~趣味の世界~
<前回のあらすじ>
UMAREX G36CVにマガジンアダプターを装着して試射、問題なく給弾されている事を確認しますが、何かがおかしい。
そう、音。このG36CVはブローバックモデルなので音は本来シャカシャカしているのですが、この時の音は普通のスタンダード電動ガンのようなウィポポ音だったのです。今一度確認のために撃ってみると、コッキングレバーもエジェクションポートも可動していません。
コッキングレバーを引いてみると、半分ほどの位置で止まってしまいます。
何これ!分解だー!!
とりあえず外れそうなところを手当たりしだいに外してゆきます。ハンドガードのピンを抜いてハンドガードを外し、バレル付け根のバレルナットを回してアウターバレルを外します。今時の銃はずいぶん簡単に外せるようになってるなぁ・・・
アウターバレルはガスブロックとガスピストンが一緒になってスルリと抜けます。インナーバレルはチャンバーに固定されていてこの時点ではまだ銃側に取り付いています。ここはアウターバレルを交換する時以外では特に外す必要はありませんが、まあ何となく。
さて本題。トラブってるのはブローバックメカなのでメカボックスを目指します。マガジンアダプターはピンを抜いて外しておき、次はレシーバー後方に刺さっているピンをハンドガードやマガジンアダプターを留めているものと同様に抜きます。ここは他のピンよりやや固いです
が頑張りましょう。
ストックを折りたたみ、レシーバー後面から黒い金属製のブロックを引っ張り出すと、バッファースプリング?も一緒に抜けてきます。
グリップを持ってガタガタ揺すりながら下へ引くとメカボックスがロワレシーバーごと外れます。
レシーバーの後面からコッキングレバーを抜き出します。エジェクションポートを塞いでいたポートカバーと一体になっています。
折角だからチャンバーもチェックしておきましょうか。コッキングレバーに隠れていたレシーバー上面の開口部に見える、チャンバーの真上にあるイモネジを抜きます。
下からチャンバーを銃の前方へグッと押し込み、反時計回りに90度回転させるとチャンバーのロックが外れ、スプリングに押されるように後方へ抜けます。ここは押しづらいし回しにくいですが頑張ります。
レシーバー後面の穴からインナーバレルとチャンバーを抜き出したところ。スタンダード電動のM4やAKと較べると非常にシンプル。このシンプルでコンパクトな中にちゃんと可変ホップアップ機構があります。
それではトラブルの検証をしましょう。メカボックスの上面には前後にスライド可動するパーツがあり、そのパーツからは上に突起が出ています。
後ろへスライドさせたところ。ピストンがモーターの力で後ろへ引かれるのと一緒にこのパーツも後ろへスライドし、この突起がコッキングレバーを引っ掛けて後ろへ動かす仕組みのようです。
後ろへ下がったコッキングレバーはピストンが発射のために前進すると突起の出ているパーツとコッキングレバーは一旦その位置に留まり、後退時に縮められていたバッファースプリングの力で前進します。これがこの銃のブローバックの仕組み。
メカボックスの上にコッキングレバーと、バッファー一式を配置したところ。正常な状態ではこの配置になっていますが・・・
何かの拍子でコッキングレバーが上へ持ち上がったりして、メカボックスから突き出た突起がこのようにコッキングレバーの後ろへ来てしまうと、ピストンの後退と一緒に後退するこの突起パーツはコッキングレバーを後退さられせず単独で後退する事になり、ブローバック動作を起こさなくなります。
突起がコッキングレバーの後ろに来てしまった場合、コッキングレバーは一番後ろまで引けずに突起が後退できる一番後ろの位置までで止まります。これがコッキングレバーを引いても半分ほどエジェクションポートが閉まったままになる原因だったもよう。トラブルの原因はこの突起が何かの拍子にコッキングレバーとの連結が外れて後ろの位置に来てしまった事なので、正しく組みなおせばちゃんとブローバック動作するようになるはずです。
組みなおせば直ると分かったら次はチャンバーのチェック。インナーバレル付け根にはまっているC字状のロックパーツを外し、ホップ調整ダイヤルを回して位置を合わせると前方へ抜けます。が、その際ポロポロと小さなパーツが転げ落ちてきました。ホップゴムを押すための小パーツが2つあるので失くさないように注意。ホップ調整ダイヤルの内面は回転させると内径が狭まるように面取られていて、狭くなる方へ回すと小パーツ2つが中心に向かって押し込まれ、ホップゴムを押す仕組みになっています。考えてみれば確かにこれで十分機能するわ・・・って納得する単純構造。
インナーバレルをチャンバーから引っこ抜けばチャンバーパッキンごと抜けますが、その前にある真鍮のリングがスムーズに抜けてこないのでここは無理せずこの真鍮リングを丁寧に抜く事を重視して抜きます。
取り出したチャンバーパッキンは多分普通の電動ガン用と同じもの。内側にはホップを掛ける二つの突起と、インナーバレルとの位置合わせのためのレール状の突起があります。銃と一緒にチャンバーパッキンも買っておいたのですが、特に交換の必要は無さげ。この辺りは好みで換えるかこのままでいくか決めて構わないでしょう。
組み付けはまずチャンバーパッキンをインナーバレルとの噛み合いに合わせ取り付け、チャンバーへ差し込みます。真鍮リングも差し込んだらインナーバレルを回転させて位置を合わせます。チャンバー上側にある四角い穴に小パーツ2つを入れます。短いチューブ状のパーツを横向きに入れてから、もう一方の小パーツの丸く窪んでいる面をチューブ状のパーツに合わせるように被せます。窪んでいる面と反対側の片側に出っ張っている部分がある方を前側にします。
小パーツ2つを押し込みながらホップ調整ダイヤルを所定の位置に配置させます。時計回りにいっぱいに回してホップ最強にしておくと位置がズレにくいでしょう。
チャンバーを後ろ側から覗いたところ。突起が適正に押し出されているか、突起がちゃんと真上の位置にあるかを確認。
インナーバレルとチャンバーをレシーバー後面から差し込みます。
レシーバー内のチャンバーが刺さる位置の形状を合わせます。この写真の位置ならチャンバーを左に90度回転させた位置。外す時に抜けてきた角度ですね。
押し込んで90度時計周りに回して固定。
レシーバーの上側からイモネジをねじ込みます。ストックを畳んでいると邪魔になるので伸ばしておくとか、いっそレールを外しておくと作業性が良いでしょう。
アウターバレルをインナーバレルの先端から被せます。
ガスピストンに付いている板状のパーツはこの位置に。
バレルナットを締めます。本来専用のレンチが必要ですが、ラジオペンチでこのようにして締めてもまあ十分。ただしバレルナットに傷が付きやすいので注意。
レシーバー後面から覗いてホップの突起がちゃんと正しい向きにあるか最終確認。ホップ調整ダイヤルを半時計周りに止まるまで回して最弱にしておきます。
コッキングレバーをレシーバー後面から差し込みます。
メカボックス上面から出ている突起パーツの動く範囲に油っ気が全然無かったので注油して滑りを良くしておきます。メカボックス上面もコッキングレバー下面が擦れ合うのでここも。ジョボジョボ流し込むんじゃなく、染み込ませたティッシュで拭いて表面をコーティングする要領で。
ロワレシーバーを取り付けます。ノズルがチャンバーへ入るようにしつつ滑り込ませると比較的スムーズに入ってゆきます。
メカボックス上面の突起がちゃんとコッキングレバー後ろのブロックより前にあるかを後ろから覗き込んで確認。ここで突起が後ろにあると元の木阿弥です。
バッファースプリングをスプリングガイドの付いている黒いブロックに挿し、レシーバー後面から差込んでピンを刺し固定。この写真だと上側に隙間がありますが、この隙間を閉めるように位置合わせしないとピンが刺さりません。
コッキングレバーを引いてフルストロークすればOK。この状態でトリガー前のボルトストップを押してちゃんとロックできるか、更にそこからコッキングレバーを軽く引いてちゃんとリリースできるかを確認。
マガジンアダプターとハンドガードを取り付けて完成。バッテリーを繋いで空撃ちしちゃんとブローバックする事を確認。やれやれ・・・
UMAREX G36CVでブローバックしなくなった、コッキングレバーを引くと途中で止まる、という症状が出たらメカボックス上の突起とコッキングレバーの位置関係をチェックしてみましょう。今回と同じ症例ならばレシーバー後ろ側のピンを抜いてバッファーを抜き出すだけでチェックできるハズです。
補足:ハイダーがハンドガードに埋まった位置にあるためサイレンサー取り付けには延長アダプターが必要、と先日書きましたが別に無くてもファットサプレッサー(外径30mm)が取り付きました。
ただしサイレンサー側のネジ位置が奥まっているものはアウターバレルを覆う分がハンドガードと干渉すると思うのでその場合はやはりアダプターが必要です。理屈じゃなく実際にやってみるのが一番でしょう。
UMAREX G36CVにマガジンアダプターを装着して試射、問題なく給弾されている事を確認しますが、何かがおかしい。
そう、音。このG36CVはブローバックモデルなので音は本来シャカシャカしているのですが、この時の音は普通のスタンダード電動ガンのようなウィポポ音だったのです。今一度確認のために撃ってみると、コッキングレバーもエジェクションポートも可動していません。
コッキングレバーを引いてみると、半分ほどの位置で止まってしまいます。
何これ!分解だー!!
とりあえず外れそうなところを手当たりしだいに外してゆきます。ハンドガードのピンを抜いてハンドガードを外し、バレル付け根のバレルナットを回してアウターバレルを外します。今時の銃はずいぶん簡単に外せるようになってるなぁ・・・
アウターバレルはガスブロックとガスピストンが一緒になってスルリと抜けます。インナーバレルはチャンバーに固定されていてこの時点ではまだ銃側に取り付いています。ここはアウターバレルを交換する時以外では特に外す必要はありませんが、まあ何となく。
さて本題。トラブってるのはブローバックメカなのでメカボックスを目指します。マガジンアダプターはピンを抜いて外しておき、次はレシーバー後方に刺さっているピンをハンドガードやマガジンアダプターを留めているものと同様に抜きます。ここは他のピンよりやや固いです
が頑張りましょう。
ストックを折りたたみ、レシーバー後面から黒い金属製のブロックを引っ張り出すと、バッファースプリング?も一緒に抜けてきます。
グリップを持ってガタガタ揺すりながら下へ引くとメカボックスがロワレシーバーごと外れます。
レシーバーの後面からコッキングレバーを抜き出します。エジェクションポートを塞いでいたポートカバーと一体になっています。
折角だからチャンバーもチェックしておきましょうか。コッキングレバーに隠れていたレシーバー上面の開口部に見える、チャンバーの真上にあるイモネジを抜きます。
下からチャンバーを銃の前方へグッと押し込み、反時計回りに90度回転させるとチャンバーのロックが外れ、スプリングに押されるように後方へ抜けます。ここは押しづらいし回しにくいですが頑張ります。
レシーバー後面の穴からインナーバレルとチャンバーを抜き出したところ。スタンダード電動のM4やAKと較べると非常にシンプル。このシンプルでコンパクトな中にちゃんと可変ホップアップ機構があります。
それではトラブルの検証をしましょう。メカボックスの上面には前後にスライド可動するパーツがあり、そのパーツからは上に突起が出ています。
後ろへスライドさせたところ。ピストンがモーターの力で後ろへ引かれるのと一緒にこのパーツも後ろへスライドし、この突起がコッキングレバーを引っ掛けて後ろへ動かす仕組みのようです。
後ろへ下がったコッキングレバーはピストンが発射のために前進すると突起の出ているパーツとコッキングレバーは一旦その位置に留まり、後退時に縮められていたバッファースプリングの力で前進します。これがこの銃のブローバックの仕組み。
メカボックスの上にコッキングレバーと、バッファー一式を配置したところ。正常な状態ではこの配置になっていますが・・・
何かの拍子でコッキングレバーが上へ持ち上がったりして、メカボックスから突き出た突起がこのようにコッキングレバーの後ろへ来てしまうと、ピストンの後退と一緒に後退するこの突起パーツはコッキングレバーを後退さられせず単独で後退する事になり、ブローバック動作を起こさなくなります。
突起がコッキングレバーの後ろに来てしまった場合、コッキングレバーは一番後ろまで引けずに突起が後退できる一番後ろの位置までで止まります。これがコッキングレバーを引いても半分ほどエジェクションポートが閉まったままになる原因だったもよう。トラブルの原因はこの突起が何かの拍子にコッキングレバーとの連結が外れて後ろの位置に来てしまった事なので、正しく組みなおせばちゃんとブローバック動作するようになるはずです。
組みなおせば直ると分かったら次はチャンバーのチェック。インナーバレル付け根にはまっているC字状のロックパーツを外し、ホップ調整ダイヤルを回して位置を合わせると前方へ抜けます。が、その際ポロポロと小さなパーツが転げ落ちてきました。ホップゴムを押すための小パーツが2つあるので失くさないように注意。ホップ調整ダイヤルの内面は回転させると内径が狭まるように面取られていて、狭くなる方へ回すと小パーツ2つが中心に向かって押し込まれ、ホップゴムを押す仕組みになっています。考えてみれば確かにこれで十分機能するわ・・・って納得する単純構造。
インナーバレルをチャンバーから引っこ抜けばチャンバーパッキンごと抜けますが、その前にある真鍮のリングがスムーズに抜けてこないのでここは無理せずこの真鍮リングを丁寧に抜く事を重視して抜きます。
取り出したチャンバーパッキンは多分普通の電動ガン用と同じもの。内側にはホップを掛ける二つの突起と、インナーバレルとの位置合わせのためのレール状の突起があります。銃と一緒にチャンバーパッキンも買っておいたのですが、特に交換の必要は無さげ。この辺りは好みで換えるかこのままでいくか決めて構わないでしょう。
組み付けはまずチャンバーパッキンをインナーバレルとの噛み合いに合わせ取り付け、チャンバーへ差し込みます。真鍮リングも差し込んだらインナーバレルを回転させて位置を合わせます。チャンバー上側にある四角い穴に小パーツ2つを入れます。短いチューブ状のパーツを横向きに入れてから、もう一方の小パーツの丸く窪んでいる面をチューブ状のパーツに合わせるように被せます。窪んでいる面と反対側の片側に出っ張っている部分がある方を前側にします。
小パーツ2つを押し込みながらホップ調整ダイヤルを所定の位置に配置させます。時計回りにいっぱいに回してホップ最強にしておくと位置がズレにくいでしょう。
チャンバーを後ろ側から覗いたところ。突起が適正に押し出されているか、突起がちゃんと真上の位置にあるかを確認。
インナーバレルとチャンバーをレシーバー後面から差し込みます。
レシーバー内のチャンバーが刺さる位置の形状を合わせます。この写真の位置ならチャンバーを左に90度回転させた位置。外す時に抜けてきた角度ですね。
押し込んで90度時計周りに回して固定。
レシーバーの上側からイモネジをねじ込みます。ストックを畳んでいると邪魔になるので伸ばしておくとか、いっそレールを外しておくと作業性が良いでしょう。
アウターバレルをインナーバレルの先端から被せます。
ガスピストンに付いている板状のパーツはこの位置に。
バレルナットを締めます。本来専用のレンチが必要ですが、ラジオペンチでこのようにして締めてもまあ十分。ただしバレルナットに傷が付きやすいので注意。
レシーバー後面から覗いてホップの突起がちゃんと正しい向きにあるか最終確認。ホップ調整ダイヤルを半時計周りに止まるまで回して最弱にしておきます。
コッキングレバーをレシーバー後面から差し込みます。
メカボックス上面から出ている突起パーツの動く範囲に油っ気が全然無かったので注油して滑りを良くしておきます。メカボックス上面もコッキングレバー下面が擦れ合うのでここも。ジョボジョボ流し込むんじゃなく、染み込ませたティッシュで拭いて表面をコーティングする要領で。
ロワレシーバーを取り付けます。ノズルがチャンバーへ入るようにしつつ滑り込ませると比較的スムーズに入ってゆきます。
メカボックス上面の突起がちゃんとコッキングレバー後ろのブロックより前にあるかを後ろから覗き込んで確認。ここで突起が後ろにあると元の木阿弥です。
バッファースプリングをスプリングガイドの付いている黒いブロックに挿し、レシーバー後面から差込んでピンを刺し固定。この写真だと上側に隙間がありますが、この隙間を閉めるように位置合わせしないとピンが刺さりません。
コッキングレバーを引いてフルストロークすればOK。この状態でトリガー前のボルトストップを押してちゃんとロックできるか、更にそこからコッキングレバーを軽く引いてちゃんとリリースできるかを確認。
マガジンアダプターとハンドガードを取り付けて完成。バッテリーを繋いで空撃ちしちゃんとブローバックする事を確認。やれやれ・・・
UMAREX G36CVでブローバックしなくなった、コッキングレバーを引くと途中で止まる、という症状が出たらメカボックス上の突起とコッキングレバーの位置関係をチェックしてみましょう。今回と同じ症例ならばレシーバー後ろ側のピンを抜いてバッファーを抜き出すだけでチェックできるハズです。
補足:ハイダーがハンドガードに埋まった位置にあるためサイレンサー取り付けには延長アダプターが必要、と先日書きましたが別に無くてもファットサプレッサー(外径30mm)が取り付きました。
ただしサイレンサー側のネジ位置が奥まっているものはアウターバレルを覆う分がハンドガードと干渉すると思うのでその場合はやはりアダプターが必要です。理屈じゃなく実際にやってみるのが一番でしょう。