~趣味の世界~
ピットロード1/700スカイウェーブシリーズの駆逐艦朝潮です。

朝潮は朝潮型駆逐艦の1番艦。軍縮条約によって十分なサイズを持っていた吹雪型の建造を止められてしまい仕方なく小型化した船体に重武装を施した初春型を建造しましたが重心の高さからくる転覆の危険性からやや武装を減らした改良型の白露型に至り、十分な武装を持つ駆逐艦を得るにはもっと大きな船体が必要という事で条約破棄を契機に船体を再び大型化、十分な武装を盛り込んで建造されたのが朝潮型です。しかし1番艦朝潮が建造に入った直後に第四艦隊事件(台風の中無理やり演習したら参加艦艇の艦橋が潰れたり艦首がもげたりして船体強度が足りてないのが露呈した事件)が発生し設計を変更、船体の強化などを行い重量や抵抗が増したため計画より速力と航続力が低下(ただし実際の性能は計画をむしろ上回っていたとされています)。やや不満の残る出来となったためこの点を改良した次型の陽炎型へと続きます。
朝潮型駆逐艦は太平洋戦争においては主力駆逐艦として改良型である陽炎型・夕雲型と共に前線へ赴き、朝潮もまた第8駆逐隊に属し姉妹艦の大潮・荒潮・満潮などと共に各地を転戦、最後はビスマルク海海戦において給炭艦野島の艦長と交わしていた「どちらかの艦の危機には必ず救助に向かう」約束を果たすため撤退命令を振り切って爆撃と荒潮との衝突により大破していた野島の救助に向かい、野島と荒潮の救助を行うものの、海域には動目標が朝潮のみであったため敵機の集中爆撃を受け沈没してしまいます。


箱はピットロードの駆逐艦キットのおなじみサイズ。ちょっと大きめ。


箱下面はカラーの塗装指示。艦首左右の番号は意味を理解していなかったのですが、戦隊番号だったのですね。そういや以前組んだ不知火は霰と同じ18(第18駆逐隊)だったわ・・・


内容は睦月型とかに較べたら箱の大きさなりにボリュームがあります。


説明書。説明書を見る限りでは難しいところはありません。説明書中にもありますが艦橋左から出ている細長い煙突をカッターの取り付け前に付ける点が見落とすとちょっと困るって点だけでしょう。
箱裏の塗装指示だとマストはただの線なのでマストをどう塗るかちょっと迷います。グレー一色でいいみたいですけども。


パーツ全図。ランナー2枚とデカール1枚。バラストは付属しません。デカールは大潮・荒潮・夏雲・峯雲・霰(あられ)の分も付属し、それらに組む事もできます。とはいっても違いはデカールだけです。


ディテールはピットロードらしいカッチリした緻密なもの。ただし船体側面は抜きの方向の問題でディテールが薄く、無いよりはマシという程度に留まります。


それでは製作開始。船体と艦底、甲板前端をとっとと接着してしまいます。合わせ面にややバリがあるので削っておき、流し込みタイプの接着剤を合わせ目に流して押さえながら貼り合わせます。さすがにタミヤほどピッタリキッチリしていませんが、十分十分。


まずリノリウム色として43ウッドブラウンを。成型色が白く透けやすいので気持ちしっかり目に塗ります。


32軍艦色2をそれ以外全部に。船体以外のランナー2枚ともスプレー塗装すると楽でしょうが、そもそもランナーにパーツが付いてる状態では塗らないって?俺は塗るの!


艦底色は前回の球磨同様にちゃんとマスキング。マスキングテープは生乾きの内に剥がした方がキレイになります。完全乾燥後だと塗装の境界がザクザクになりやすいのです。


パーツを取り付けてゆきます。特に難しいところはありませんし、単装機銃山盛りというのでも無いので細かさも程々。ただし小さなパーツの接着位置には印はあれど穴までは無いので完成後はあまりパーツの取り付けが強く無い事を留意しておきましょう。


デカールは濡らすとすぐ浮いてくれて作業性も良好。馴染みも良いですがあまり頑丈ではないので無理は禁物。旗もデカールですが紙シールと同じ要領だと千切れるので瞬着を全体に薄く塗って強化していますが、やはり脆いのでなるべく触らないように。




エナメルジャーマングレーでウォッシングをして完成。面倒臭がってウォッシングを平筆でやったのでちょっと濃いめになり名前がロービジっぽく見づらくなってしまいました。



ピットロードにしてはややあっさりして見えるかもしれません。キットには機銃や高角砲など大量に付属しますが使うのは一部で、良好なディテールの小パーツがかなり余ります。



目線を下して観察。ピットロードのキットは乾舷が低めで側面のディテールが薄いのでこの角度はあまり見栄えがしません。


各部を観察。主砲塔はおなじみ50口径三年式12.7cm連装砲(C砲塔)。高角対応だった初春型のB砲塔の仰角を75度から55度に戻し軽量化したもので、白露型から陽炎型に搭載されています。


艦中部。朝潮は竣工後数年で機関のタービン翼に共振による破損が見つかり、もしかして海軍の全部の艦に同じ症状があるんじゃね?と疑った事件(臨機調事件)がありました。結局は朝潮のみの不具合であったようです。


艦後半。2番砲塔は白露型では単装砲塔にして低い位置に置き重心を低くしていましたが朝潮型では晴れて連装砲塔を1段高い位置に置けるようになりました。


右舷から。艦尾の左右にある魚みたいなのはパラベーンと呼ばれるもので、これをワイヤーで曳航して機雷を破壊するためのもの。その前方、連装砲の後方には九四式爆雷投射機(Y砲)が見え、隣接した箱が爆雷装填台。


艦中部右舷側。2番煙突の前後に九二式四連装魚雷発射管が置かれ、煙突の左右と後部マストの下に次発装填装置があります。煙突左右の次発装填装置の上には九六式25mm連装機銃が2基あります。機銃の増備についてはあまりはっきりしておらず、戦中において連装が3連装に、2番砲塔を撤去して3連装、艦橋前に連装、その他単装をいくつか設置していたようです。


艦橋周辺を後方から。朝潮型では艦内の電源を当時の艦艇ではそれまで直流だったものから交流に変更しています。これにより港に停泊時など艦の外部から直接電源を引き込めるようになり、この変更は好評であったようです。何で直流だったの?と言われれば、直流/交流のメリットデメリットがあり一概にどうとも言えません。



朝潮型の前後の艦型と。手前から白露・朝潮・不知火(陽炎型)。艤装の配置など、白露型から継承されているもの、陽炎型へ継承しているもの、共通しているものなどが確認できます。


手前が朝潮、奥が不知火。艦橋やマストの形状はほぼ同じです。


2番煙突の左右にあった次発装填装置が1番煙突の左右に移動し、代わりにボートダビットが2番煙突の左右に来ています。


後部魚雷発射管から後ろは全く同じに見えます。スペック的には朝潮型から陽炎型では機関の強化により速力が若干、航続距離がかなり増強されています。


駆逐艦各型。手前から長月(睦月型)、吹雪(吹雪型(特Ⅰ))、子の日(初春型)、白露(白露型)、朝潮(朝潮型)、不知火(陽炎型)。この他に秋月型と松型を持っているのであとは夕雲型と島風か。吹雪型も大きく3種あるのでそこも・・・


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ピットロードにしてはあまり苦労しない、初心者でも何とかなるキットです。
大昔にハセガワの朝潮型である峯雲を作った事があるのですが、あちらも艦橋後方の形状などやや気になる点はあるもののダメってほどではないキットです。その峯雲の後に作った駆逐艦のキットが何かひっでぇキットだった記憶があるのですが、名前までは覚えていません・・・






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