~趣味の世界~
フジミ1/700特シリーズの空母龍驤(第一次改装後)です。
一般的に軽空母に属する(旧日本海軍では軽空母という分類が無いそうです)比較的小型の空母である龍驤の中にあって、第一次改装後とは完成後(竣工時)間もなくして友鶴事件(小さな船体に武装山盛りにしてたら転覆沈没しちゃいました!的な事件)を受け、まさにそんな造りだった龍驤もヤバイという事で安定化のため船体側面のバルジ(ふくらみ)を大型化し、飛行甲板の左右に6基あった12.7cm連装高角砲を2基減らす改装がされた後の仕様。この仕様は後に第4艦隊事件(台風の中無理して演習したら参加艦艇が波浪で潰れちゃいました!的な事件)に遭遇、艦橋が潰れたり格納庫に大量浸水したりと酷い目に遭い修理のついでに第二次改装が行われ、艦首の高さが一段高くなるなどの改装が行われました。
特シリーズのNo.31が第一次改装後。No.34が第二次改装後です。シーウェイモデルシリーズにもNo.20に龍驤がありますが、これは古いウォーターラインシリーズのNo.82と同じもので、形は第二次改装後です。
内容。パーツ点数は多く、これが特シリーズの特徴。エッチングパーツは艦橋の窓や飛行甲板後端左右の張り出しパーツと甲板上の滑走制止装置のみ。
説明書は縦に長く情報量も多いのですが、フジミらしく不親切・説明不足という困ったもの。取り付けたパーツが次の項で省略されていてどう取り付けるのか不明だったり、塗装指示なんかもかなりアバウト。別途資料が必須となります・・・ググれば何とかなりますが、ネットに上がってる作例は塗り分けやら色やらマチマチなのでどれが正しいか、求めている資料かを見極める必要があります。この先に示されるウチの作例も私の性格的に正解に忠実ではありませんのでご注意を。
ランナー群。小パーツもかなりディテールが細かく、新しめのキットらしい雰囲気が漂います。
甲板パーツ表面のモールドは後にデカールで大きく覆われるので少々勿体無いところ。このモールドを薄めたくない人はデカールを細分化するか塗装で表現するかを選択すると良いでしょう。
船体だけでこうも分割されています。しかも組みにくい・・・
船体左右舷をひっくり返して前後を接着し、バラストを取り付けた艦底パーツを乗せて流し込み接着剤を垂らしてゆく、という組み方をしました。艦底パーツと船体パーツとの合わせ目はフジミ特シリーズ鳳翔と同じく下面になり、隙間を押さえつつ接着剤を垂らさなければなりません。普通の接着剤で一発勝負!となると相当素早く正確に行う必要があるでしょう・・・
底面の接着剤が乾いたらひっくり返して乾舷パーツを乗せます。若干合いが悪くフチ部分などは合わせ目が気になるかもしれません。しかしそれにしても異様に平べったく低い船体。
格納庫の外壁を乗せます。横の張り出し部分と乾舷との合いがイマイチで密着させようと上側を開くと飛行甲板を乗せた時合わなくて泣く事になります・・・前後方向もかなりシビア。後(特に飛行甲板を乗せる時)の作業でゲンナリする準備をこの段階でしておいて下さい。
塗装をする前にどこまで取り付けたら楽かを考えながら、付けられるだけ付けてゆきます。これをつけると筆が届かないな・・・と思うところは素直に塗装後に取り付けた方が良い、という見極めをつけながら。
エッチングパーツは最小限。物足りない人は別売りのものを。といっても第一次改装後仕様用はほとんどが手摺りですが・・・
艦橋にエッチングパーツをアロンアルフアで接着。ここは第一次改装後仕様の特徴的な部分なので重要です。第二次改装後だと艦首も高くなるし艦橋も形が変わります。
塗装。乾舷の艦首と艦尾以外、上の段になっている部分をリノリウム色に、飛行甲板をタン、それ以外を軍艦色2で。この艦の場合リノリウム色にしている部分は全部軍艦色2でも良かったかもしれません。
格納庫部分はがらんどうなので駆逐艦がすっぽり入るほどのスペースがあります。
細かいパーツを取り付け終えたところ。鳳翔ほど小パーツに苦労はしませんでしたが、あちらには大量にあったクレーン類が全く無いので少々物足りない感じもします。連装高角砲の台座付近は軍艦色2に塗りなおしてしまいました。
飛行甲板のデカールは全部繋がっています。飛行甲板は前後2分割されているので割り箸を当てて仮組み。
こんなデカいデカールいっぺんに貼れるわけないやん・・・というわけで分割。
貼り終えたところ。マークソフターでよ~く甲板のモールドに馴染ませ、シルバリングをマークセッターで解消してゆきます。念入りに。
飛行甲板を船体に接着し、エナメルジャーマングレーでウォッシング。前述の通り、飛行甲板前側は微妙に合わなくて裏側の合わせモールドを少し削りましたが、甲板パーツ自体がやや反っていて修正仕様と思うとデカールが割れて剥がれる危険があるので多少艦橋との隙間を諦める事に。
付属の飛行機は十三年式艦上攻撃機(左)と九〇式艦上戦闘機(右)。旧式な複葉機ですが第一次改装後仕様は時代が1934年頃と、まだ第二次大戦期に活躍したような機体は無い時代。十三年式は大正13年(1924年)、九〇式は皇紀二五九〇年(1930年)。ランナー1枚に各1機ずつで3枚、3機ずつキットに付属しますが2機ずつ作ってメゲました・・・足とかは取り付けやすいのですが複葉の上側の羽は真ん中だけで留まっているので接着剤が乾いて完全硬化するまで羽の角度を気にしていなければならず面倒臭いです。色はこれまで緑/白のカラーリングにしていましたがここまで古い機種だとカラーリングも古い系統である銀/赤のカラーリング。銀は小スケールには安っぽくなりがちであまり使いたくないので代用として適当な色がなかったので何となくガルグレーに。赤はスーパーイタリアンレッド。
マストを立て、飛行機をウォッシングして完成。終わってみればそれほど嫌な苦労はしなかったかも。
しかし特徴的な姿。おそらく軽空母では真っ先に覚える形ではないかと思います。このボンネットバスみたいな独特な形状・・・
目線を下ろして艦首部分を見てもこの特徴的な顔。艦尾も屋根が高いせいかやけに広々とした空間があります。
各部をなめるように見回してみましょう。艦橋前は切り立っていて建物感が強く、第二次改装後ともかなり印象が異なるもの。
左舷に回りこみます。艦橋の左右から後方への通路が上下ともにあり、九三式十三粍四連装機銃が艦橋横に配置されています。
艦橋から続く通路を進むと40口径八九式12.7cm連装高角砲の砲台が2つ並んでいます。更に通路を進むと連装機銃がありますがこれは第二次改装後にこの位置にある九六式25mm連装機銃だと年代が合わないので九三式の連装タイプなのでしょうか?この位置には元々12.7cm連装高角砲がありましたが第一次改装により下ろされています。
更に後方に進むと通路は途切れ、その下には棚に収まるように小船が並んでいます。飛行甲板の脇には四連装機銃が載った張り出しが2つあります。
艦尾左舷側。格納庫扉の前の台が玄関前の軒先みたいに見えて建物感が漂います。何だろうこのタクシーで乗り付けてきそうな雰囲気。
右舷側へ。この屋根がガソリンスタンドのようにも見え・・・
右舷側を前進、煙突があります。
その前方には左舷側と同様に連装機銃と2つの12.7cm連装高角砲。その先に艦橋側面には四連装機銃。
艦首右舷側。こうして見ると艦橋前の艦首甲板もトラックが駐車してそうな雰囲気。
飛行甲板。エレベーターの後ろにあるエッチングパーツは滑走制止装置。その後ろに並ぶアレスティングワイヤーを掴めなかった着艦機を捕まえるためのもの。この頃、というか現代的な斜め飛行甲板(アングルドデッキ)を持つ空母の登場までは、着艦機がアレスティングワイヤーを掴めなかった場合、その前方の飛行甲板には他の機体が駐機している事が多く、タッチアンドゴーで着艦やり直しともいかなかったためにこのような装置がありました。といってもそのまま駐機中の機体「群」に突っ込む映像も結構あるくらい、空母の飛行甲板上は混雑していました。
甲板後方と艦上機たち。こちら側にあるエレベーターは前にあるものより小型で、九〇式艦戦はともかく一三式艦攻は出入り出来無さそうですね。
俯瞰。飛行甲板自体は長方形でオーソドックスな形。その下は非常に特徴的ですが・・・
空母鳳翔と。飛行甲板の全長は同じ位ですが鳳翔のものは前後が細くなっており、全体的に細身で低い印象。
艦首が突き出ている分、龍驤の方が全長は長いです。鳳翔は最終的には飛行甲板が延長されて龍驤よりも長くなりますが、無理やり伸ばしたために外洋航行性に問題が出て活躍できず、戦後まで生き残った後は復員船として使用する際に支障が出るだめ伸ばした分は撤去されていました。
水上機母艦千代田も。飛行甲板の色が目立つので千代田の方がかなり長く見えますが、船体部分の全長はわずかに千代田の方が長い程度。
@@@
第一次改装後と第二次改装後、どちらがいいか?と問われれば、好みに拠るところであろう!となります。でも他の艦と並べる事を考えれば1934年頃には存在していない艦も多いし、搭載機も零式21型と九七式艦攻になる第二次改装後の方が合う人は多いかも。
一般的に軽空母に属する(旧日本海軍では軽空母という分類が無いそうです)比較的小型の空母である龍驤の中にあって、第一次改装後とは完成後(竣工時)間もなくして友鶴事件(小さな船体に武装山盛りにしてたら転覆沈没しちゃいました!的な事件)を受け、まさにそんな造りだった龍驤もヤバイという事で安定化のため船体側面のバルジ(ふくらみ)を大型化し、飛行甲板の左右に6基あった12.7cm連装高角砲を2基減らす改装がされた後の仕様。この仕様は後に第4艦隊事件(台風の中無理して演習したら参加艦艇が波浪で潰れちゃいました!的な事件)に遭遇、艦橋が潰れたり格納庫に大量浸水したりと酷い目に遭い修理のついでに第二次改装が行われ、艦首の高さが一段高くなるなどの改装が行われました。
特シリーズのNo.31が第一次改装後。No.34が第二次改装後です。シーウェイモデルシリーズにもNo.20に龍驤がありますが、これは古いウォーターラインシリーズのNo.82と同じもので、形は第二次改装後です。
内容。パーツ点数は多く、これが特シリーズの特徴。エッチングパーツは艦橋の窓や飛行甲板後端左右の張り出しパーツと甲板上の滑走制止装置のみ。
説明書は縦に長く情報量も多いのですが、フジミらしく不親切・説明不足という困ったもの。取り付けたパーツが次の項で省略されていてどう取り付けるのか不明だったり、塗装指示なんかもかなりアバウト。別途資料が必須となります・・・ググれば何とかなりますが、ネットに上がってる作例は塗り分けやら色やらマチマチなのでどれが正しいか、求めている資料かを見極める必要があります。この先に示されるウチの作例も私の性格的に正解に忠実ではありませんのでご注意を。
ランナー群。小パーツもかなりディテールが細かく、新しめのキットらしい雰囲気が漂います。
甲板パーツ表面のモールドは後にデカールで大きく覆われるので少々勿体無いところ。このモールドを薄めたくない人はデカールを細分化するか塗装で表現するかを選択すると良いでしょう。
船体だけでこうも分割されています。しかも組みにくい・・・
船体左右舷をひっくり返して前後を接着し、バラストを取り付けた艦底パーツを乗せて流し込み接着剤を垂らしてゆく、という組み方をしました。艦底パーツと船体パーツとの合わせ目はフジミ特シリーズ鳳翔と同じく下面になり、隙間を押さえつつ接着剤を垂らさなければなりません。普通の接着剤で一発勝負!となると相当素早く正確に行う必要があるでしょう・・・
底面の接着剤が乾いたらひっくり返して乾舷パーツを乗せます。若干合いが悪くフチ部分などは合わせ目が気になるかもしれません。しかしそれにしても異様に平べったく低い船体。
格納庫の外壁を乗せます。横の張り出し部分と乾舷との合いがイマイチで密着させようと上側を開くと飛行甲板を乗せた時合わなくて泣く事になります・・・前後方向もかなりシビア。後(特に飛行甲板を乗せる時)の作業でゲンナリする準備をこの段階でしておいて下さい。
塗装をする前にどこまで取り付けたら楽かを考えながら、付けられるだけ付けてゆきます。これをつけると筆が届かないな・・・と思うところは素直に塗装後に取り付けた方が良い、という見極めをつけながら。
エッチングパーツは最小限。物足りない人は別売りのものを。といっても第一次改装後仕様用はほとんどが手摺りですが・・・
艦橋にエッチングパーツをアロンアルフアで接着。ここは第一次改装後仕様の特徴的な部分なので重要です。第二次改装後だと艦首も高くなるし艦橋も形が変わります。
塗装。乾舷の艦首と艦尾以外、上の段になっている部分をリノリウム色に、飛行甲板をタン、それ以外を軍艦色2で。この艦の場合リノリウム色にしている部分は全部軍艦色2でも良かったかもしれません。
格納庫部分はがらんどうなので駆逐艦がすっぽり入るほどのスペースがあります。
細かいパーツを取り付け終えたところ。鳳翔ほど小パーツに苦労はしませんでしたが、あちらには大量にあったクレーン類が全く無いので少々物足りない感じもします。連装高角砲の台座付近は軍艦色2に塗りなおしてしまいました。
飛行甲板のデカールは全部繋がっています。飛行甲板は前後2分割されているので割り箸を当てて仮組み。
こんなデカいデカールいっぺんに貼れるわけないやん・・・というわけで分割。
貼り終えたところ。マークソフターでよ~く甲板のモールドに馴染ませ、シルバリングをマークセッターで解消してゆきます。念入りに。
飛行甲板を船体に接着し、エナメルジャーマングレーでウォッシング。前述の通り、飛行甲板前側は微妙に合わなくて裏側の合わせモールドを少し削りましたが、甲板パーツ自体がやや反っていて修正仕様と思うとデカールが割れて剥がれる危険があるので多少艦橋との隙間を諦める事に。
付属の飛行機は十三年式艦上攻撃機(左)と九〇式艦上戦闘機(右)。旧式な複葉機ですが第一次改装後仕様は時代が1934年頃と、まだ第二次大戦期に活躍したような機体は無い時代。十三年式は大正13年(1924年)、九〇式は皇紀二五九〇年(1930年)。ランナー1枚に各1機ずつで3枚、3機ずつキットに付属しますが2機ずつ作ってメゲました・・・足とかは取り付けやすいのですが複葉の上側の羽は真ん中だけで留まっているので接着剤が乾いて完全硬化するまで羽の角度を気にしていなければならず面倒臭いです。色はこれまで緑/白のカラーリングにしていましたがここまで古い機種だとカラーリングも古い系統である銀/赤のカラーリング。銀は小スケールには安っぽくなりがちであまり使いたくないので代用として適当な色がなかったので何となくガルグレーに。赤はスーパーイタリアンレッド。
マストを立て、飛行機をウォッシングして完成。終わってみればそれほど嫌な苦労はしなかったかも。
しかし特徴的な姿。おそらく軽空母では真っ先に覚える形ではないかと思います。このボンネットバスみたいな独特な形状・・・
目線を下ろして艦首部分を見てもこの特徴的な顔。艦尾も屋根が高いせいかやけに広々とした空間があります。
各部をなめるように見回してみましょう。艦橋前は切り立っていて建物感が強く、第二次改装後ともかなり印象が異なるもの。
左舷に回りこみます。艦橋の左右から後方への通路が上下ともにあり、九三式十三粍四連装機銃が艦橋横に配置されています。
艦橋から続く通路を進むと40口径八九式12.7cm連装高角砲の砲台が2つ並んでいます。更に通路を進むと連装機銃がありますがこれは第二次改装後にこの位置にある九六式25mm連装機銃だと年代が合わないので九三式の連装タイプなのでしょうか?この位置には元々12.7cm連装高角砲がありましたが第一次改装により下ろされています。
更に後方に進むと通路は途切れ、その下には棚に収まるように小船が並んでいます。飛行甲板の脇には四連装機銃が載った張り出しが2つあります。
艦尾左舷側。格納庫扉の前の台が玄関前の軒先みたいに見えて建物感が漂います。何だろうこのタクシーで乗り付けてきそうな雰囲気。
右舷側へ。この屋根がガソリンスタンドのようにも見え・・・
右舷側を前進、煙突があります。
その前方には左舷側と同様に連装機銃と2つの12.7cm連装高角砲。その先に艦橋側面には四連装機銃。
艦首右舷側。こうして見ると艦橋前の艦首甲板もトラックが駐車してそうな雰囲気。
飛行甲板。エレベーターの後ろにあるエッチングパーツは滑走制止装置。その後ろに並ぶアレスティングワイヤーを掴めなかった着艦機を捕まえるためのもの。この頃、というか現代的な斜め飛行甲板(アングルドデッキ)を持つ空母の登場までは、着艦機がアレスティングワイヤーを掴めなかった場合、その前方の飛行甲板には他の機体が駐機している事が多く、タッチアンドゴーで着艦やり直しともいかなかったためにこのような装置がありました。といってもそのまま駐機中の機体「群」に突っ込む映像も結構あるくらい、空母の飛行甲板上は混雑していました。
甲板後方と艦上機たち。こちら側にあるエレベーターは前にあるものより小型で、九〇式艦戦はともかく一三式艦攻は出入り出来無さそうですね。
俯瞰。飛行甲板自体は長方形でオーソドックスな形。その下は非常に特徴的ですが・・・
空母鳳翔と。飛行甲板の全長は同じ位ですが鳳翔のものは前後が細くなっており、全体的に細身で低い印象。
艦首が突き出ている分、龍驤の方が全長は長いです。鳳翔は最終的には飛行甲板が延長されて龍驤よりも長くなりますが、無理やり伸ばしたために外洋航行性に問題が出て活躍できず、戦後まで生き残った後は復員船として使用する際に支障が出るだめ伸ばした分は撤去されていました。
水上機母艦千代田も。飛行甲板の色が目立つので千代田の方がかなり長く見えますが、船体部分の全長はわずかに千代田の方が長い程度。
@@@
第一次改装後と第二次改装後、どちらがいいか?と問われれば、好みに拠るところであろう!となります。でも他の艦と並べる事を考えれば1934年頃には存在していない艦も多いし、搭載機も零式21型と九七式艦攻になる第二次改装後の方が合う人は多いかも。