~趣味の世界~
ハセガワ1/700ウォーターラインシリーズの重巡洋艦足柄です。前回「次は重巡だなー!」と言った通りに。
ハセガワはウォーターラインシリーズにはタミヤ、アオシマともに継続して参加しているのですが、特に他2社に比べるとやや地味な印象。初期モノでは出来は中間的で良くも悪くもない、という感じだったのですが現在はどうでしょう?
amazonで1427円と、価格的には駆逐艦や軽巡とそれほど差がありません。ですがボリューム的にはさすがに大きいだけあってそこそこあるのでお買い得かも。
説明書。面白いのはクレオスの塗料の他にXF-○○といったタミヤカラーの指示も書かれている点。ただし「タミヤカラー」の単語は頑なに記述されていません・・・
他社に比べインスト(組み立て説明書)の見た目がカッチリしていますが、読みやすいか、と言うとそうでもなく、大事な注釈が小さく目立たなく書かれていたりしてやや不親切な印象。
ランナー展開。ハセガワのキットは主に航空機キットを多く作ってきましたが、パッと見の印象で何となく「ハセガワらしい」という印象を受けます。オール単色成型色でパーツの端の薄いエッジの透け具合だとか、詳細なパーツだけどやたら細かく小さいパーツがあったりだとか、バリの具合とか・・・
右下の袋詰めはタミヤの吹雪にあったようなディテールアップパーツかと思ったら、これも必須パーツになります。
それでは製作開始。キットは「第二次改装後」と「最終形態」の選択型になっています。とりあえず最終形態で進める事にしました。どちらにしても穴開けや切り取りが必要になります。ピンバイスも用意しておくと便利。昔だと「キリ」の使用指示になっていたものです・・・
説明書だと艤装から組むように指示されていますが、船体から始めてゆきます。船体は上下と左右に分割されており、左右分割の合わせ目は艦首のみちょっとズラされていてここもちょっとハセガワらしいクセというか。
こういう大きいパーツの貼り合わせには流し込みタイプの接着剤を使うのがベターです。普通のだと塗ってる間に乾いてしまい面倒臭いのです。左右を合わせたものを艦底パーツに載せるのが順序的にやりやすいかな?艦底パーツの上にバラストを乗せますが、固定のための両面テープがキットに付属するのでこれを用いてもいいし、経年で粘着が剥がれて中でガラガラするのも何だしとアルミテープで貼ってもよし。バラストを上から押さえるパーツ割になっていないので置くだけだと固定されません。
甲板を接着する前に、横穴から魚雷がチラ見えするようになっているので横穴から見える範囲を塗装しておきます。3本ある横桁の内側を全部塗っておけば安心ですが、そこまで神経質にやらなくても可。
ここは現物も左右貫通しているのかどうか知らないので向こうが見えるのが正解なのかどうかわかりません。貫通していないとしても中に光が差さないようにするのは少々面倒ですが・・・
艦首の左面にかなり目立つ合わせ目が残るのでパテ埋めしておきます。塗装を厚塗りして埋めるのではラッカーパテと同じで必ずヒケてくるのでヒケないパテで。エポキシパテでもポリエステルパテでもいいのですが、作業速度的には光硬化パテが便利。1本1000円程と若干お高いのですが、特性上厚盛り出来ないので合わせ目を生める用途だと量的には十分。
盛り付けたら光を照射。ホームセンターなどで1000~2000円くらいで売ってるクリップライトを電球型蛍光灯に差し替えたものでOK。白熱電球のままだとパーツが熱で溶けます。LED電球はまだ高いし・・・
光硬化パテはこのくらいライトを近づけて照射すれば10分程で硬化しますが、艦首と艦尾と離れた位置にパテを盛ったのでその間に出来る事を。前回は先に軍艦色を塗ってから甲板上面にリノリウム色(私は43ウッドブラウンですが、ここは好みで)を塗りましたが、ググってみると順序的にはみんなリノリウム色を先に塗っています。細かい甲板上の構造物の隙間を塗るのが面倒臭いと思いながら塗ってたものでしたが、確かに先にリノリウム色を塗ってから甲板上の構造物を軍艦色で塗る方が楽だったわ・・・
甲板を船体に接着。やや端に隙間が開き気味なので接着してここを処理してからリノリウム色を塗った方が無難だったかも。
32軍艦色(2)を塗装。リノリウム色は最近は「リノリウム色」というのが別に売られているみたいですね。
何となく綺麗すぎるので先に甲板だけタミヤエナメルXF-63ジャーマングレーでウォッシング。
艦橋その他を組みます。非常に微細なパーツがやけに多く、じゅうたんの上などにうっかり落とすと発見が困難です。箱の上で作業をする等、パーツ落下対策をしておく事を強く推奨します・・・
組んだパーツを甲板に載せてゆきますが、順序があり先に艦橋を載せたりすると煙突が取り付かなくて引っぺがすハメになります(なりました)。説明書には小さく書かれていて見落としやすいので注意。具体的には上画像に赤で示した順序に載せます。
甲板上の構造物を次々と載せていきますが、順序が決まっている箇所が結構あり説明書上で構造物から先に組んでいるのに納得させられます・・・
上画像は艦底色を塗ったのでカタパルトや艦首の突起で浮かせているところ。カタパルトは接着せず可動するようにしても保持力がありますが、砲塔はやや緩めで逆さにするとポロポロ落ちるので注意。砲塔は裏から焼きゴテでカシメると抜け止めにできますが、順序的に砲塔を載せる段階ですでに裏側にアクセスできなくなっています。
艦載機は4種2個ずつありますが、載せられるのは2機まででしょうか。フジミの那珂に付いていた95水偵に比べ大分組みやすく、形状もマシになっています。94式水上偵察機、95式水上偵察機、零式水上偵察機、零式水上観測機の4種。色は適当ですが、基本的には上面が緑、下面がライトグレー、機首のエンジンカバーが黒、プロペラ基部が銀、赤丸とフロートの前寄り上面のラインを赤、零式~の翼前縁内側半分を黄色で塗れば大体それっぽくなるでしょうか。この辺は名前でググれば参考になる画像がいくらでも出てくるのでそちらを参考に。便利な世の中だわ・・・(昔はこうしたちょっとの情報でも高~いミリタリー誌を買い集めなければならなかったのです・・・)
艦と艦載機をジャーマングレーでウォッシング。船体側面は箱絵などでは結構錆色が多いのでXF-10フラットブラウンなどで表現しても面白いでしょう。
完成。パーツが細かくて苦戦する点もあれどエッチングパーツまでは使っていないので1日で完成できる程度のお手軽さでもそこそこ密度のある仕上がりになります。
いかにも軍艦らしいフォルム、戦艦は大きいし・・・という人に。
旗はデカールが付属しますが、面倒なので省略してしまいました。
素組みでも密度感はそこそこありますが、もうちょっと凝っても良かったかも。エッチングパーツを使えば仕上がりは更に満足度が高まるでしょう。
大きさ比較。手前から駆逐艦吹雪、軽巡洋艦那珂、重巡洋艦足柄。
逆順に。
@@@
ハセガワらしい微妙にクセのある、あまり楽はさせてくれないキットですが、スキルを磨くにも良好な教材ともいえます。サッと組んでもそこそこ見栄えがするし、更に手を入れる余地がかなり残されているので奥行きがあるといえるでしょう。
ハセガワはウォーターラインシリーズにはタミヤ、アオシマともに継続して参加しているのですが、特に他2社に比べるとやや地味な印象。初期モノでは出来は中間的で良くも悪くもない、という感じだったのですが現在はどうでしょう?
amazonで1427円と、価格的には駆逐艦や軽巡とそれほど差がありません。ですがボリューム的にはさすがに大きいだけあってそこそこあるのでお買い得かも。
説明書。面白いのはクレオスの塗料の他にXF-○○といったタミヤカラーの指示も書かれている点。ただし「タミヤカラー」の単語は頑なに記述されていません・・・
他社に比べインスト(組み立て説明書)の見た目がカッチリしていますが、読みやすいか、と言うとそうでもなく、大事な注釈が小さく目立たなく書かれていたりしてやや不親切な印象。
ランナー展開。ハセガワのキットは主に航空機キットを多く作ってきましたが、パッと見の印象で何となく「ハセガワらしい」という印象を受けます。オール単色成型色でパーツの端の薄いエッジの透け具合だとか、詳細なパーツだけどやたら細かく小さいパーツがあったりだとか、バリの具合とか・・・
右下の袋詰めはタミヤの吹雪にあったようなディテールアップパーツかと思ったら、これも必須パーツになります。
それでは製作開始。キットは「第二次改装後」と「最終形態」の選択型になっています。とりあえず最終形態で進める事にしました。どちらにしても穴開けや切り取りが必要になります。ピンバイスも用意しておくと便利。昔だと「キリ」の使用指示になっていたものです・・・
説明書だと艤装から組むように指示されていますが、船体から始めてゆきます。船体は上下と左右に分割されており、左右分割の合わせ目は艦首のみちょっとズラされていてここもちょっとハセガワらしいクセというか。
こういう大きいパーツの貼り合わせには流し込みタイプの接着剤を使うのがベターです。普通のだと塗ってる間に乾いてしまい面倒臭いのです。左右を合わせたものを艦底パーツに載せるのが順序的にやりやすいかな?艦底パーツの上にバラストを乗せますが、固定のための両面テープがキットに付属するのでこれを用いてもいいし、経年で粘着が剥がれて中でガラガラするのも何だしとアルミテープで貼ってもよし。バラストを上から押さえるパーツ割になっていないので置くだけだと固定されません。
甲板を接着する前に、横穴から魚雷がチラ見えするようになっているので横穴から見える範囲を塗装しておきます。3本ある横桁の内側を全部塗っておけば安心ですが、そこまで神経質にやらなくても可。
ここは現物も左右貫通しているのかどうか知らないので向こうが見えるのが正解なのかどうかわかりません。貫通していないとしても中に光が差さないようにするのは少々面倒ですが・・・
艦首の左面にかなり目立つ合わせ目が残るのでパテ埋めしておきます。塗装を厚塗りして埋めるのではラッカーパテと同じで必ずヒケてくるのでヒケないパテで。エポキシパテでもポリエステルパテでもいいのですが、作業速度的には光硬化パテが便利。1本1000円程と若干お高いのですが、特性上厚盛り出来ないので合わせ目を生める用途だと量的には十分。
盛り付けたら光を照射。ホームセンターなどで1000~2000円くらいで売ってるクリップライトを電球型蛍光灯に差し替えたものでOK。白熱電球のままだとパーツが熱で溶けます。LED電球はまだ高いし・・・
光硬化パテはこのくらいライトを近づけて照射すれば10分程で硬化しますが、艦首と艦尾と離れた位置にパテを盛ったのでその間に出来る事を。前回は先に軍艦色を塗ってから甲板上面にリノリウム色(私は43ウッドブラウンですが、ここは好みで)を塗りましたが、ググってみると順序的にはみんなリノリウム色を先に塗っています。細かい甲板上の構造物の隙間を塗るのが面倒臭いと思いながら塗ってたものでしたが、確かに先にリノリウム色を塗ってから甲板上の構造物を軍艦色で塗る方が楽だったわ・・・
甲板を船体に接着。やや端に隙間が開き気味なので接着してここを処理してからリノリウム色を塗った方が無難だったかも。
32軍艦色(2)を塗装。リノリウム色は最近は「リノリウム色」というのが別に売られているみたいですね。
何となく綺麗すぎるので先に甲板だけタミヤエナメルXF-63ジャーマングレーでウォッシング。
艦橋その他を組みます。非常に微細なパーツがやけに多く、じゅうたんの上などにうっかり落とすと発見が困難です。箱の上で作業をする等、パーツ落下対策をしておく事を強く推奨します・・・
組んだパーツを甲板に載せてゆきますが、順序があり先に艦橋を載せたりすると煙突が取り付かなくて引っぺがすハメになります(なりました)。説明書には小さく書かれていて見落としやすいので注意。具体的には上画像に赤で示した順序に載せます。
甲板上の構造物を次々と載せていきますが、順序が決まっている箇所が結構あり説明書上で構造物から先に組んでいるのに納得させられます・・・
上画像は艦底色を塗ったのでカタパルトや艦首の突起で浮かせているところ。カタパルトは接着せず可動するようにしても保持力がありますが、砲塔はやや緩めで逆さにするとポロポロ落ちるので注意。砲塔は裏から焼きゴテでカシメると抜け止めにできますが、順序的に砲塔を載せる段階ですでに裏側にアクセスできなくなっています。
艦載機は4種2個ずつありますが、載せられるのは2機まででしょうか。フジミの那珂に付いていた95水偵に比べ大分組みやすく、形状もマシになっています。94式水上偵察機、95式水上偵察機、零式水上偵察機、零式水上観測機の4種。色は適当ですが、基本的には上面が緑、下面がライトグレー、機首のエンジンカバーが黒、プロペラ基部が銀、赤丸とフロートの前寄り上面のラインを赤、零式~の翼前縁内側半分を黄色で塗れば大体それっぽくなるでしょうか。この辺は名前でググれば参考になる画像がいくらでも出てくるのでそちらを参考に。便利な世の中だわ・・・(昔はこうしたちょっとの情報でも高~いミリタリー誌を買い集めなければならなかったのです・・・)
艦と艦載機をジャーマングレーでウォッシング。船体側面は箱絵などでは結構錆色が多いのでXF-10フラットブラウンなどで表現しても面白いでしょう。
完成。パーツが細かくて苦戦する点もあれどエッチングパーツまでは使っていないので1日で完成できる程度のお手軽さでもそこそこ密度のある仕上がりになります。
いかにも軍艦らしいフォルム、戦艦は大きいし・・・という人に。
旗はデカールが付属しますが、面倒なので省略してしまいました。
素組みでも密度感はそこそこありますが、もうちょっと凝っても良かったかも。エッチングパーツを使えば仕上がりは更に満足度が高まるでしょう。
大きさ比較。手前から駆逐艦吹雪、軽巡洋艦那珂、重巡洋艦足柄。
逆順に。
@@@
ハセガワらしい微妙にクセのある、あまり楽はさせてくれないキットですが、スキルを磨くにも良好な教材ともいえます。サッと組んでもそこそこ見栄えがするし、更に手を入れる余地がかなり残されているので奥行きがあるといえるでしょう。