~趣味の世界~
アオシマ1/700ウォーターラインシリーズの軽巡洋艦鹿島です。


軽巡洋艦鹿島は香取型練習巡洋艦の2番艦で、旧式な装甲巡洋艦を練習艦代わりにしていた帝国海軍がその代替として専用に建造した艦です。しかし太平洋戦争直前の時期に就役したため練習航海は1度しか行われず、軽巡洋艦として戦隊に編入され旗艦を務めたりもした後、1944年に当キットと同仕様に改装(12.7cm連装高角砲や25mm三連装機銃、爆雷投射機などの搭載)され、終戦まで生き残りました。


鹿島はウォーターラインシリーズのNo.79だった頃は典型的なダメな時期のアオシマ製のそれで酷いブツだったらしいのですが、このNo.355はリニューアルされており、それも巡洋艦の中でも最後発にあたるため中々良好な内容になっています。



説明書。難解な部分もないし、さほど複雑な艦型でもないので大体セオリー通りに組めるかと思います。


いやらしい分割なども無く、よくできています・・・ディテールアップパーツは大型艦用のWパーツが付属しますが、ここからもカッター2艘と探照灯2個、12.7cm連装高角砲の砲身3個を使用します。


主要パーツのクオリティもディテールアップパーツに負けていません。いい・・・


説明書では甲板上の構造物から組み始めるようになっていますが、手っ取り早く形を見たいので船体からいきます。船体と艦底、三分割された甲板パーツで構成される船体。甲板の分割部分は艦橋の下になるので組み上げてゆくと見えなくなります。バラストは駆逐艦用のような小さいもので、テープで固定する必要があります。


サッと船体を組み、塗装をします。香取型の甲板はリノリウム張りではなく、戦艦のような木甲板となっています。これは香取型が「遠洋航海が行えるよう長官室や貴賓室など内装偽装は諸外国に寄港しても恥ずかしくないように設計された」(外箱側面の説明より)ためで、いわゆる高級感の演出のようです。ただしリノリウム色の指定は艦橋の3階部分にのみあり、ここはアクセントとしても面白い印象。


甲板上に構造物を載せてゆきます。一見難しいところは無さそうですが、前後艦橋の1階外周にある柱が甲板に微妙に届かなかったり、マストのパーツ合わせがあまり良くなかったり、艦橋上に立つ小パーツの取り付け位置に印も何も無かったりと、やや面倒に感じる部分もありました。ただ艦橋は特徴的に大きくて階層が多いため組み上げていて楽しい部分。


あとはウォッシングだけ、という完成間近の状態。単装機銃を多数配置するのが結構面倒でした。印も何も無いところに接着剤で置くだけなのであらかじめ配置する位置にピンバイスで浅く穴を掘っておくと作業しやすいでしょう。というかそうしないと塗装面の上にパーツを置く事になるので中々くっつかず、接着部分周辺が溶けた塗料などで汚くなりやすいです。




エナメルジャーマングレーでウォッシングして完成。



艦橋が大きくて派手なので大きく見えますが、全長130mほどで夕張よりも若干短い程度。ただし幅は重巡洋艦くらいあります。



目線を下して観察。戦闘艦としては武装が旧弊な天龍型と同程度、速力に至っては最高速力18ノットという鈍足。それもまた特徴的。大きな艦橋は教習のために広くスペースを取っているがゆえ、総合火力は低いものの種類の多い兵装も教習のため、速力を犠牲にしても幅広い船体をしているのも新米士官が長い航海でヘバらないよう安定性を重視したがため。


艦首から。主砲塔は軽巡の標準である三年式14cm速射砲を連装にした珍しいタイプ。艦橋2階には4基の25mm連装機銃があり、艦首や艦橋左右、艦橋の3階に13cm単装機銃が多数置かれています。多数の単装機銃は1944年の改装時に設置されたもののようで、これは教習のためというよりはとりあえず置けるだけ置いた、というもののように思えます。


艦橋。軽巡の艦橋というと箱状の塔型艦橋をイメージしますが、これは全周がベランダ状でとにかくスペースを広く使うようにされています。艦橋直後のマストには特徴的な2種の電波探針儀、22号電探(ラッパ状のものが2つ並んでいるもの)とその上の13号電探(「‡」みたいな形のテレビ用野外アンテナのようなもの)。


船体中央部。煙突の左右には新造時には53.3cm連装魚雷発射管がありましたが1944年の改装時に40口径八九式12.7cm連装高角砲に置き換わっています。その後方には25mm三連装機銃。煙突後方にはカタパルト(呉式二号五型射出機)があり、ここから水上機を発進できます。


後部艦橋の2階には12.7cm連装高角砲、左右に25mm三連装機銃があり、艦橋後方に14cm連装砲塔。13cm単装機銃もそこかしこに置かれています。


艦尾。旗竿の左右にあるのは爆雷投下軌条。その前方には特徴的な形状のK砲(三式爆雷投射機)があります。


後部艦橋前面にはクレーンがあり、これで艦に横付けしてきた水上機を吊り上げてカタパルトに載せます。カタパルトが置かれている艦にはこのクレーンもセットで装備されていますね。


前部艦橋後方から。艦橋4階の前面の窓は透明パーツで、うまく作れば後ろが抜けている艦橋後方から前が覗けるのですが、塗装やウォッシングでかなり暗くなってしまいました。


再び艦首。砲塔は平射砲である14cm速射砲にしては上を向いているように見えますが、一応仕様としては仰角35度俯角5度とあるのでもう少し上を向きそうです。(キットでは俯仰可動はしません)

ゲームだと三年式14cm速射砲はカス武装みたいにみられていますが、性能的には38kgの砲弾を仰角35度で20574mまで届かせる事ができ、発射速度は毎分6発とあります。対して40口径八九式12.7cm連装高角砲は23kgの砲弾を仰角45度で14800m、最大仰角90度で9400mの高度まで到達でき、俯仰は仰角90度・俯角7度、発射速度は毎分8~14発。参考までに重巡搭載の50口径三年式2号20cm砲は126kgの砲弾を仰角50度で29432m、発射速度毎分4発。

 
前後から。


大きさ比較。色のせいかわかりやすいですね。上から那珂・夕張・鹿島・吹雪・松。


縦方向から。左から足柄・那珂・夕張・鹿島・吹雪・松。太短い鹿島は幅が駆逐艦の倍ほどありますが長さは夕張よりちょっと短いくらい。


@@@



艦娘になってない艦なんていらね、と言わずに面白い艦だし良キットなので興味があったらどうぞ。


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