~趣味の世界~
フジミ1/700特シリーズの重巡洋艦利根です。


フジミの利根は特-30のこのレイテ1944年10月仕様の他、特-44の1945年最終仕様、古いシーウェイモデルシリーズSW-6があります。


特シリーズなのでパーツ点数が多く、作り応えはあるものの軽く形にしたい向きにはちょっとウンザリしちゃう量。しかもフジミの場合ディテールアップパーツなども無いので余りパーツもほとんど出ません。ボートダビッドや2・3連装機銃くらいは予備がありますが大量に取り付ける単装機銃は予備が1個しかないので失敗しないよう注意。








説明書。でかくて長いので4分割。WLの艦船キットはたいてい艦橋を先に作ってから船体に載せていく順序が多いですがこれは船体を組んでから前後甲板の小物をビッチリ取り付けた後で艦橋周辺パーツを配置し、出来上がったスペースに艦橋や煙突などの大きな構造物を差し込むような流れになっています。「大まかな形を作ってから小物を細々と配置する」というようないつもの流れとは違い中々思った形になりませんが焦りは禁物。


説明書には読む要素がありませんが代わりに箱横に。
利根は戦間期に建造された利根型重巡洋艦の1番艦。姉妹艦に2番艦の筑摩があります。日本海軍の重巡洋艦としては最後の型であり、これより後に計画された伊吹型重巡洋艦は利根型の前級である最上型の改良型である鈴谷をベースに戦時急造したもので改鈴谷型とも呼ばれますが、完成には至りませんでした。利根型重巡洋艦は索敵用の水上機の運用に重きをおいた設計で、主砲を艦の前半に集中させ、艦後半を水上機の運用のための構造物が占めるものの、水上機係止用の甲板には構造上段差とスロープがあるというやや未完成感が漂う形には、開戦後の損傷修理のついでに航空巡洋艦に改装された最上への繋がりを感じます。


パーツは細かく袋詰めされているので開けるのは結構面倒。特に上写真の右半分のパーツ群はランナー枚数が多くそれぞれが小さいのでまとまりがありませんが、その小さなランナーにつながるパーツはトラス形状を1パーツで抜いていたり、あらゆる面にモールドが刻まれていたりと執念のようなものを感じます。


ここだけちょっとバリが目立ちました。重箱の隅をつつくレベルですが・・・


甲板上は塗り分けがメンドそうなモールドが多いですが、フジミ特は油断してるとこれらを全部別パーツにしたりとかするのでこれはこれでよし。鳳翔の格納庫周辺通路上の配置物とか見えないところなのに全部別パーツだったりしますから・・・


それでは製作開始。
バラストは2枚重ねて艦底パーツに取り付け、船体パーツと貼り合わせます。


船体パーツの上に前後の甲板パーツを載せますが、その前に説明書の指示通りに単装機銃などの取り付け穴をピンバイスであけておきます。裏側にはあらかじめ小穴がありますが、一番小さいピンバイスの直径より小さい穴なものの、表側に取り付ける単装機銃などは台座があり穴の大きさは多少大きくても隠れるので安心してブスブス穴を開けてゆきましょう。


一段高くなっている中央甲板は側面にある魚雷の出口である横穴が大きく、中もよく見えるので先に内側を塗装しておきましょうか。


穴から見える範囲だけで十分。魚雷発射管も取り付けます。


甲板を3枚とも接着したらリノリウム色を塗ります。説明書だと中央甲板の後半の塗り分けが不明瞭ですが、リノリウム色部分には横方向に走る線状のモールドがあるのでその部分が目安。


軍艦色(2)で塗り分けます。ググったところ他所の作例では甲板全体と艦橋の床部分を全部リノリウム色に塗っていたりもしますが、考証的にあまりはっきりしていない部分なので好みでよいでしょう。説明書だと艦橋の透明窓がある段の床がリノリウム色の指示になっていますが、該当部分は鉄板モールドになっているので何かなぁ・・・と思ったのでウチでは甲板上のリノリウム押さえモールドがある部分のみ43ウッドブラウンに色々混ぜたもので塗っています。


パーツをチマチマと載せてゆきます。単装機銃はランナーから切り離す時に台座との間で折れやすいので、一方をニッパーで切り込んでからランナーごと切り離した方が安全かも。船体を持つ時は甲板上に配置した小物をうっかり掴んじゃわないように注意。あちこちにある階段のパーツが細かくて配置もしづらく結構曲者。


水上機は零式三座水上偵察機が4機。透明パーツなので風防は塗らずにおくとよいでしょう(2つはうっかり緑で塗りつぶしてしまったので青で塗ってあります)


もうちょっと。重巡は甲板上がスカスカになりがちなので特シリーズのパーツ点数の多さが助かります。




いつも通りエナメルジャーマングレーでウォッシングして完成。



びっしり感がたまらん・・・エッチングパーツとかで更にびっしりさせるのも一興でしょうが、これでも十分。



ウォッシングはただぶっかけただけであまり凝った事はしていません。煙突の後ろ辺りの甲板上とか、筆の入らない位置がいくつかありました・・・



各部を見てゆきましょう。艦橋前の長い甲板上には50口径三年式20.3cm連装砲塔が4基あり、2番砲塔だけ高い位置に上げられています。前級である最上型までは後部と合わせ5基の砲塔がありましたが、後部甲板の砲塔からの射撃による爆風で同じく後部甲板上にある水上機が破損する事案が度々あったため後部甲板を広く使う意味も含め、砲塔を前部甲板に集中させているのが利根型の一番の特徴。


艦橋付近。妙高型あたりと比べ艦橋以後の一段高くなっている部分は4番砲塔1基分後ろ側へズレているため、艦橋の位置は艦全長のほぼ中央に存在します。


煙突周囲。そこかしこに対空機銃が配置されています。目を引くには舷側に張り出す2つの砲塔。これは40口径八九式12.7cm連装高角砲を防盾で囲ったもの。軽巡の14cm単装砲塔のように後方は開いています。


後部マスト周辺。マストには特徴的な13号電探(全面のハシゴ状のもの)が装備されています。マスト後方の甲板はカタパルトや水上機が移動するためのレールなどがあるフライングデッキとなっています。


艦尾。フライングデッキと艦尾甲板は段差があり、その間にはスロープがあります。開戦後に航空巡洋艦に改装された最上ではここが真っ平になっており、更に洗練されます。(伊勢型航空戦艦では逆に1段高くなっていますが・・・)


右舷側へ。板きれが付いていますが何でしょうねコレ。他所の作例だと左側にあったり・・・


再びフライングデッキ。1機斜めになっていますが、水上機を載せる台が1個斜めに配置するようになっていて、間違えてその上に水上機を載せてしまいました。説明書だと左側にあるもう一方のまっすぐ向いている台の上と、右側のカタパルト状に水上機を置くようになっています。


煙突付近やや上空から。煙突はグリル状になっていて中が見えたりとちょっと凝っていますが、実物の写真だとこのグリルは手すり並に細くてほとんど見えないのです・・・でもこれはこれで好き。


艦橋を後方から。艦橋の窓は透明パーツなので後ろ側から見ると前が透けています。


前部甲板。単装機銃がそこかしこに生えており、1944年仕様が一番多くて1945年仕様だとちょっとだけ減ります。




妙高型重巡洋艦の足柄と。えーと、スカスカ気味な方が足柄。全長はほぼ同じです。


足柄の艦尾は利根と並ぶと特にスカスカに見えます・・・


@@@


中々楽しめた良キットでした。利根型重巡洋艦に興味が出たらどうぞ。



これもダイソーで買ったディスプレイケース。重巡が2隻入りますがもういっぱいいっぱい。戦艦は入るかどうか微妙なところ。ああ大和とかデカイのは無理です。220mくらいの艦が限度かな?





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