~趣味の世界~
タナカワークスのガスリボルバー、S&W M327 M&P R8 バージョン2 ステンレスモデルです。
先月に買ったスーパーレッドホークが売切れてた場合にこれを第二候補としていたのですが、こっちの方が売れてるのかあまり余裕が無かった…黒い方はどこも売り切れており、このステンレスモデルも買った所では最後の1個でした。
リボルバーはカート式ばっかり買っていたのでたまにはカート式じゃないやつも買ってみるべ…と見繕ってみると、非カート式のリボルバーはマルイとタナカだけ。マルイは食傷気味なパイソンと売れ残りがイマイチ食指の向かない半端なバレル長のM66。タナカは扱っていない店も多いですが、その中でピンと来たのがM327の5インチモデル。2インチは割と売れ残ってますが短銃身好きな私でもちょっと好みじゃない感じ。
タナカの銃はこれまでどうもラインナップが好みと違っていて私よりももう少しお歳を召した方好みな印象で、また値段がマルシンあたりより少し高いのであまり選択肢には入って来なかったのですが、ここへ来てかなり魅力を感じるようになってきました。歳とったのかしら。
というわけで初タナカのM327開封。発泡スチロールののスペースが余っています。タナカのラインナップにはM327と同じNフレームで44マグナムのM629クラシックに8と3/8インチのモデルがあるので共用しているのかもしれません。
付属品は説明書、BB弾、マズルキャップ、レイル、レイル取り付けネジ2個、ローダー、Lレンチ2種、ガス注入アダプター、小さなOリング、セーフティ操作用のレンチ。
少し拡大。ローダーはWEのAceVDに付いてきた微妙に使いにくいやつとよく似ています。マズルキャップはインナーバレルが銃口から奥まっているのでこれだと用を成しません。もうちょっと長いの付けて…
説明書。
1枚紙を3つ折りにしてB5より若干小さいサイズ。
操作に独特なところが多いのでよく読んでおきます。
S&W M327は第二次大戦前の1935年に.357マグナム弾と共にデビューしたM27のバリエーションモデルです。一貫してスチール製でしたが1989年にようやくステンレス製のM627が、2003年にスカンジウム合金製フレームとチタニウム製シリンダーのM327が登場します。当初は2インチバレルでしたが、2006年にバレルとシリンダーをマットブラック仕上げのステンレス製とし、バレルの上下にレイルを装備した5インチバレルのモデル「M327M&P R8」が登場します。
というわけで実はM327には銀色のモデルが無く、タナカのM327だと黒つや消しのヘビーウェイトモデルが実銃準拠となります。でもー…あっちは何かグリップと銃本体の色調が同じで銃全体がまっくろくろすけ過ぎて好みじゃなかったんだわ…
銃口。六角形のポリゴナルライフリングなのが伺えます。ライフリング表現は銃口から1cmくらいのところで終わっており、インナーバレル先端はそのかなり奥にあります。横から見てエジェクターロッドの先端付近くらいでしょうか。
バレル前半の下には20mmレイルがあり、ライトなどの取り付けができるようになっています。こういうところのレイルはライトしかつかない場合が多いですが、これは普通のピカティニーレイルなのでフォアグリップなども取り付ける事ができます。(マルイのショートフォアグリップは取り付きました)
バレル上面。フロントサイトは黒い別パーツになっており、後面にはホワイトドットが入っています。その後方にはレイル取り付け用のネジ穴が4つあり、イモネジで埋めてあります。タナカのM327だとバージョン1では一番後ろ側のイモネジが可変ホップアップ機構の調整に利用されていましたが、バージョン2では固定ホップになりイモネジは4つとも同じ長さのものが刺さっています。
フレーム左。大柄で頑丈なNフレームとなっています。M19/M66では一回り小さなKフレームですが、あちらは.357マグナム弾を撃つには強度不足気味だったのに対しこちらは.44マグナム弾にも対応するNフレームのため安心して.357マグナム弾をバカスカ撃てる強度があります。シリンダーも大きく余裕がある構造なので6発入りだったのを間隔を詰めて8発入りに増量されています。
グリップはトイガンの場合プラ製にアレンジされがちなラバーグリップもちゃんとラバー製になっています。フィンガーチャネルがあり中指の握りが細くてあまり私の好みでは無いのですが、マルシンM686のものに較べるといくらか握りやすく感じます。あちらに較べるとグリップの幅が狭く前後に長い握り心地。
グリップ底面。ガス注入口は無く、マイナスネジがあってこのネジでフレームにグリップを固定しているようです。タナカのガスリボルバーは「ペガサス」という独自のシステムを持っており、ガスタンクはグリップ内ではなくシリンダー内にあります。そのためグリップ内は実銃と同様の構造になっているので実銃用のグリップの取り付けが可能となっています。
グリップ後面。グリップは左右モナカではなく一体となっています。
シリンダーラッチ…じゃないサムピース。おなじみの形ではなく少し形が違うものになっていますが、操作性は良好です。マルシンのポリスリボルバーもこんな風な形でしたがあれも操作しやすく感じたのでこの形が良いのでしょう。
サムピースの脇にネジがありますがここはセーフティとなっています。操作には専用のレンチが付属しますがLレンチでも回す事ができます。写真を撮り忘れましたが矢印方向(反時計回り)へ回してロックするとハンマーの左脇に「LOCKED」と書かれたプレートがせり上がってきてセーフティONとなりハンマーがロックされます。これは保管中に誰かが勝手に触って動作させたりしないようにするためのセキュリティロックだと思ったら良いでしょう。
ハンマーとリヤサイト。ハンマーは親指を掛けるところが楕円形で、四角い幅広タイプに慣れていると後端が少し尖って感じます。リヤサイトはVノッチのフルアジャスタブルで、ちゃんと左右の調整が可能。ただし上下は調整幅が1mmも無いので申し訳程度。
サイトピクチャーはこんな感じ?Vノッチはあまりなじみが無くて…
フレーム右側。ガスガンのサイドプレートの分割部分はアレンジされがちですがこれは実銃同様に分割されています。このグリップと同形状のホーグのNフレーム用グリップはググると右側はフレームを覆う形をしているのですが、左右対称のものもあるのでしょうか?握り心地が変化する部分ではないのであまり気にしない事にしましょう。
刻印。メッキの風合いもそうですがマルシンの銃のメッキや刻印とは特徴が違い好みによって一長一短と感じるかもしれません。マルシンのはパーティングラインが残ってたりヒケたりしたままメッキされてる事が多いですが、こちらはちゃんと処理された上にメッキされています。一方で刻印はフレーム側は良いけどバレルのはちょっと平凡に感じます。マルシンの銃の刻印はちょっと侮れないところがあると思います。好みにもよります。
バレル右側。M&P(ミリタリー&ポリス)の刻印。ミリタリー&ポリス、通称ミリポリというとS&W M10だと思う人が多いでしょうが、最近はオートにも「M&P」があるのでちょっと紛らわしい。「エムアンドピー」と呼んでしまうとオートの方のイメージ。
サムピースを前方へ押しながらシリンダーを右側から押し出してスイングアウト。操作は軽く行えます。シリンダー後面に並ぶ8個のケースは中々異様なものがあります。
シリンダー後面のアップ。シリンダーは内側にある構造物をシリンダー外装が覆っていて、回転するのはシリンダー外装のみ。
シリンダー前面。シリンダー外装は金属製で、切削痕があって他のメッキ部分とはちょっと風合いが違っているのですがそもそも実銃ではフレームとシリンダーは材質が違うのでそういうもんだと思っても良いかと思います。
バレル後端部分。真鍮製のインナーバレル後端が見えます。その部分の上にJの字状に曲げられたプレートがありますが、これはリボルバー銃のこの部分はどうしても隙間ができるため(シリンダーギャップといいます)発射ガスが漏れてスカンジウム合金製フレームを痛めるのでガードとして取り付けられているもの。
銃口から覗いたところ。インナーバレル後端付近の天井部分にホップゴムが出ているのが…わかりにくい…パーツ表を見るとホップ機構はマルイの電動ガンのものとよく似ていて、インナーバレル後端上面に四角い窓があり、ここをホップパッキンで覆って上からアームで押している構造。
重量は887g。ヘビーウェイトモデルではなく樹脂部分はメッキをかけた普通のABS樹脂のハズです。写真を撮り忘れましたがバレル上のレイルを取り付けると950gになります。黒い方のM327はヘビーウェイト樹脂で1050g(多分レイル含まず)とあるのでもっと重いのでしょう。実銃のM327は1kg強ほどで、1.2~1.4kgほどあるM27/M627からはかなり軽量化されています。
ハンマーとトリガーの初期位置。
ハンマーを起こした時のトリガー位置。ハンマーを起こす操作力は軽く、シリンダーが金属なのでシリンダーストップがシリンダー後半外側の溝に掛かる音が硬質でカッチリしています。シングルアクションのトリガーストロークはトリガーが動いたかな?と思う瞬間にはハンマーが倒れるほど短いもの。この短さはリボルバーのガスガンだと割と普通ですがオートでは中々ありません。
ハンマーを起こした時のフレームはメカチラしています。ファイアリングピンのようなものがありますが、その先はシリンダーの軸。シリンダーの軸中央にはガス放出バルブの後端が通っていてここをハンマーで叩いてガスを噴出させるしくみになっています。
それでは発射の準備を。まずはシリンダーをスイングアウトさせ、シリンダーを回して後面にあるケース後面のうち「GAS」と書かれている部分を後ろから見て10時付近の位置に合わせると穴の奥にガス注入口が見えるのでここを合わせます。
ガスを注入口から注入します。一応入りはしますがちょっとやりにくい。(最近出たマルイのノンフロンタイプは缶が少し細いので入れやすいかもしれません)
付属のアダプターを使うのが無難です。ガスを入れ過ぎると気化スペースがなくなって生ガスを吹くらしいので空の状態から2秒ほど注入すれば十分だそう。ああ写真だと横にしてますがガス缶は上にして注入しませんと。
次に弾を。タナカのペガサスではシリンダー内に弾倉があり、そこからシリンダーの回転に従ってシリンダー外装の前面に装填し、シリンダーが12時の位置でシリンダー内タンクのガスを前方に弾ごとインナーバレルへ吹き出すというしくみ。シリンダー前面からみると12時の位置にガス噴射口があります。
そしてシリンダーを前から見て10時くらいの位置に8発入る弾倉があり、マガジンフォロワーのようなものが見えます。
スイングアウトした時に前から見て1時くらいの位置に弾倉が来るのでここへローダーで弾を押し込みます。
一杯に詰めてからシリンダーを回すとシリンダー外装前面の穴にカチ、カチ、と装填されてゆきます。
シリンダーを一周させるとシリンダー前面に8発装填されます。フル装填させると弾倉の位置が見えなくて分かりにくいですが、弾倉は前から見て1時くらいの位置にあるのでここへ更にローダーで弾を押し込みます。これで16発の装弾数になります。
この日は台風が過ぎて急に寒くなったので10℃くらいしかなく、初速が期待できなかったのでシリンダーをセラミックヒーターの温風で冷たくない程度に温めてから撃ちました。なのでタンク温度はおよそ30℃くらいでしょうか?初速は80m/s弱ほど出ました。他所のレビュー動画などでは60も出ていなかったので「タナカのリボルバーは初速低めなのでは…」というイメージを持っていましたが、そんな事もありませんでした。
シングルアクションでもダブルアクションでも初速はほぼ変わらず、連射をすると70台前半に落ちますが2~3秒も止めるとすぐ回復していました。16発撃ちきったところが上の写真。
マルシンのリボルバーと違いシリンダー前面とバレル後端とで可動による噛み合わせが無いのでダブルアクションでも軽くてスムーズなトリガープルを得られます。ただ固定ホップは0.2gで15mほどの距離だとフラットに飛んでいるのですが、サイトが上下方向にズレているのか上写真くらいのサイトピクチャーでおおよそ狙った所へ飛ぶ印象。
レイルを取り付けてみましょう。まずはバレル上面にある4本のイモネジの内一番前と一番後ろのイモネジを付属の小さい方のLレンチで抜きます。
レイルをあてがい、付属のネジ2本を大きい方のLレンチでねじ込んで固定します。レイル位置は前後に調整できますが、ステンレスモデルの場合レイルをバレル上で滑らせているとメッキに傷が入りやすいので注意しましょう。(ちょっと入った…悲しい…)
レイルを取り付けるとかなりゴツくなります。
レイルは中央がくぼんでいるので取り付けた状態でもサイティングできますが、若干レイルが視界に入りがちになります。アイアンサイトしか使わない人は外しておいた方が良いでしょう。
「M327 R8」でイメググるとトップに出る画像がCOMP M2を載せているのでマネしてみます。SⅡSのプロドットサイトAXISに他のドットサイトに付いてたマウントリングでローポジションにして取り付けました。
長い事使ってなかったので電池は…生きてた。
ドットサイトだとポン付けでドットの位置に弾が飛んでいます。15mほどでのグルーピングはマルイの電動ガンやガスブローバックほど毎回同じところへピッタリとはいきませんが、リボルバーという事を考えれば中々のもの。露骨に大きく逸れたりはしないので、5mなど近距離ならターゲットを狙ってよく当たるレベルかと思います。
ワンチャージから3ルーチン目の最後4発目から10mほどしか飛ばず、3発目は5m、2発目は銃口からポロリ。最後の1発は撃てませんでした。ガスフルチャージが注入加減で若干変わるので大体これくらいは撃てるよ、という目安に。1ルーチンが16発なのですから、弾を込める前に空撃ちを数発やった事を考えると50発くらいは撃てるでしょうか。
ちょっと困ったのはガスがなくなるとシリンダーに込めた弾を抜弾できなくなる点。一旦込めたら撃ち出すまで取り出せません。
マルシンのM686と。同じ.357マグナムリボルバーですが、M686はNフレームよりは少し小さいLフレームとなります。これでもそこそこ重いと思っていましたがM327の後であらためて持ってみるとさすがに軽く感じます。
このM686は買った当初は操作が渋くて渋くて、シリンダー周りをすり合わせたりグリスアップしたりダブルアクションで数百回空撃ちしたりしてようやくアタリが付いた感じ。今ではハンマーもトリガーも割とスムーズになり、ちょっとサイトの狙点より下めですが素直に狙ったところへ飛ぶ銃に仕上がりました。
マルシンのスーパーレッドホークと。これはハンマーもトリガーも渋いんじゃなく仕様的に重いのでアタリを付けるのをやや諦め気味。5発に1発ほど左に大きく逸れるクセがあり、折角可変ホップもあるのに惜しい感じ。
銀色はハゲるのが怖くて使いまくるのに適さないな…と忌避してた奴がここにいます!気が付きゃ銀色の銃ばっか買ってやんの!やったぜ!
2万円ちょっととハンドガンとしては若干高かったけれど、値段なりの満足感がありました。
嗜好の古い人にはレイルゴテゴテは合わないでしょうから、レイルの便利さに浸かった比較的若めなリボルバーの沼にハマりに来たがってる人に。
@@@
さて写真も撮ったし仕舞うか…と思ったらレイル付けたままだと発泡スチロールに収められないじゃん!
ハッポスチロールは切るとカスが静電気でコンチクショウ…
これでよし…
気の向いた時に取り出してニヨニヨするんじゃグフフ
先月に買ったスーパーレッドホークが売切れてた場合にこれを第二候補としていたのですが、こっちの方が売れてるのかあまり余裕が無かった…黒い方はどこも売り切れており、このステンレスモデルも買った所では最後の1個でした。
リボルバーはカート式ばっかり買っていたのでたまにはカート式じゃないやつも買ってみるべ…と見繕ってみると、非カート式のリボルバーはマルイとタナカだけ。マルイは食傷気味なパイソンと売れ残りがイマイチ食指の向かない半端なバレル長のM66。タナカは扱っていない店も多いですが、その中でピンと来たのがM327の5インチモデル。2インチは割と売れ残ってますが短銃身好きな私でもちょっと好みじゃない感じ。
タナカの銃はこれまでどうもラインナップが好みと違っていて私よりももう少しお歳を召した方好みな印象で、また値段がマルシンあたりより少し高いのであまり選択肢には入って来なかったのですが、ここへ来てかなり魅力を感じるようになってきました。歳とったのかしら。
というわけで初タナカのM327開封。発泡スチロールののスペースが余っています。タナカのラインナップにはM327と同じNフレームで44マグナムのM629クラシックに8と3/8インチのモデルがあるので共用しているのかもしれません。
付属品は説明書、BB弾、マズルキャップ、レイル、レイル取り付けネジ2個、ローダー、Lレンチ2種、ガス注入アダプター、小さなOリング、セーフティ操作用のレンチ。
少し拡大。ローダーはWEのAceVDに付いてきた微妙に使いにくいやつとよく似ています。マズルキャップはインナーバレルが銃口から奥まっているのでこれだと用を成しません。もうちょっと長いの付けて…
説明書。
1枚紙を3つ折りにしてB5より若干小さいサイズ。
操作に独特なところが多いのでよく読んでおきます。
S&W M327は第二次大戦前の1935年に.357マグナム弾と共にデビューしたM27のバリエーションモデルです。一貫してスチール製でしたが1989年にようやくステンレス製のM627が、2003年にスカンジウム合金製フレームとチタニウム製シリンダーのM327が登場します。当初は2インチバレルでしたが、2006年にバレルとシリンダーをマットブラック仕上げのステンレス製とし、バレルの上下にレイルを装備した5インチバレルのモデル「M327M&P R8」が登場します。
というわけで実はM327には銀色のモデルが無く、タナカのM327だと黒つや消しのヘビーウェイトモデルが実銃準拠となります。でもー…あっちは何かグリップと銃本体の色調が同じで銃全体がまっくろくろすけ過ぎて好みじゃなかったんだわ…
銃口。六角形のポリゴナルライフリングなのが伺えます。ライフリング表現は銃口から1cmくらいのところで終わっており、インナーバレル先端はそのかなり奥にあります。横から見てエジェクターロッドの先端付近くらいでしょうか。
バレル前半の下には20mmレイルがあり、ライトなどの取り付けができるようになっています。こういうところのレイルはライトしかつかない場合が多いですが、これは普通のピカティニーレイルなのでフォアグリップなども取り付ける事ができます。(マルイのショートフォアグリップは取り付きました)
バレル上面。フロントサイトは黒い別パーツになっており、後面にはホワイトドットが入っています。その後方にはレイル取り付け用のネジ穴が4つあり、イモネジで埋めてあります。タナカのM327だとバージョン1では一番後ろ側のイモネジが可変ホップアップ機構の調整に利用されていましたが、バージョン2では固定ホップになりイモネジは4つとも同じ長さのものが刺さっています。
フレーム左。大柄で頑丈なNフレームとなっています。M19/M66では一回り小さなKフレームですが、あちらは.357マグナム弾を撃つには強度不足気味だったのに対しこちらは.44マグナム弾にも対応するNフレームのため安心して.357マグナム弾をバカスカ撃てる強度があります。シリンダーも大きく余裕がある構造なので6発入りだったのを間隔を詰めて8発入りに増量されています。
グリップはトイガンの場合プラ製にアレンジされがちなラバーグリップもちゃんとラバー製になっています。フィンガーチャネルがあり中指の握りが細くてあまり私の好みでは無いのですが、マルシンM686のものに較べるといくらか握りやすく感じます。あちらに較べるとグリップの幅が狭く前後に長い握り心地。
グリップ底面。ガス注入口は無く、マイナスネジがあってこのネジでフレームにグリップを固定しているようです。タナカのガスリボルバーは「ペガサス」という独自のシステムを持っており、ガスタンクはグリップ内ではなくシリンダー内にあります。そのためグリップ内は実銃と同様の構造になっているので実銃用のグリップの取り付けが可能となっています。
グリップ後面。グリップは左右モナカではなく一体となっています。
シリンダーラッチ…じゃないサムピース。おなじみの形ではなく少し形が違うものになっていますが、操作性は良好です。マルシンのポリスリボルバーもこんな風な形でしたがあれも操作しやすく感じたのでこの形が良いのでしょう。
サムピースの脇にネジがありますがここはセーフティとなっています。操作には専用のレンチが付属しますがLレンチでも回す事ができます。写真を撮り忘れましたが矢印方向(反時計回り)へ回してロックするとハンマーの左脇に「LOCKED」と書かれたプレートがせり上がってきてセーフティONとなりハンマーがロックされます。これは保管中に誰かが勝手に触って動作させたりしないようにするためのセキュリティロックだと思ったら良いでしょう。
ハンマーとリヤサイト。ハンマーは親指を掛けるところが楕円形で、四角い幅広タイプに慣れていると後端が少し尖って感じます。リヤサイトはVノッチのフルアジャスタブルで、ちゃんと左右の調整が可能。ただし上下は調整幅が1mmも無いので申し訳程度。
サイトピクチャーはこんな感じ?Vノッチはあまりなじみが無くて…
フレーム右側。ガスガンのサイドプレートの分割部分はアレンジされがちですがこれは実銃同様に分割されています。このグリップと同形状のホーグのNフレーム用グリップはググると右側はフレームを覆う形をしているのですが、左右対称のものもあるのでしょうか?握り心地が変化する部分ではないのであまり気にしない事にしましょう。
刻印。メッキの風合いもそうですがマルシンの銃のメッキや刻印とは特徴が違い好みによって一長一短と感じるかもしれません。マルシンのはパーティングラインが残ってたりヒケたりしたままメッキされてる事が多いですが、こちらはちゃんと処理された上にメッキされています。一方で刻印はフレーム側は良いけどバレルのはちょっと平凡に感じます。マルシンの銃の刻印はちょっと侮れないところがあると思います。好みにもよります。
バレル右側。M&P(ミリタリー&ポリス)の刻印。ミリタリー&ポリス、通称ミリポリというとS&W M10だと思う人が多いでしょうが、最近はオートにも「M&P」があるのでちょっと紛らわしい。「エムアンドピー」と呼んでしまうとオートの方のイメージ。
サムピースを前方へ押しながらシリンダーを右側から押し出してスイングアウト。操作は軽く行えます。シリンダー後面に並ぶ8個のケースは中々異様なものがあります。
シリンダー後面のアップ。シリンダーは内側にある構造物をシリンダー外装が覆っていて、回転するのはシリンダー外装のみ。
シリンダー前面。シリンダー外装は金属製で、切削痕があって他のメッキ部分とはちょっと風合いが違っているのですがそもそも実銃ではフレームとシリンダーは材質が違うのでそういうもんだと思っても良いかと思います。
バレル後端部分。真鍮製のインナーバレル後端が見えます。その部分の上にJの字状に曲げられたプレートがありますが、これはリボルバー銃のこの部分はどうしても隙間ができるため(シリンダーギャップといいます)発射ガスが漏れてスカンジウム合金製フレームを痛めるのでガードとして取り付けられているもの。
銃口から覗いたところ。インナーバレル後端付近の天井部分にホップゴムが出ているのが…わかりにくい…パーツ表を見るとホップ機構はマルイの電動ガンのものとよく似ていて、インナーバレル後端上面に四角い窓があり、ここをホップパッキンで覆って上からアームで押している構造。
重量は887g。ヘビーウェイトモデルではなく樹脂部分はメッキをかけた普通のABS樹脂のハズです。写真を撮り忘れましたがバレル上のレイルを取り付けると950gになります。黒い方のM327はヘビーウェイト樹脂で1050g(多分レイル含まず)とあるのでもっと重いのでしょう。実銃のM327は1kg強ほどで、1.2~1.4kgほどあるM27/M627からはかなり軽量化されています。
ハンマーとトリガーの初期位置。
ハンマーを起こした時のトリガー位置。ハンマーを起こす操作力は軽く、シリンダーが金属なのでシリンダーストップがシリンダー後半外側の溝に掛かる音が硬質でカッチリしています。シングルアクションのトリガーストロークはトリガーが動いたかな?と思う瞬間にはハンマーが倒れるほど短いもの。この短さはリボルバーのガスガンだと割と普通ですがオートでは中々ありません。
ハンマーを起こした時のフレームはメカチラしています。ファイアリングピンのようなものがありますが、その先はシリンダーの軸。シリンダーの軸中央にはガス放出バルブの後端が通っていてここをハンマーで叩いてガスを噴出させるしくみになっています。
それでは発射の準備を。まずはシリンダーをスイングアウトさせ、シリンダーを回して後面にあるケース後面のうち「GAS」と書かれている部分を後ろから見て10時付近の位置に合わせると穴の奥にガス注入口が見えるのでここを合わせます。
ガスを注入口から注入します。一応入りはしますがちょっとやりにくい。(最近出たマルイのノンフロンタイプは缶が少し細いので入れやすいかもしれません)
付属のアダプターを使うのが無難です。ガスを入れ過ぎると気化スペースがなくなって生ガスを吹くらしいので空の状態から2秒ほど注入すれば十分だそう。ああ写真だと横にしてますがガス缶は上にして注入しませんと。
次に弾を。タナカのペガサスではシリンダー内に弾倉があり、そこからシリンダーの回転に従ってシリンダー外装の前面に装填し、シリンダーが12時の位置でシリンダー内タンクのガスを前方に弾ごとインナーバレルへ吹き出すというしくみ。シリンダー前面からみると12時の位置にガス噴射口があります。
そしてシリンダーを前から見て10時くらいの位置に8発入る弾倉があり、マガジンフォロワーのようなものが見えます。
スイングアウトした時に前から見て1時くらいの位置に弾倉が来るのでここへローダーで弾を押し込みます。
一杯に詰めてからシリンダーを回すとシリンダー外装前面の穴にカチ、カチ、と装填されてゆきます。
シリンダーを一周させるとシリンダー前面に8発装填されます。フル装填させると弾倉の位置が見えなくて分かりにくいですが、弾倉は前から見て1時くらいの位置にあるのでここへ更にローダーで弾を押し込みます。これで16発の装弾数になります。
この日は台風が過ぎて急に寒くなったので10℃くらいしかなく、初速が期待できなかったのでシリンダーをセラミックヒーターの温風で冷たくない程度に温めてから撃ちました。なのでタンク温度はおよそ30℃くらいでしょうか?初速は80m/s弱ほど出ました。他所のレビュー動画などでは60も出ていなかったので「タナカのリボルバーは初速低めなのでは…」というイメージを持っていましたが、そんな事もありませんでした。
シングルアクションでもダブルアクションでも初速はほぼ変わらず、連射をすると70台前半に落ちますが2~3秒も止めるとすぐ回復していました。16発撃ちきったところが上の写真。
マルシンのリボルバーと違いシリンダー前面とバレル後端とで可動による噛み合わせが無いのでダブルアクションでも軽くてスムーズなトリガープルを得られます。ただ固定ホップは0.2gで15mほどの距離だとフラットに飛んでいるのですが、サイトが上下方向にズレているのか上写真くらいのサイトピクチャーでおおよそ狙った所へ飛ぶ印象。
レイルを取り付けてみましょう。まずはバレル上面にある4本のイモネジの内一番前と一番後ろのイモネジを付属の小さい方のLレンチで抜きます。
レイルをあてがい、付属のネジ2本を大きい方のLレンチでねじ込んで固定します。レイル位置は前後に調整できますが、ステンレスモデルの場合レイルをバレル上で滑らせているとメッキに傷が入りやすいので注意しましょう。(ちょっと入った…悲しい…)
レイルを取り付けるとかなりゴツくなります。
レイルは中央がくぼんでいるので取り付けた状態でもサイティングできますが、若干レイルが視界に入りがちになります。アイアンサイトしか使わない人は外しておいた方が良いでしょう。
「M327 R8」でイメググるとトップに出る画像がCOMP M2を載せているのでマネしてみます。SⅡSのプロドットサイトAXISに他のドットサイトに付いてたマウントリングでローポジションにして取り付けました。
長い事使ってなかったので電池は…生きてた。
ドットサイトだとポン付けでドットの位置に弾が飛んでいます。15mほどでのグルーピングはマルイの電動ガンやガスブローバックほど毎回同じところへピッタリとはいきませんが、リボルバーという事を考えれば中々のもの。露骨に大きく逸れたりはしないので、5mなど近距離ならターゲットを狙ってよく当たるレベルかと思います。
ワンチャージから3ルーチン目の最後4発目から10mほどしか飛ばず、3発目は5m、2発目は銃口からポロリ。最後の1発は撃てませんでした。ガスフルチャージが注入加減で若干変わるので大体これくらいは撃てるよ、という目安に。1ルーチンが16発なのですから、弾を込める前に空撃ちを数発やった事を考えると50発くらいは撃てるでしょうか。
ちょっと困ったのはガスがなくなるとシリンダーに込めた弾を抜弾できなくなる点。一旦込めたら撃ち出すまで取り出せません。
マルシンのM686と。同じ.357マグナムリボルバーですが、M686はNフレームよりは少し小さいLフレームとなります。これでもそこそこ重いと思っていましたがM327の後であらためて持ってみるとさすがに軽く感じます。
このM686は買った当初は操作が渋くて渋くて、シリンダー周りをすり合わせたりグリスアップしたりダブルアクションで数百回空撃ちしたりしてようやくアタリが付いた感じ。今ではハンマーもトリガーも割とスムーズになり、ちょっとサイトの狙点より下めですが素直に狙ったところへ飛ぶ銃に仕上がりました。
マルシンのスーパーレッドホークと。これはハンマーもトリガーも渋いんじゃなく仕様的に重いのでアタリを付けるのをやや諦め気味。5発に1発ほど左に大きく逸れるクセがあり、折角可変ホップもあるのに惜しい感じ。
銀色はハゲるのが怖くて使いまくるのに適さないな…と忌避してた奴がここにいます!気が付きゃ銀色の銃ばっか買ってやんの!やったぜ!
2万円ちょっととハンドガンとしては若干高かったけれど、値段なりの満足感がありました。
嗜好の古い人にはレイルゴテゴテは合わないでしょうから、レイルの便利さに浸かった比較的若めなリボルバーの沼にハマりに来たがってる人に。
@@@
さて写真も撮ったし仕舞うか…と思ったらレイル付けたままだと発泡スチロールに収められないじゃん!
ハッポスチロールは切るとカスが静電気でコンチクショウ…
これでよし…
気の向いた時に取り出してニヨニヨするんじゃグフフ