~趣味の世界~
アオシマ1/700ウォーターラインシリーズの駆逐艦秋月です。
また艦娘になってない艦ですが、まあいいじゃん。
秋月型駆逐艦は駆逐艦のメインストリームである特型~夕雲型とは別系譜の駆逐艦で、主として対空戦闘を主眼においたタイプ。元々太平洋戦争開戦の直前に旧来の天龍型や5500t型の軽巡を防空巡洋艦に改装する案があったものの、海軍があまり乗り気でなかった事、旧型艦の改装ではすぐに老朽化するなどの理由からお流れになった代わりとして建造されました。しかしその後結局は5500t型の長良型軽巡のうち五十鈴だけはこの案の通りに14cm単装砲を全て撤去して12.7cm連装高角砲に換装して防空巡洋艦にされています。
防空駆逐艦として建造された秋月型は多くの対空兵装を搭載する要求からそれまでの駆逐艦よりも大型化し、天龍型や夕張型などの小型の軽巡洋艦に匹敵するサイズになっており、速度も33ノットとやや遅めになっています。
箱裏。何だか古めかしい印象を受けますが、ウォーターラインシリーズの秋月は元々はフジミが出しており、フジミ脱退後に補完としてアオシマが作り直したものが当キットです。なのでキットの設計年次としては比較的新しいハズですが、何かこう・・・アオシマの暗黒面がチラついているというか・・・
開封。第一印象は「・・・パーツ欠品してね?」ってくらい主要パーツが少ない。ディテールアップパーツは小型艦用のXパーツで、ここから多めに使う分主要パーツが少な目に感じるのでしょう。
船体パーツは甲板と一体化しており、その下にバラストと艦底パーツを取り付けるシンプルな構成。それ以外の主要パーツはランナー一枚を途中で分割しているだけ。あまり精巧にはせず、コレクションとして軽く作るように簡素な構成になっています。
説明書は2枚入っており、一枚は塗装指示。箱裏の塗装指示がやっつけ気味なのに対しこちらは甲板上のリノリウム色の部分の指示も記述されています。ただ十分かというと、やや足りない感じ。
もう一枚は秋月の説明と組み立て図。組み立て図からも構成のシンプルさがうかがえます。
モールドはアオシマらしいわかりやすいもの。昭和の時代のキットよりは今風ですが、最近のものと比べるとかなりあっさり味。特に船体側面はほとんどモールドが無いので最近のアオシマの作である初春型と比べてしまうとガッカリするかもしれません。
ああ・・・久しぶりにやられましたマスト折れ。90年代前半の頃だと買うたびにボキボキ折れていたのであの頃よりはマシですが。これくらいならリカバリーも簡単。騒ぐほどの事はありません。
さあ建造開始。ってバラストと艦底パーツの溝の寸法が合いません。リューターで削ってやります。
バラストが乗ったら次は船体パーツを載せ・・・って隙間開くんですけど。
船体パーツの裏側の突起の先端に余分なバリがあってこれが邪魔をしていました。削ってやります。
ピッタリきたので流し込み接着剤で貼り合わせ、重しをしているところ。
塗装。全体を32軍艦色2、リノリウム甲板を43ウッドブラウン、艦底を29鑑底色、カッター&内火艇の甲板を44タン、主砲付け根を62つや消しホワイト、煙突先端を33つや消しブラックで塗れば大体十分。
パーツ点数が少ないので組むのは簡単です。ただアオシマ製はどうもパーツの取り付け位置に印も何もしない傾向にあります。面倒臭いのはボートダビットくらいでしょうか。
完成。大味・・・
大きい分そこそこ迫力はあるのですが、何しろ甲板上に物が載って無い印象。いやギッチリみつしり載ってりゃイイってもんでもないのですが・・・
目線を下して観察。
各部を観察。主砲塔は特型~夕雲型までの50口径三年式12.7cm砲に代わり65口径九八式10cm高角砲(通称:長10cm高角砲)。ただこの砲はどちらかといえば40口径八九式12.7cm連装高角砲の後継型といえるもの。砲口径は小さくなっていますがその代りに砲身が長く射程距離が伸ばされています。
(たまに砲口径のみを挙げて強い弱いを語るのがいますが、小口径でも長砲身前提の砲であれば薬莢は大きいものになっており、長い砲身の中で弾丸を長く押して加速させるためより多くの発火薬が詰められています。砲身が長いほど射程が長いのは砲身内で加速させる距離が長く、砲口から出た時の初速は短砲身よりも速くなるため、それだけ遠くへ飛ぶ理屈です。ただし同じ薬莢と発火薬でも砲身が長すぎると弾丸を押す力が砲身の途中で途切れてしまうため初速が落ちてしまいますので砲身長と薬莢の発火薬の関係は効率が一番良くなるよう設計されます)
船体中央部。煙突は2か所から出ているのを1本にまとめた「誘導煙突」で、夕張との類似を感じさせる部分。煙突後方には25mm連装機銃が2基、その後ろに61cm4連装魚雷発射管。このキットは1942年の竣工時の状態のようで、1942年末には煙突の左右に25mm三連装機銃が増設されています。
艦尾。特徴的な形状の九四式爆雷投射機(Y砲)があります。ただ爆雷投下軌条が未設置なので旗竿周辺は何もありません。
前後から。
上から夕張、秋月、吹雪。夕張の全長140m・排水量2890tに対し秋月は全長134m・排水量2700tと、わずかに小さいだけ。煙突形状も似ている事もあり、米軍が秋月型を初めて見た時は量産型夕張だと勘違いしたという噂話があります。
手持ちの全長140m以内の艦全部。左から鹿島、夕張、秋月、吹雪、子日、長月、松。
帝国海軍の戦艦は金剛型からは200mを超えますが、その2~3ほど前の世代の準弩級や巡洋戦艦までは左端の鹿島と似た全長130~140m・幅20~23mという寸法でした。
@@@
秋月のキットとしては廉価で初心者向けであるものの出来は相応です。精巧なものがいいならフジミの特シリーズやピットロードのものもありますが、あちらはシリーズ的にやや不親切な傾向にあるので初心者が手を出すと途中で投げ出す危険があります。スキルとやる気とおサイフ具合に応じて選ぶと良いでしょう。
ケース内がもういっぱいいっぱいです。もう一個買わなきゃかしら。
このケースは便利だけど軽巡までしか入らないんだよね・・・
また艦娘になってない艦ですが、まあいいじゃん。
秋月型駆逐艦は駆逐艦のメインストリームである特型~夕雲型とは別系譜の駆逐艦で、主として対空戦闘を主眼においたタイプ。元々太平洋戦争開戦の直前に旧来の天龍型や5500t型の軽巡を防空巡洋艦に改装する案があったものの、海軍があまり乗り気でなかった事、旧型艦の改装ではすぐに老朽化するなどの理由からお流れになった代わりとして建造されました。しかしその後結局は5500t型の長良型軽巡のうち五十鈴だけはこの案の通りに14cm単装砲を全て撤去して12.7cm連装高角砲に換装して防空巡洋艦にされています。
防空駆逐艦として建造された秋月型は多くの対空兵装を搭載する要求からそれまでの駆逐艦よりも大型化し、天龍型や夕張型などの小型の軽巡洋艦に匹敵するサイズになっており、速度も33ノットとやや遅めになっています。
箱裏。何だか古めかしい印象を受けますが、ウォーターラインシリーズの秋月は元々はフジミが出しており、フジミ脱退後に補完としてアオシマが作り直したものが当キットです。なのでキットの設計年次としては比較的新しいハズですが、何かこう・・・アオシマの暗黒面がチラついているというか・・・
開封。第一印象は「・・・パーツ欠品してね?」ってくらい主要パーツが少ない。ディテールアップパーツは小型艦用のXパーツで、ここから多めに使う分主要パーツが少な目に感じるのでしょう。
船体パーツは甲板と一体化しており、その下にバラストと艦底パーツを取り付けるシンプルな構成。それ以外の主要パーツはランナー一枚を途中で分割しているだけ。あまり精巧にはせず、コレクションとして軽く作るように簡素な構成になっています。
説明書は2枚入っており、一枚は塗装指示。箱裏の塗装指示がやっつけ気味なのに対しこちらは甲板上のリノリウム色の部分の指示も記述されています。ただ十分かというと、やや足りない感じ。
もう一枚は秋月の説明と組み立て図。組み立て図からも構成のシンプルさがうかがえます。
モールドはアオシマらしいわかりやすいもの。昭和の時代のキットよりは今風ですが、最近のものと比べるとかなりあっさり味。特に船体側面はほとんどモールドが無いので最近のアオシマの作である初春型と比べてしまうとガッカリするかもしれません。
ああ・・・久しぶりにやられましたマスト折れ。90年代前半の頃だと買うたびにボキボキ折れていたのであの頃よりはマシですが。これくらいならリカバリーも簡単。騒ぐほどの事はありません。
さあ建造開始。ってバラストと艦底パーツの溝の寸法が合いません。リューターで削ってやります。
バラストが乗ったら次は船体パーツを載せ・・・って隙間開くんですけど。
船体パーツの裏側の突起の先端に余分なバリがあってこれが邪魔をしていました。削ってやります。
ピッタリきたので流し込み接着剤で貼り合わせ、重しをしているところ。
塗装。全体を32軍艦色2、リノリウム甲板を43ウッドブラウン、艦底を29鑑底色、カッター&内火艇の甲板を44タン、主砲付け根を62つや消しホワイト、煙突先端を33つや消しブラックで塗れば大体十分。
パーツ点数が少ないので組むのは簡単です。ただアオシマ製はどうもパーツの取り付け位置に印も何もしない傾向にあります。面倒臭いのはボートダビットくらいでしょうか。
完成。大味・・・
大きい分そこそこ迫力はあるのですが、何しろ甲板上に物が載って無い印象。いやギッチリみつしり載ってりゃイイってもんでもないのですが・・・
目線を下して観察。
各部を観察。主砲塔は特型~夕雲型までの50口径三年式12.7cm砲に代わり65口径九八式10cm高角砲(通称:長10cm高角砲)。ただこの砲はどちらかといえば40口径八九式12.7cm連装高角砲の後継型といえるもの。砲口径は小さくなっていますがその代りに砲身が長く射程距離が伸ばされています。
(たまに砲口径のみを挙げて強い弱いを語るのがいますが、小口径でも長砲身前提の砲であれば薬莢は大きいものになっており、長い砲身の中で弾丸を長く押して加速させるためより多くの発火薬が詰められています。砲身が長いほど射程が長いのは砲身内で加速させる距離が長く、砲口から出た時の初速は短砲身よりも速くなるため、それだけ遠くへ飛ぶ理屈です。ただし同じ薬莢と発火薬でも砲身が長すぎると弾丸を押す力が砲身の途中で途切れてしまうため初速が落ちてしまいますので砲身長と薬莢の発火薬の関係は効率が一番良くなるよう設計されます)
船体中央部。煙突は2か所から出ているのを1本にまとめた「誘導煙突」で、夕張との類似を感じさせる部分。煙突後方には25mm連装機銃が2基、その後ろに61cm4連装魚雷発射管。このキットは1942年の竣工時の状態のようで、1942年末には煙突の左右に25mm三連装機銃が増設されています。
艦尾。特徴的な形状の九四式爆雷投射機(Y砲)があります。ただ爆雷投下軌条が未設置なので旗竿周辺は何もありません。
前後から。
上から夕張、秋月、吹雪。夕張の全長140m・排水量2890tに対し秋月は全長134m・排水量2700tと、わずかに小さいだけ。煙突形状も似ている事もあり、米軍が秋月型を初めて見た時は量産型夕張だと勘違いしたという噂話があります。
手持ちの全長140m以内の艦全部。左から鹿島、夕張、秋月、吹雪、子日、長月、松。
帝国海軍の戦艦は金剛型からは200mを超えますが、その2~3ほど前の世代の準弩級や巡洋戦艦までは左端の鹿島と似た全長130~140m・幅20~23mという寸法でした。
@@@
秋月のキットとしては廉価で初心者向けであるものの出来は相応です。精巧なものがいいならフジミの特シリーズやピットロードのものもありますが、あちらはシリーズ的にやや不親切な傾向にあるので初心者が手を出すと途中で投げ出す危険があります。スキルとやる気とおサイフ具合に応じて選ぶと良いでしょう。
ケース内がもういっぱいいっぱいです。もう一個買わなきゃかしら。
このケースは便利だけど軽巡までしか入らないんだよね・・・