)
綾波(就役時)
敷波(対空兵装強化時)
暁 (就役時)
響 (最終時)
というふうになっています。
上記以外の特型駆逐艦(白雪や叢雲、雷など)にしたい場合、デカールがありませんが大戦中は船体側面の名前などは消されていたものなので、同型の戦中型を組んで「これは〇〇だ!」と言い張る手もありますが、戦前に沈んでる深雪や、ディテールが少し違う特ⅡAの朧曙漣潮はちょっと面倒臭いかもしれません。(深雪はピットロードのもので作れますが、特ⅡAは現在キットが未発売です)


敷波(敷浪ではありません)は特型駆逐艦の12番艦、綾波型の2番艦。綾波型は特Ⅰ型(吹雪型)の改良型で特Ⅱ型とも表記されます。砲塔を仰角40度のA型砲塔から75度に引き上げたB型砲塔に、機関の吸気口を換気扇のダクトを煙突の左右に置いたような形状から、煙突付け根にサルノコシカケのような形状のヒダ型に変更、魚雷発射管に砲室を取り付けるなどの見た目上の変化も多く見られます。
敷波は1929年に竣工し同型の綾波、特Ⅰ型の磯波、特Ⅰ型改の浦波と共に第19駆逐隊を編成し、太平洋戦争においては主に護衛任務に従事しました。そして1944年9月、輸送船団の護衛中に海南島(中国とベトナムの国境の沖、トンキン湾にある大きな島です)東方にて米潜水艦グロウラーの雷撃を受け沈没します。このグロウラーはかつてキスカ島にて単艦で霰(あられ)を撃沈し、霞と不知火を大破せしめ第18駆逐隊を壊滅させた潜水艦でした。


箱下面は塗装指示ですが、リノリウム色が省略されています。


キットはかなり古いもので、パーツ数は少なくシンプル。



説明書は正方形で、組み立て説明も古めかしい印象。


主要パーツ群。パーツ数は少なく古臭いですがタミヤらしくディテールはカッチリしています。


静模のディテールアップパーツ小型艦用が1枚付属。砲塔と魚雷発射管、カッターはこちらから使った方が良いでしょう。内火艇は取り付け穴の位置が違うので主要パーツの方がいいかも?


ランナーには1972の刻印。これくらい古くてもタミヤのものはまだまだ現役を張れますが、当時からやる気満々で作られた大型艦に較べるとテンション低めな駆逐艦はやや陳腐化が隠せなくなってきています・・・



艦底パーツの上にバラストを乗せ、甲板と一体成型の船体パーツとで挟んで接着しますが、バリが突き出ていてバラストが持ち上がっており、少なからず処理をしないと隙間だらけになります。


艦底側、船体側両方からバリが突き出ているのでリューターで念入りに削らないとピッタリしませんでした。バラストを省略すればそのまま貼り合わせてしまえますが、そこはお好みで。


船体側面には何のディテールもなく寂しいのでディテールアップを試みますが、特型はせいぜい舷窓をピンバイスで開けるくらいしかする事がありません。とはいえガタガタに穴を開けると不格好なのでマスキングテープを罫線代わりにして極力きれいに並ぶように穴を開けます。ドリル径は0.5mmを使用しました。安いセットだと0.7か1mm以上しか入ってないので注意が必要です。穴の位置は箱裏と、実物の写真を参考に。


リノリウム色として43ウッドブラウンを塗ります。リノリウム押さえのディテールが無く、どこからどこまで塗るのか不明なのでピットロードのキットを参考にすると、前は砲塔基部前端からちょっと中央より、後ろは爆雷投射機の装填台の直後まで。でもまあ、大体で十分。


軍艦色2を塗ります。この時点で艦底色を塗り忘れ、完成間近まで気付かなかった・・・


甲板上にパーツを配置してゆきます。作業性は良好でサクサク組めるのですが、ややバリに邪魔をされる事も。単装機銃は1個までなら失くしても大丈夫。(失くしました)
砲塔や魚雷発射管をディテールアップパーツに置き換えるのが良いですが、それぞれ紛らわしいのが2種類あるのでディテールアップパーツの説明書をよく見て、B型砲塔と一二年式3連装魚雷発射管を使用します。(C型砲塔(白露型以降に装備)や九〇式3連装魚雷発射管(初春型に装備)は些細な違いですが特型の装備ではないので注意)


デカールを貼りますが、旗だけちょっと失敗・・・瞬着で固めようとしてつけすぎ、クシャクシャッと縮んでしまいました。この敷波は戦中の仕様なので史実では名前は消されていましたが、これは完全に好みでやっています。船体側面に記名の無い駆逐艦キット(秋月や松など)も組んでいますが、やはり何というか味気無いのです・・・




ウォッシングをして完成。ミナキシ!



箱を開封してから半日で全部仕上がる程度に易しい部類のキットです。程度が良ければもっと早いかも。まあ、速く組む事には何の意味もありませんが・・・



船体側面の舷窓はちょっとガタガタですが無いよりはやはり雰囲気でしょうか。甲板上はディテールアップは何もしていませんが、思いのほか「たくさん載ってる」感があります。


各部を観察。主砲塔は50口径三年式12.7cm連装砲塔。仰角をA型の40度から75度まで引き上げたB型砲塔が綾波型から搭載されました。B型砲塔はA型に対し砲の左右を独立して俯仰させられる等、機能を多く盛り込んだ代償として重量増を招き、特に初春型以降では甲板上の艤装の重量が問題になったため白露型以降へは仰角を55度に制限して軽量化したC型砲塔が搭載されます。


魚雷発射管は十二年式3連装魚雷発射管が3基置かれています。次発装填装置はまだ装備されていませんが、9発を一斉射する事が可能。次発装填装置を使用しない斉射数では島風の15発まではこの9発が最大でした。


2番砲塔は改装により撤去され、代わりに九六式25mm3連装機銃がタンデムに2基置かれています。その直前のマストには13号電探が装備されています。


艦尾には2基の爆雷投下軌条、その前方にはモールドのためにややディテールが潰れていますがY砲(爆雷投射機)と装填台が置かれています。


再び艦中央部。探照灯の直後に1挺と2番煙突の直前の台に2挺の単装機銃が置かれていますが、これは13mmでしょうか?竣工時の対空兵装は毘式12.7mm単装機銃が2挺という、ちょっと変わった装備でした。2・3番魚雷発射管の間の架台に2基載っている25mm3連装機銃は後から追加されたものです。


艦前半。マストの途中に台が取り付けられ、その上に22号電探が置かれています。艦橋前の台には説明書通りに組んだため25mm3連装機銃が置かれていますが、ここは連装機銃が正しいです。


特Ⅰ型の吹雪と。


砲塔がA型からB型に替わり、艦橋がやや盛り付けられているのがわかるでしょうか。


煙突左右に後方を向いたダクトが生えていたものが、キノコの傘のような吸気口に変更されています。煙突自体も鋭角なカットから重厚な感じに変化しています。魚雷発射管も剥き出しだったものから砲室タイプに変更されました。


艦後半は竣工時同士では砲塔以外あまり違いがありません。


特Ⅲ型の響と。


キットのメーカーの解釈違いによりかなり違うようにも見えますが、盛り付けられた艦橋が再び簡略化されている以外は、マストより前に変化はないハズです。


主機関の出力増大により缶室を4基から3基に減らしたため1番煙突が細くなっています。これは缶1基から1本ずつ出て2本を束ねていたため1・2番とも前後に長い断面をもつ煙突だったものが、1番煙突が缶1基からだけに減った分前後に細くなったものでしょう。
1番煙突以外には違いが見られませんが、2番煙突の前の機銃台は響の方にもパーツはあったもののお好みで取り付けろという指示で、載せる機銃のパーツが足りないのでオミットしたんだったような気がします・・・


艦後半もかなり似通っていますが、響の方が多く部品が載っています。


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古いなりに簡素で、タミヤらしく組みやすいですがコレクションにあってもモブのような存在になる印象があります。いくつか組んできている人にはそのままではまず物足りないでしょうが、
面倒臭い大物キットに疲れた時などにはやる気を回復させてくれるかもしれません。初心者がいきなりコレから組むとちょっと戸惑う点もあるので、2個目3個目に向いています。
ハセガワ1/72愛知E13A1零式水上偵察機11型’大和搭載機’です。


ゲームや巡洋艦キットに付属のを見ていれば自ずと興味は湧いてくるもので、「水上機のプラモが作りたい!」となるところ。しかしAmazonで買おうと物色しても、案外モノがありません。入手しやすいのはタミヤの晴嵐、やや品薄気味の瑞雲、他には零式水上観測機、零式「小型」水上偵察機、二式水上戦闘機など。今度でいいや・・・と流れ流れていたところ、ぶらりと某電気屋へ行くと見つけました零式三座水上偵察機。最近は通販ばっかりでしたが、たまにこういう掘り出し物が見つかるものです。


さてこのキットは何故ネット通販だと全然見つからないかというと、これがかなり古いキット。ハセガワの飛行機キットは古くて金型がガタガタなやつでもメジャー機は現行商品だったりしますが、マイナー機で絶版状態でもポロッと再生産されてくる事があります。このキットは数年前に再生産されたもののようです。




説明書。年号が平成に変わったくらいの時期から数年のうちに飛行機プラモはジェット戦闘機ばかり100機以上は組んだのですが、旧日本軍モノは当時興味が無かったので全く組んでおらず、これが初めてとなります。ハセガワのキットの説明書は2色カラーで昔から特徴的でした。


もう一枚、こちらは大和搭載機の塗装指示です。


パーツ全図。キット内容は比較的シンプルにまとめられていますが、やはりどうしても古さを感じてしまいます。


もうバリの嵐。ですがこれこそ私が昔からよく見てきた、見慣れたハセガワのキットらしい姿。


組み始めはとにかくバリを削り落とすところから始まります。ああ懐かしい。モールドは古いキットらしく凸モールド主体。勿論、全部削り落として掘り直し・・・なんてやりませんよ?


塗料はフジミみたいに箱の横に書いてあったりはしないので、店頭ではおおよそ予測して35明灰白色、57青竹色、124暗緑色は買ってきていたのですが、カーキが足りませんでした。でもカーキ持ってたような・・・と探したら出てきました。いつのだよコレ、多分四半世紀くらい前のもの。溶剤分が飛んで死んでたので復活させたらかなりの量になりました。全然使ってなかったんやな・・・


エンジンとコクピットを組みながら塗装し、仮組み。瑞雲なんかは機首かフロートの前端に重りを入れないと尻もちをつくらしいですが、この零式水上偵察機は説明書にはその記述がありません。このままだと確かにやや後ろに傾く形になります。


やっぱりこう、水平になった方がカッコイイかな?


目測で機首に5g、フロート前端に片側10gずつ入れてみました。ぶっちゃけるとフロートや本体の重量が重くなるとフロートを支持する棒が細いのでここの接着に非常に難儀するため、やらない方がマシだったかもしれません。


説明書にもありますが、キットには細い張り線は付属しないのでフロートを支持する張り線を伸ばしランナーで作ってやります。特にこのバッテンは実機の写真でも結構目立つので・・・


フロートから垂直に支持する2本ずつの棒の内側に斜めの棒を取り付けました。


と思ったら、艦載用のこの機体はカタパルトに載せる都合上、内側の斜め棒をワイヤーに置き換えているのだそう。



面倒臭いけど伸ばしランナーでワイヤーを作って左右から4本での支持に。ワイヤーを刺す穴は開いていないのでピンバイス必須。


塗装は筆塗り。上面色と下面色の境目はガサガサに塗ってそれっぽくしていますが、こういう境目は別にぼかさなくてもクッキリしていてもOK。迷彩塗装って難しいと思ってやらない事が一番だめなのではないかと。イイんだよ実機も適当なんだから適当で。


いよいよデカールですが、透明部分がやたらある部分は出来れば塗装でやってしまいたい気分。水平尾翼上面の白線と、主翼後縁の動翼の赤線はマスキングして線を引いてやりました。


デカールを貼ると一気に雰囲気がそれらしくなるのは、ハイビジ系のジェット戦闘機と同様。デカールは周辺の透明部分を切り飛ばしてやると作業性も良好。




銀で若干剥げチョロを書き込み、エナメルジャーマングレーでウォッシングして完成。



1/700のちっこい奴では分からない部分など、勉強になります。



零式水上偵察機は九四式水上偵察機の後継として愛知航空機によって開発された十二試三座水上偵察機を、昭和15年に海軍が制式採用した機体です。潜水艦搭載用の零式小型水上偵察機という機体もありますが、全く別の機体です。


キットは11型のうち、エンジンからの排気口に消炎装置を取り付けている「11型乙」。


前後に長いキャノピー内には三座の名の通り3名の乗員が前2人は前方を、3人目は後方を向いて乗っています。3人目の席の目の前のキャノピーは内側上方へ巻き込むように開き、ここから7.7mm機関銃を出して後方機銃とするのが唯一の武装。


何年か前に組んだタミヤ(イタレリ)のJu87G-2スツーカと。どちらも前後は短いものの左右は思いのほか大きいです。


他に日の丸をつけた機体がこれしかありませんでした。ハセガワの航空自衛隊F-104J。


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1/72の飛行機キットというのは勿体ぶって組むようなものではありません。ガンガン組んでガンガン潰して良いものです。ただ90年代・・・いや80年代後半以降のキットは詳細傾向でどうしても勿体なく感じてしまうので、気軽に組むなら古いキットの方が気兼ねなく失敗できるとも言える、かもしれません。今回のものは古い割には思ったより悪くないキットだったように感じました。

アオシマ1/700ウォーターラインシリーズの駆逐艦初春1941です。


箱は駆逐艦としてはやや大きめ、高雄とかと同じサイズ。


初春は初春型駆逐艦の1番艦。ロンドン海軍軍縮会議により1500t以上の艦の保有を制限され、特型駆逐艦の建造を止められてしまった帝国海軍が1400tに留めるため小型の船体に特型と同等の武装・性能を期待して建造されたのが初春型駆逐艦です。しかしやはり無理があったのか、甲板上の構造物が大きく重く、また缶の軽量化によって甲板下は逆に軽くなっていたため竣工直前の公試試験では傾きすぎて転覆寸前となったため船体側面にバルジを取り付ける改修を施されました。しかし竣工直後には「友鶴事件」が発生、このままでは非常に危険とされ大改修が行われます。
改修によって甲板上の艤装の配置は一変し、とりあえずは安定性を確保できたものの、当初の要求性能を下回ってしまう事となります。
初春は第21駆逐隊に属し、太平洋戦争では対潜掃討や輸送護衛などの任務に就いていました。1942年にはキスカ島への途上に敵機の攻撃により大破、翌年半ばまで修理入渠します。その後も各地を走り回り、1944年11月にマニラ湾にて米空母搭載機の空襲により沈没します。


新しいキットなので駆逐艦といえどそこそこのボリュームがあります。
キットは改装後の、更に開戦時の姿を再現しています。バリエーションキットとして竣工時の姿を再現した「初春1933」があり、こちらは甲板上の構成がかなり違います。アオシマからは現在初春2種のほか、2番艦である子日(ねのひ)1933(竣工時)と4番艦の初霜1945(最終時)があります。子日は初春とほぼ同じですが、初霜1945は白露型の最終時のように単装砲塔が機銃台に変わるなどの改装がなされた姿を再現しています。




説明書はB4版を2枚折りにした1枚紙。箱に収めるためもう1回折ってあり真ん中に折りクセがついています。分かりにくいところは特に無いのですが、甲板上の構成が左右非対称なのでできれば完成状態の左舷側の図も欲しかった感じ。


主要パーツ群。デカールは初霜と共用ですが子日に付いていたものとは別で、戦隊番号がありません。


静模のディテールアップパーツ(小型艦用)が1枚付属します。カッターや錨、ボートダビットはここから使用します。



船体は船体パーツと艦底、甲板が前後。


パーツの合いは悪くありませんが、やや甲板の両舷にわずかな隙間が開くかな?無理して埋めようと船体パーツの左右から押さえると溶けた接着剤がネチョッとなりやすいので注意。


船体以外はランナーごとスプレー塗装してしまいました。


船体側はまずリノリウム色として43ウッドブラウンを。


そして残りを32軍艦色2で。


パーツの合いが良好で、サクサク組み進められます。マストもパーツ同士の面取りがされているのでストレス無く組む事ができます。ただボートダビットの取り付け位置は印も何もないのでカッターにボートダビットを取り付けてから甲板上に置き、取り付け面に接着剤を流すようにしました。説明書通りですけども。他は全くもって組みやすいです。


船体側面にはモールドが大きく凹凸しているのでデカールはマークソフターでしっかりと馴染ませます。好みで艦首左右に「21」を書き込んでも良いでしょう。


ディテールアップパーツには4種の水上機があるので何となくでこの内3種を組んでみました。左から晴嵐、強風、二式水上戦闘機。




ウォッシングをして完成。



みつしり感、というとそれほどでもありませんが、アオシマらしいやや大げさなディテールで雰囲気は良好。



リブ状のモールドが全体の側面に多く施されており、水平視点での見た目もかなり雰囲気です。


各部を観察。主砲塔は50口径三年式12.7cm連装砲塔。初春型には最大仰角を従来の40度から75度まで引き上げたB型砲塔が搭載されます。しかし高仰角のまま連射できるものではなく、装填の際に水平に戻す必要がある上に対空用の射撃管制装置も備えておらず、「一応上に向けて撃つ事も出来る」という程度のものであまり実用的ではありませんでした。また重量も重いため次型である白露型からは仰角を55度に戻し軽量化したC型砲塔が搭載されました。
初春の竣工時には連装砲塔の後ろには1段持ち上げて単装砲塔が置かれていましたが、改装により後部の連装砲塔の直前の位置へ移されています。艦橋も元々は城の天守閣のような仰々しい形をしていましたが軽量化のためシンプルな形状に改められています。


煙突2本の間と後ろには三連装魚雷発射管があります。竣工時は2番発射管の後ろにも1段持ち上げてもう1基装備されていましたが、改装により撤去されています。初春型からは次発装填装置が帝国海軍では初めて装備されていました。これのおかげで改装後では特型の9発に対し6発と同時発射数は減っていましたが再装填が速やかに行われるため実質的には6x2の12発を短時間のうちに斉射できるようになっていました。


改装により単装砲塔が前向きに、後方の連装砲塔と背中合わせに置かれています。単装砲塔は千鳥型水雷艇(友鶴事件で有名な友鶴もこの千鳥型水雷艇です)が改装前まで装備していたA型を改良したA型改1が搭載されています。仰角は連装砲と同じく75度。


艦尾には爆雷投下軌条が1基装備されています。その前方にはY砲(爆雷投射機)と装填台が置かれています。


後部煙突の前左右には毘式40mm単装機銃が1挺ずつ置かれています。この機銃は太平洋戦争開戦時まではこのままでしたが戦中に九六式25mm3連装機銃に換装されています。1944年の最終時には艦橋の前に連装1基、12.7cm単装砲塔を撤去して3連装を1基、その他単装機銃を10挺程度増備していたようです。


開戦時ではまだマスト上には電探はありませんが、後に前マスト上に22号、後部マスト前面に13号電探が装備されます。


ついでに組んだ水上機3種。まずは二式水上戦闘機。タミヤ白露の時にも白い機体色で組みましたが、今回は上面緑・下面白のカラーリング。零式艦上戦闘機11型をベースに水上機化した機体です。


水上攻撃機・晴嵐。伊400型潜水艦に搭載する前提で開発された、折り畳み機構を有する機体です。水冷V12エンジンを搭載するため機首は流線型をしています。バリエーション機としてフロートの代わりに車輪を装備した「南山」(晴嵐改とも)もあります。


水上戦闘機・強風。意欲的な要求性能により開発が長引きそうなのでこの機体までの繋ぎとして二式水上戦闘機が開発されていましたが、結局そちらの方が多く生産されました。強力で大型のエンジン「火星」を搭載するために機首が太くなるのを紡錘形にすることで空力改善していること、試作機では二重反転プロペラを装備していた名残りでプロペラ中央のスピナーが前後に長く、旧ソ連のジェット戦闘機のノーズコーンのような形をしている等、形状的な特徴の多い機体です。結局、制式採用された頃にはすでに活躍の場は無く、戦果もほぼ皆無だったようです。



同型艦の子日1933と。竣工時と改装後で艦様がかなり違う事がわかります。


次型である白露型の海風と。改装後の初春の甲板上の配置が白露型でも大体踏襲されており、見た目には大きく変わっていません。


奥(上)から子日1933、初春1941、白露、海風。条約型の1400t級駆逐艦の始まりから最後まで。もっとも、初春でさえ最終的には1700t程度と特型駆逐艦と同等まで重量が増えていたそうです。


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組んでる時も組みあがった後も好印象な優良キットです。初心者にも安心して薦められますが、練習用にはちょっと出来が良すぎるかも。これの後に古いものや駄キットを組むと心が折れるかもしれません・・・



お風呂これくしょんの駆逐艦島風です。


島風は島風型駆逐艦の・・・て今回はそんなんどうでもいい。


箱は小さめ。170x140x70mmってところ。


開封。


パーツ全図。説明書、本体、浮き輪、バケツ。


説明書。40度以上のお湯には浸けないでください。とありますが風呂の温度は普通42~3度だよなあ!とネットの一部でネチネチとケチつけてるのがいましたな・・・50度とか60度とか大幅に高温だったり、40度ちょいに何時間も浸けっぱなしじゃなきゃ気にすることはありません。


クリヤーグリーンのマグカップ状の、横に「修復」と書かれた高速修復材、通称「バケツ」と、フロートとなる浮き輪。説明書には浮き輪の下面に補助パーツを後から取り付けていますが、開封時には元々取りついていました。浮き輪の上側後方には2つ空気穴が開いており、ここから水が入るとしまいには沈んでしまうかと思われます。



島風本体。立たないのでこんな姿で失礼。右側頭部から棒が突き出ており、ここを回す事でゼンマイが巻かれますが、足を押さえながらでないとうまく巻けません。全体的にテカテカしています。


浮き輪と合体させます。浮き輪の上側(補助パーツの無い方)へ足から差し込み、手などの位置を合わせてグッと押し込むと「メキャッ」とちょっと不安になる音を立てて結合されます。


足を押さえながらゼンマイを巻き、テーブルの上に置くと「ギーーーー(ゴッゴッゴッ)」という感じの音を立てながらヨチヨチ歩きをします。ゼンマイをフルに巻いて10秒ほど。見た目はカワイイのですが、音がbig dogみたいで・・・


予想してたより足の動きが速くて、もうちょっとギヤ比低くてもいいのに・・・と思うところですが、これは島風ですからこれはこれで良いのでしょう。水に浸けるのはウチではやっていませんが、他所のレビューでは水上ではバタ足はすれど前に進まない傾向にあるようです。まあ、ご愛嬌。


バケツの上に置くと安定したオブジェとしてお楽しみいただけます。何かこう、鉢植えみたいな。


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動きがカワイイので実用性能がどうだろうとそこだけで価値があるものだと思います。ていうかフィギュアってそもそもそんなもんじゃね?何で性能が問われなきゃならんの??

かつて可動フィギュアをアホほど買っていたウチも今では年に1~2という状態。たまに興味が向いて買ったとしても、開封せず積む始末。そんな中でここ最近買ったのはこの2つ。案の定、一方は開封していません・・・




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