~趣味の世界~
WEドラグノフSVDのインナーバレル短縮と注油が済みました。


いよいよ実射。バレル短縮と注油の効果やいかに。


BB弾をマガジンに詰めます。リップの前後を左手の親指と人差し指で押さえて塞ぎ、ローダーで真上やや後ろ寄りにギャリギャリ押し込むとスムーズに込められるかと思います。


ガスも入れます。


おっ、









50~65程度だったのが60~70くらいにはなったようです。


調子が良いので夏用スプリングに換えてみます。




初速は変わらないか。


ボルトストップが掛からなかったので冬用に戻します。気温は20℃くらい。


弾を込めます。結局4マガジン分ほど撃ってようやくガス切れっぽい動きに。ただボルトストップが全然掛からず、空マガジン時に手で強く引ききっても掛からない有様。


ボルトストップは他所でも掛かりが悪いそうなのでこの銃の持病らしい。ボルトストップは銃側のここを・・・


マガジンフォロワーと連動して残弾が無くなった時に持ち上がる動作をする、マガジン後端左にあるスイッチが押し上げるようになっているのですが、押し上げる力が足りなくて銃側のラッチを押し込めないのが原因にみえます。マガジンとレシーバー間のガタを取ると少し改善されるようですが、こういう銃はあまり切った貼ったして景観を損なわせたくないし。


@@@



いやぁ長物ガスブローバックっていかにも大きな大人のオモチャって感じで所有感ははかり知れないのですが、軽快確実な動作という面ではハンドガンに遠く及ばない感があります。見た目と動作のリアル感に性能まで要求してしまうと、やはりバチがあたってしまいかねません。
WEドラグノフSVDの通常分解が済んだところ。


通常分解というには少しバラしすぎていますが、まあ最初なので。おそらく二度と分解する事が無い部分もあるでしょう。


インナーバレル後端は独特な形状をしており、チャンバーパッキンも見慣れないものが付いています。マルイ系電動と同じじゃダメなん?ここ。


チャンバーパッキンはマルイのVSR-10用が使えるらしいですが、形状自体はマルイのガスブローバックハンドガンとも同じとか。ただこの形状のパッキンを使う銃はウチでは全部マルイなので換えた事が無いし当然在庫も持ってない・・・


インナーバレル長は、えーと・・・


640mmくらいでしょうか。発射用ガスの量的に明らかに長すぎるらしいので短いものに交換したいところですが、VSR用のインナーバレルは後端の形状が微妙に違い、チャンバーと噛み合う横溝がまず違うので使えるかどうかわからないし、なによりVSR用社外品でもまだ長いのでいっそぶった切ってしまった方が早いでしょうか。


先達の方々によればこんなクッソ長い銃のくせに200mm程度もあれば十分だそうなので、アウターバレル後端から抜き出してレシーバー後端にぶつからない長さを見繕うと、240~250以下にすれば良さそう。


キリ良く200mmに短縮する事にします。40cm以上余るのか・・・


パイプカッター?そんなものはない、カッターに金属用のこぎり歯換装でぶった斬ります。


切り口は人力だとどうしても汚くなるのでできる限りキレイにしてやり、出口テーパー加工なんて素人がやっても何なので下手な事はせず軽く面取りする程度に留めます。


削り粉が中に必ず入るので払うついでにバレル内清掃。


ホップ調整の仕組み。バレル同軸のダイヤルでアームの上げ下げを行い、押しゴムを介してチャンバーパッキンを押している構造。


ダイヤルを右いっぱいに回したホップ最弱状態。この状態だと気密も悪いのか初速が10歳以上用レベルまで下がってしまいます。


ダイヤルを左いっぱいに回したホップ最強状態。かなり突起が下がっています。0.2gだと再弱から30度程度も回せば適正ホップになります。材料も無いし今回はバレルを短縮するだけに留めて組み上げてしまいます。


アウターバレルをレシーバーに組みつけます。キャップを先にネジ留めしてしまったので上から刺さってたイモネジどうしよう!?と思ったらリヤサイト下を前後に貫通しているパイプを入れる前なら説明書にあったようにリヤサイトブロック上の穴からアクセスできるようです。アウターバレルを外す最小手順はガスピストンをガスパイプに押し込んでロッドを外し、リヤサイト下のパイプを前方に抜いてイモネジを緩め、アウターバレル付け根左右のネジとその下のピンを抜けばアウターバレルは外せるはずです。


ガスブロック~リヤサイト下までを組みつけます。ちょっとややこしいですが上画像のようにピピストンをガスパイプに押し込んでピストン後端の穴にロッドを差し込むのを最終手順にするのがスマートでしょうか。


ハンドガード左右を合わせてキャップを前から被せ、金具を留めてここは出来上がり。ここはもう当分いじる必要はありません。


インナーバレルとチャンバーをアウターバレルに差し込みます。インナーバレルが短くなったので余裕で作業できるようになりました。


チャンバーを奥まで挿し込んだらイモネジを締めて固定。


トリガーアセンブリ。これはハンマーが起きた状態。


トリガーを引くとシアーが外れてバシッとハンマーが倒れます。亜鉛合金製と思しきハンマーにはインサートがあって強化はされているもののかなりの力でバシバシ打つのでハンマーの鋳造時にスが入ってしまったハズレ品を引くと折れやすいと聞きます。ヘパイストスというメーカーがスチール製に置き換えたものを出しているようです。


油気が薄いので注油しておきます。


トリガーアセンブリをレシーバーに収め、セレクターレバーを挿して固定。


ボルトアセンブリも油気が薄いので注油。エジェクションポートから外側に露出する部分以外を全体的に。


注油したボルトアセンブリをレシーバー後半の定位置に置き、


前方へスライドさせます。レシーバーとの摺動部をよく見てそこにも注油。


ブロックをはめこみます。


トップカバー側にあるスプリングガイドにも注油。


スプリング前端をボルトの後端に差し込むようにしてトップカバーを被せます。


レシーバー右面後方のレバーを180度前に戻して完了。

(更に続く)
WEドラグノフSVDの通常分解と微調整程度の調整をします。


箱出しで初速60m/s前後、内部は少々油気が足りない感じなので注油くらいはしませんと。


まずマガジン、チークパッド、スコープを外します。


トップカバーを開けるにはレシーバー右面後方の子のレバーを・・・


180度後ろへ回してストック付け根のポッチに掛けます。


するとトップカバーが外れます。トップカバー内側にはバッファースプリングがあり、スプリングの前端がボルト後端に刺さっているので抜き出すようにして外します。


レシーバー側内部が見えています。


そのままボルトを後ろにスライドさせても後方のブロックにぶつかって外れないので・・・


ぶつかるブロックを外します。


するとボルトは更に後方までスライドできるようになるので・・・


後ろいっぱいまでスライドさせて上に持ち上げると外れます。


ボルトアセンブリは300g近くあり、かなりズッシリしています。


レシーバー後方に刺さっていたブロックは同じものが付属品袋詰めに入っており、予備でしょうか?重いボルトをガツンガツン受け止めるブロックなので割れる傾向にあるのかもしれません。


トップカバー内のバッファースプリングのガイドはカバー後端に固定されており、2本直列に取り付いているスプリングのうち後方側は外れないようになっています。


ピン2本を抜いて外してみましたが後方側スプリングは外れませんでした。まあ外す必要はないのでここは別にいいか。


前方側スプリングは標準で夏用の強いスプリングがセットされており、付属品袋詰めには冬用の弱いスプリングが入っています。


今はまだ春先で気温もまだまだ低いので弱いスプリングに換えておきましょうか。


次にハンドガードを。まずハンドガード前にある金具を押し込みながら前に回します。


金具は下向きに止まるまで回さないとロックが解除されないようです。ロックが解除されるとハンドガード前を留めているキャップが前方に動くようになります。


木製のハンドガードが左右に分割されて外れます。


A&K SVD-Sの樹脂ハンドガードを試しに取り付けてみます。


一見ポン付けできそうに見えて微妙に長いのか、ハンドガード前の金具が回らず固定できません。


後ろを揃え・・・

長さを較べてみると、前端の段の部分が1mm程度違う。削れば入りそうだけれど・・・


A&K SVD-SにWE SVDの木製ハンドガードは前側のキャップがはまりませんでした。こっちは内側も削らないとダメな感じ。


セレクターレバーを上に跳ね上げ・・・


セレクターレバーを引っ張ると外れます。


セレクターレバーを外すとトリガーアセンブリが前方を軸にして後ろ側から下に外れます。A&K SVD-Sではトリガーガード後端がグリップ前にはまっていましたがこちらは前方に取り付いていて一緒になっています。


トリガーアセンブリにはハンマーやシアーなどがまとまっています。


ハンドガード前のガスパイプ。ここの分解は説明書に書かれていないので手探りになります。


外筒が多少可動するのと、ガスブロック頂上にスイッチがあるのが確認できます。


外筒を少し回すとハンドガードキャップの金具がはまっていた部分と形が合うのでキャップを前方に寄せる事ができるようになります。


外筒を回すとガスブロック頂上のスイッチが上に出る位置があるので、スイッチを上に出して外筒を回すとネジを緩めるようにして後方に外筒が移動してゆくのに気付きます。


ガスブロックから外筒が外れました。


後方のロッドと中に納まっているスプリングで少し妨げられるものの外筒を完全に外す事ができるようになります。


ロッドを前方に移動させるとこれも外れました。


次にインナーバレルとチャンバーを抜き出すのですが、説明書に示されている位置にイモネジがありません。パイプが入っていてそれが穴の奥に見えているだけです。


チャンバー付け根の上にイモネジが見えているのでこれを抜きます。


チャンバーとインナーバレルが抜けてきました。


おおっとホップ調整ダイヤルが外れてしまいました。ダイヤルはアウターバレル後端に挟まっているだけの保持で、チャンバーを取り出すとダイヤルはホップレバーをちょっと引っ掛けつつ被さっているだけになります。


ズルズルっと抜いてゆきますが、レシーバー後端にぶつかってしまいました。


この位置でチャンバーをバラさないといけないのだろうか?


チャンバー左側下方に小さなネジが見つかりました。


小さなネジを抜くとチャンバーが分解できました。押しゴムは小さいので失くさないように。


まだインナーバレルはレシーバー後端にぶつかって抜き出せません。インナーバレルをしならせれば抜けそうではありますが、インナーバレルが曲がる危険があり、何より抜いても挿す事ができなくなります。


アウターバレルを外しにかかります。まず付け根左右のプラスネジを抜き、その下に刺さっているピンを叩き抜きます。


まだ抜けません。あとはどこだ・・・


レシーバー前面に対して刺さっているネジがアウターバレル付け根下にあるので抜いてみます。


ネジを抜くとキャップとリヤサイトブロックが前方にスライドできるようになり、イモネジが現れました。


このイモネジを抜くとようやくアウターバレルが抜けます。


インナーバレルが抜けました。長い・・・


ハイダーも外してみます。M14逆のオスネジがハイダー側にあるのでハイダーを換えるにはオス⇔オスの変換アダプターが必要です。まあわざわざ換える人もあまりいないでしょうけれど。


通常分解ができました。通常?

(続く)

WEのドラグノフSVDです。

えっ

先月A&KのドラグノフSVD-Sを買ったばかりじゃないかって?
だって・・・


仕方ないじゃん・・・


さて衝動的に注文して次の日には到着しました。箱はそれほど重くは無いのですがとにかく長い。


今回買ったのは電動ガンではなくガスブローバックタイプ。製品名は正確にはSVDではなくACEVD(エースブイディー?)。「高級版」のシールが貼られていますがこれは木製ストックが装備された中間グレード的な製品で、更に上位版にはスチール削り出しフレームのもの、廉価版として黒い樹脂製ストックの製品がラインナップされています。


初速証明が貼られています。70~84m/sとかなりバラついていますが、長物ガスブローバックはまあ、こんなもんです。


注意書きシール。


開封。プチプチに包まれてる!


プチプチを取るとさらに袋入り。チャージハンドルも保護されています。


内容は銃本体、チークパッド、マガジン、付属品袋詰め、説明書。




説明書は見慣れない漢字の多い中国語(北京語?)。通常分解の手順なども書かれています。


それではまじまじと観察。ストックは木製ですがパッと見は樹脂に木目がプリントされているかのような錯覚をおぼえます。きれいすぎるんだろうか?ドラグノフの木ストというとテカテカでオレンジ色のイメージですが、こちらは家具調というか何というか、つや消しの仕上げ。ただ手触りはサラリとしていて握り心地も不快感は全くありません。


グリップ右側面にMADE IN TAIWANと書かれた青いシールが貼られています。レシーバーは半光沢の黒い美しい仕上げ。


ハンドガードもストック同様に木製。左右の合わせ目は丸くなっています。実銃では一枚板を曲げてこの形にしているそうですが、これもそうなのでしょうか?


ガスブロック。ハンドガードを留めている金具のプレス感などはA&Kのものに較べかなりハッキリしています。


フロントサイト、ハイダー。フロントサイトは上下左右の調整がちゃんとできそう。ハイダーはM14逆ネジですがハイダー側がオス、フロントサイト側がメスになっているので付け替えには変換が必要。


ハイダーの横穴の直前までインナーバレルが来ています。


レシーバー左側。グリップは短めで小指が下端ギリギリですが握り心地自体は良好です。


バットプレートは金属製で滑り止めなどはありません。


付属のチークパッド。


樹脂製の台の上にゴムのパッドが取り付いており、下にはストックへ取り付ける金具があります。


ゴムのパッドは少し片側に寄っています。


ストックへ取り付けたところ。


どちら側にも取り付きますが、左側へゴムのパッドが寄る取り付けが正しいでしょうか。


リヤサイトはタンジェントサイト。


もちろんフル可動します。


サイトピクチャーはこんな感じ。アイアンサイトを使う時はチークパッドを外さないと覗きこめません。


付属品袋詰め。説明書に記述が無いのでよくわかりませんが、多分BBローダーとパーツ表の72のパーツ、103のスプリングかと思います。


マガジン。ガスブローバック用なので重さはありますが、見た目ほど重くない印象。450gほどです。


上面前端にリップがあり、その直後にガスルート、左後ろに空撃ち用スイッチ、後面上端にバルブがあります。


ガスの注入口はマガジン下面にあります。


銃側のマガジンポートからは銀色のボルトとその前にピストンが見えます。


マガジンは前側を掛けて・・・


次に後ろ側をマガジンキャッチに掛けます。タッチはカチョッという感じ。抜き差し共にスムーズです。


レシーバー右側面にはセレクターレバーがあります。これがSAFE状態。


下に下げてSEMIとなります。フルオートはないのでSAFE⇔SEMIだけです。ボルト後方が開いていて奥にスプリングが見えます。SAFE位置ではここを塞いでダストカバーの役割を持ちます。


ボルトをいっぱいに引いたところ。電動ガンよりも1cmほど後ろまで後退し、弾の入っていないマガジンが刺さっている状態ならボルトストップが掛かります。少し強めに引ききらないとボルトストップが掛かりません。


エジェクションポート内前方のチャンバーにはホップ調整ダイヤルがあり、上方向(銃後ろ側から見て半時計回り)に回すとホップが強まるようになっています。


では早速実射のためにガスを入れましょう。海外製のガスブローバックガンの御多分に漏れず注入時には音がほとんどしませんが、わずかに「チュルチュル・・・」と聞こえるので頑張って入れましょう。


次にBB弾をローダーで・・・固い!


ローダーが付属しているので使ってみましょう。


四角いブロックの方をリップに合うようにあてがい、BB弾を筒へ流し、押し込みパーツ?を被せます。ちょっとこぼしやすく慣れないとうまくやれません。


押し込みパーツを下げてBB弾を送り込みます。結局固いのは変わらない・・・ガ、ギ、ギ、ギ・・・と何とか押し込むと20発入るはずです。少量を撃つなら手で込めた方が楽かもしれません。


BB弾がマガジンに入りました。


マガジンを銃に挿して、ボルトハンドルをちょっと引いてリリースします。


チャッキーン!とはいかず、ブリュンッという、前側にクッションがあるようなタッチ。あまり心地よくない・・・


バシン!バシン!と動作は良好なのですが、弾は左曲がりの小便弾、初速は40m/s前後。オイオイオイ


ホップダイヤルを回して強めてみたら初速が上がりました。それでも大体60m/sほど。弾道は真っ直ぐだし十分といえば十分なのですが、まあまだ箱出し状態だし。これからこれから。


スープアップなど調整は後程やるとして、ドラグノフといったらやはりこれ。PSO-1を取り付けませんと。


SVD-Sと一緒に買ったUFC-SC-19という品番のレプリカです。スルリと取りつきますが固定できずグラグラです。


ここを調整して締め具合を調整します。左手で突き出たネジ頭を人差し指で押さえ、親指でナットと接している金具を押し込み、右手でフリーになったナットを回すような要領で。


SVD-Sに合わせた状態からナットを2ノッチ分締めると丁度良くなりました。


これこれ、この色、この形・・・これが欲しかったんだよ!



@@@




先月買ったSVD-Sと。SVD-Sも調整に手こずって未だに調整しきれておらず、まだ二重給弾癖がとれていませんがやはり手こずった分愛着も沸いているし、調整が決まれば実用面では電動ガンであるSVD-Sの方が上回るでしょう。しかし形の面ではこのSVDでほぼ完成形といえ、撫でくりまわすメインはこちらになりそう。二つ合わせて10万円。今年は先が思いやらされます・・・

フジミ1/700特シリーズの軽巡洋艦北上です。


フジミの特-85北上はキット年次が2014年と新しいキットです。北上のキットはピットロードの重雷装艦時代(太平洋戦争開戦直前~戦争序盤)の仕様のものがありましたが、こちらは太平洋戦争最末期の回天搭載母艦となった時期の仕様となっています。


北上は球磨型軽巡洋艦の3番艦。5500t型軽巡洋艦の初期の艦として1921年に竣工後は他の球磨型と同様に特に大きな戦役もなく戦間期を過ごします。そして20年が過ぎ、太平洋戦争開戦に向け緊張が高まってくるとこの頃の日本海軍では「艦隊決戦」に固執しており、多量の酸素魚雷を一斉射して敵戦力を漸滅する「重雷装艦」への改装が旧式であり余剰戦力となっていた北上に行われます。1941年9月には改装が完了し40発もの魚雷の投射能力を得ましたがいざ開戦となってみるとこれを生かす機会は無く、ミッドウェー海戦からの帰還後に今度は「高速輸送艦」として魚雷発射管を24門に減らした代わりに兵員室や大発動艇4隻の搭載能力を付加する改装を受けます。その後すぐに更に魚雷発射管を16門に減らし大発動艇の搭載能力を増やし、各地を転戦します。1944年1月にマラッカ海峡にて英潜水艦の雷撃を受け、セレター軍港などで修理を受けつつ本土へ戻る船団と合流して佐世保へ帰還すると今度は「人間魚雷・回天」の搭載母艦としての改装を行います。同時に搭載兵装も通常の魚雷を全て廃し高角砲や機銃・電探など対空寄りの兵装に載せ換えられ、1945年1月に改装が完了するも出撃の機会はなく、3月の呉軍港空襲では損傷を受けなかったものの7月の空襲で大破し、そのまま終戦を迎えます。戦後は航行不能状態だったため鹿児島に曳航されて復員輸送支援工作艦として半年間従事し、1946年10月に長崎で解体されました。


開封。ボリュームはそこそこありますが前回のハセガワ龍田ほどではない印象。





説明書。畳むと1ページがB5版となる長い1枚紙。昭和19年と昭和20年の2つの仕様を選択して組むようになっていますが、19年の仕様といっても改装中の仕様?前述のように回天搭載母艦として改修が済むのは昭和20年1月で、19年に佐世保で改装が始まる前はまだ主兵装は14cm単装砲4基と4連装魚雷発射管4基だったようです。キットの19年仕様は軌条に回天が載っておらず、単装機銃4挺の代わりにカッター2艘が載っているくらい。


ランナーを小袋から全て出したところ。やや小さいまとまりが多い傾向にありますが、武装パーツを除くとあとはシンプルにまとまっています。


モールドは新しいキットらしい詳細なもの。塗り分けはやや面倒ですが仕上がりのみつしり感と引き換え。出来上がってみたら何かスカスカ・・・というくらいならこのくらいの手間で満足できた方が良いです。


デカールは旭日旗のみ。



それでは組みにかかりましょう。船体は側面が左右一体化したものと艦底との組み合わせ。


フジミに多いタイプですが船体と艦底の合わせ目が底面にあり、側面の処理をしなくてよいものの接着剤を流しにくい印象。


船体と艦底を接着したら速やかに甲板を。甲板パーツは段になっている中央部で前後に別れています。


後半部は昭和20年仕様にする場合先に穴を開けておく必要があります。ピンバイスの刃は0.5mmで丁度良いでしょうか。ドリル刃はセットだと1mmくらいが最小だったりして艦船キットの舷窓などを開けるには少し大きいので0.5mmやできれば0.3もあると便利。ただ0.5mm以下の細いものは折れやすいのでタミヤが出してるやつみたいに軸だけ太いタイプの刃が安心でしょうか。あれも深い穴が掘れないので万能ではありませんが・・・


甲板パーツを後半から先に接着し、次に前半を接着します。


甲板パーツと側面との間に隙間が開きやすいので平らな当て板を底面に当てて輪ゴムで縛ります。艦底の接地性は少し中央部が浮いてしまう傾向にあり、無理に修正しようとすると中央部分で割れる危険があるので無理して修正しようとしない方がよいでしょう。フジミのキットはダボの位置がキッチリ合っていなかったりして大抵組んだ状態でどこかしらにテンションが掛かっていがちなので組み始めでキッチリ接地するようにしても組みあがったら浮いていたり後で浮いてきたりするのであまり神経質になるとキリがありません。


リノリウム色として43ウッドブラウンを塗ります。塗る部分は段の高い前半部分だけ。前回薄めすぎたので41レッドブラウンをいくらか混ぜてみたら見慣れた色味になった印象。


32軍艦色2を塗ります。細かく塗り分ける必要があるので焦らずチマチマと進めます。


説明書ではいきなり回天や単装機銃から置き始めますが構造物から置いた方が安全。ただし説明書とにらめっこして都合の悪い部分は細かいパーツを先に付けた方が良い箇所もあります。艦橋を載せる前にその真下にあるステップ(階段)とか、船体側面のバルジを付けるまえにパラベーンを先に、等々・・・


前マスト上部などは三脚の後ろ脚で回転方向にテンションが掛かっちゃって接着が固まるまでマスト上部が傾いたり横向いたりでこういうところはフジミのキットらしいのですが、幸い酷いスペクタクルなどは無く比較的スムーズに組み進められるハズです。


パーツを全て載せ終えたところ。




エナメルフラットブラック、ジャーマングレー、フラットブラウンでスミ入れとウォッシングをして完成。



甲板上に多量に物が置かれている印象が強い艦です。



乾舷も5500t型としては低く、横からの見た目は上からに較べるとおとなしい印象。


各部を観察。元は普通の球磨型軽巡洋艦なので前方に尖った三角柱上の艦橋の前には50口径三年式14cm単装砲塔が2つ、艦橋の左右に1基ずつあったものが回天搭載母艦への改装時に全て撤去されて艦橋前方に40口径八九式12.7cm連装高角砲が1基、艦橋前の台と艦橋左右の甲板に九六式25mm三連装機銃が計4基、同単装機銃が艦首と艦橋左右と艦橋後方に7挺置かれています。


艦中央部。甲板は艦橋後方の魚雷発射管のあるウェルデッキで一旦低くなった後は後方のセルター甲板までずっと高い位置にありましたが、ウェルデッキは埋められて3番煙突の左右辺りから後方は甲板が低くなっています。重雷装艦への改装時に船体左右のバルジの前端位置からが低くなっており、その後ろに左右で計10基もの61cm4連装魚雷発射管が並んでいましたが、高速輸送艦への改装時から徐々に撤去されて最終的には全て撤去されました。回天搭載母艦への改装時にその前に雷撃により損傷していたタービンを1基撤去したため速力が36ノットから23ノットに低下しています。


艦後半。高速輸送艦への改装時に艦尾まで繋がる2条のレールが敷かれ、14m特型運荷船(大発動艇)4艘が搭載されました。艦尾で甲板は水面に向けてスロープが設けられており、大発に荷物や人員を搭載したまま発進させる事ができました。回天搭載母艦への改装ではこのレールは回天の搭載と発進に利用され、回天は8基の搭載能力があります。回天は九三式酸素魚雷に外筒を被せて1人乗りの操縦室を取り付けたような形状を成す、誘導魚雷の誘導を人力で行う実質的な特攻兵器です。後部マストには回天を吊り上げるためのクレーンが増設されており、その後方には12.7cm連装高角砲も設置されています。


右舷に回り艦尾。艦尾のレール間には爆雷投下軌条が2基あり、高角砲の後方にも爆雷投射機が設置されており対潜能力が持たされています。マスト上には13号電探も装備されています。


単装機銃は31挺とあるのですが、キットでは27挺しかありません。あとの4挺はどこに?おまけに20年7月に27挺追加装備したとあり、58挺もどこに置いていたんだろう?


前部マスト上には13号電探と22号電探が確認できます。
ところで手前に見える搭載艇「内火艇」ですが読みは「うちびてい」だそうで、うわぁずっと「ないかてい」って呼んでたよ!と思ったら「ないかてい」でも間違いではなく、今の自衛隊では後者の読みなんだとか。旧軍でも両方の読みが混在してたらしく、何というかまぎらわしいな!


同じ球磨型軽巡洋艦の球磨と。三本煙突をはじめ艦橋の形など、面影があります。


北上も重雷装艦になるまでの20年間は他の球磨型と同じだったのですが、逆に改装前の姿を北上だとお出しされても「えっ」ってなりそうな。


中央部同士。大体何がどこにあったがが読み取れます。ただ水上機とカタパルトは戦間期に北上も載せていたのか、球磨多摩だけ載せていたのかよくわかりません。(木曽は竣工時からしばらくだけ長良型と同様の艦橋とその前の滑走台から発進させていましたが、カタパルトは装備せず航空機の搭載をやめています)


艦後半。マストの位置やまだ幅が狭いセルター甲板など、長良型と較べるよりは元の位置にあるように感じます。北上のマスト前のクレーンは千歳が水上機母艦から空母への改装時に撤去したもののようです。艦尾のスロープは下面に元の丸い艦尾の形が残っており、上面を削ったのではなく後方に延長してあるのがわかります。


12.7cm連装高角砲に換装したつながりで長良型軽巡洋艦五十鈴と。五十鈴は防空巡洋艦への改装で14cm単装砲を全撤去して12.7cm連装高角砲を3基装備しています。


上から五十鈴、北上、球磨。


@@@




5500t型は詳しくないと見分けがつかない似たり寄ったりの外見の割には、ちょっと詳しくなってくるとかなり特徴的に違う事が分かってくるので面白いのと、1/700だと大きすぎず小さすぎず程よいサイズなので組むのも集めるのも楽しいです。あとは何だろ、発売されてる中だと大井、阿武隈・・・木曽も捨てがたい。
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