~趣味の世界~
ハセガワ1/700ウォーターラインシリーズの軽巡洋艦龍田です。

龍田(たつた)は天龍型軽巡洋艦の2番艦。竣工は1919年3月で、先に起工した天龍よりも半年ほど早く竣工しています。天龍型軽巡洋艦は巡洋艦の分類が装甲の重軽だった装甲巡洋艦/防護巡洋艦から砲の大小による重巡/軽巡の分類に移行してゆく過渡期に建造されており、天龍型は小さめの船体により装甲を十分に備えつつも駆逐艦を引き連れられる軽快な高速航行力と雷装を重視した水雷戦隊旗艦としての役割を主眼として開発されたものです。しかしやはり小さすぎたため「巡洋艦」としての性能が足りず改装の余地もなかったため、更に拡大し兵装も機関も強化した5500t型軽巡洋艦が建造されてこちらがメインとなり、天龍型は主流から外れながらも細々と警備任務に従事し太平洋戦争まで使用され、開戦直後のウェーク島攻略などに参戦します。戦中はどちらかといえば駆逐艦のように輸送護衛任務に主に従事し、1944年3月にサイパンへ向かう輸送護衛中に八丈島沖にて米潜水艦サンドランスの雷撃を受け沈没します。


ウォーターラインシリーズの龍田は最近になって古いNo.310からNo.358にリニューアルされ、こちらは新しい方になります。古い方は天龍をすでに組んでいたので龍田の方を。箱絵の格好良さも目を惹きます。


旧キットは竣工時(1919年)の仕様でしたが新キットは開戦前(1941年)と対空兵装強化後(1942年)を選択するようになっています。天龍型は竣工時から太平洋戦争開戦までにマストの三脚化と露天艦橋の簡単な密閉化くらいしかされていないので戦間期の仕様に仕立て直すのもそれほど難易度が高くないでしょうか。


開封。小さめな軽巡のキットとしてはそこそこボリュームがあります。
前回艦船キットを組んだのは去年の4月に伊勢を組んだっきりで久しぶり。この龍田含め4つほどその間ずっと積まれていました・・・


説明書。ハセガワの艦船キットらしく大きなもの。ハセガワは塗料の指示がクレオスとタミヤ両方が書かれています。


ランナーはアルファベットでグループ分けされているものの、1パーツしかないグループが他のグループにくっついているものが多くあまり見栄えが良くありませんが、フジミのように全バラにして小袋に詰めまくられるよりは良いでしょうか。ウォーターラインシリーズでは古い元キットのパーツの陳腐さを追加パーツで補う傾向が強く無駄パーツが大量にありますが、こちらはこのボリュームでも不要パーツは僅かな量に留まります。


やはり新しいだけあって非常に詳細なモールド。その引き換えとなっているのか、小さなゲートが大量に付いているのでこれを残らず取るのが少々面倒です。


デカールは天龍と共通。予備も多めの親切さですが艦載艇の艦首左右に貼る所属艦デカールは「そこまでしなくても・・・」という感。金色の艦名デカールは珍しいかもしれません。



それでは組み始めましょう。船体は左右と艦底に別れています。バラストが入りそうなスペースがありますがバラストは付属しません。最近はバラスト付きの方が珍しくなってきた感があります。


艦首と艦尾を接着し速やかに艦底と接着。


甲板パーツは艦首のグレー部分とリノリウム色部分、一段下がった後半とで分割されています。接着前に段になっている部分の壁は多少奥まっているので先に塗っておいても良いでしょう。


甲板パーツを乗せると船体左右のパーツは若干逆ハの字に拡がっていて甲板パーツの両サイドに多少隙間が開いてしまうので完全に乾燥する前に輪ゴムで縛ります。艦底の接地性を損なわないようにまっすぐな金属板(上写真では大型艦用のバラスト2枚)を沿えています。


接着が乾いたらリノリウム色(43ウッドブラウン)を塗ります。久しぶりだったので塗料の溶剤分が飛んでいたのを薄めたのですが、少し薄め過ぎた印象。3回塗り重ねてもまだ少し透けているくらいで、一般的にはこれくらいシャバシャバに薄めるものだと聞くのですが、私は2回塗りくらいで完全隠ぺいするくらいの方が好み。


32軍艦色2を塗ります。こちらも薄め過ぎた・・・


側面をマスキングして29艦底色を塗ります。下面は省略。


一段高くなっている甲板は左右と上面に分割された別パーツ。


チマチマとパーツを乗せてゆきます。ハセガワは小さいパーツは容赦なく小さいので失くさない飛ばさないように注意。後甲板前端あたりに付くパイプ状の小さなパーツだけ飛ばして失くしたので伸ばしランナーで作り直してあります・・・


パーツを全て載せ終えたところ。特に難しいところは無いのですが、やはり非常に小さいパーツが多いのでその辺だけ。


塗り足しとレタッチを済ませ、デカールを。艦橋の窓はデカールがありますが組んだ後で貼ると馴染ませるのが大変なので窓をつや有りの黒で塗って窓枠をグレーで塗る方が簡単かもしれません。後部マストの途中の白線もデカールですが一周分の長さがなく線が途切れるので予備と合わせて2枚組み合わせるか、もしくは塗った方が早いかも。艦載艇艦首左右のデカールはしんどいのでオミット。



エナメル塗料でウォッシングして完成。



スミ入れ重視で黒をメインにしたので以前のものと少し作風が変わってしまった印象。



旧キットも横からの見た目は悪く無かったのですが、こちらは更に見栄えが良くなっています。


各部を観察。天龍型軽巡洋艦は20世紀初頭の英国トライバル級駆逐艦を参考にして建造された磯風型駆逐艦をスケールアップした成り立ちを持ち、船首楼の後端ではなく少し前に艦橋が置かれ、その前後に50口径三年式14cm単装砲を置いている特徴的なスタイルを形成しています。


艦中央部。3本の煙突が立つスタイルは後の球磨型の形状の元になっており、天龍型ではまだ煙突3本の煙突間だけ1段高くなっていますが、球磨型ではこの段が両舷と後方の上甲板とも繋がるまで拡がります。魚雷発射管はまだ61cmではなく53cmのものを3連装で2基装備しています。


艦後方。マストの前後を1段上げてそこに14cm単装砲を載せています。ここも球磨型・長良型では更に拡大されてゆきます


艦尾には対潜兵装が置かれていますが、駆逐艦ほど重武装ではなく、やや旧弊な装備である機雷投下軌条が2条残されています。後甲板の前寄りには8cm単装高角砲が1基置かれています。


再び艦中央部。天龍型は後の5500t型の範とはなったものの小型でアップデートの余地が無かった事から竣工時の兵装のままほとんどアップデートされずに太平洋戦争を迎えます。とはいえ竣工時とは違い空には航空機がバンバン飛び交っているのでこれに備えるため機銃だけは追加されています。元々6.5mmの三年式機銃が2挺だけだったものが戦間期である1937年に1番煙突の前に台を置いてここに九三式13mm機銃を左右1挺ずつ増備、太平洋戦争開戦後にこれを九六式25mm連装機銃に置き換え、更に3番煙突の後ろにも2基追加しています。


再び艦前方。艦橋は露天艦橋だったものに天蓋が付けられ、窓も付いて密閉化されています。といっても後方は抜けているので前方からの雨風や波しぶきを避ける程度でしかありません。マストは竣工時には1本で立っていたものの後方に2本追加されて三脚化されています。その上にあるバケツみたいなのは見張台で、この中に人が入って遠くを索敵するのですが、1本マストの頃はさぞ風や波浪で揺れた事でしょう・・・


旧キットの天龍と。


天龍の方は開戦前の装備なのかマストが少し高く、この高いマストのパーツは新キットにも入っています。船体側面は旧キットでも詳細なモールドがあるので横からの見栄えでは旧キットもそれほど劣っていません。


艦中央部同士では考証の違いからか結構違いが見られます。天龍の魚雷発射管の下にある2条のレールは天龍型の魚雷発射管が当初左右に移動出来た名残りなのですが、すぐに固定式になったので竣工時以外なら削るべきでしょうか。新キットの龍田はリノリウム押さえモールドが縦方向になっているのも特徴ですが、これは龍田固有のものではなく割と他にも縦方向になっていた艦もあるようです。


艦後部同士。旧キットは全体的に古さからくる大味さはあるものの、上甲板のフチなど頑張った感があって絶版にしてしまうのは少し惜しい気もします・・・


秋月型駆逐艦照月と。遠近で差が大きく見えますが全長の違いは多少というレベル。設計年次は20年以上の差があります。


比較的年代の近い神風型駆逐艦と並ぶと艦後半のマスト前後の配置などに似た部分がみられます。1922年竣工の峯風型駆逐艦「野風」からこの砲配置になります。


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旧キットもそんなに悪くなかった気がするのにリニューアルか・・・と発売当初は思っていたのですが、新しいものは新しいなりの緻密なキットとなっており素組でも中々の見栄えになります。ただし天龍型は実物がそうである以上どうしても甲板上がスカスカに感じるのでもっとみっちりしてる方が良い、という方はエッチングパーツで盛るなりすると良いでしょう。
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