~趣味の世界~
フジミ1/700特シリーズの航空母艦海鷹(かいよう)です。
〇鷹は色々あってどれがどれやら・・・という人も多いかもしれません。〇鷹シリーズは大体が戦時には海軍が徴用して空母に改装する前提で政府が助成金を出して建造させた民間の客船をベースに予定通り空母へと改装された特設航空母艦です。大型の飛鷹型(全長約220m)から神鷹(約200m)、大鷹型(180m)と小さくなってゆき、この海鷹はその中でも167mと最も小さい空母となっています。
海鷹はあるぜんちな丸級貨客船「あるぜんちな丸」として1939年5月に竣工し、処女航海として西回りでの世界一周の最中に第二次世界大戦が勃発、しばらくは客船として運行するものの1941年9月には日本海軍に徴用されて輸送任務に従事します。1942年にはミッドウェー海戦やキスカ島への兵員輸送などいくつかの輸送任務に従事した後1942年12月に海軍に買収され空母への改装が行われます。
1943年11月に空母海鷹として改装が完了しますが、小型低速なため多数の艦上機を発進させられず専ら船団護衛に従事します。1944年2月から日本本土と台湾やシンガポールとの往復する輸送船団の護衛を行い、連合国によって航路の制海権が失われる1945年4月頃からは別府湾で訓練目標艦として活動、7月24日に四国佐多岬沖で触雷し航行不能となり、随伴の駆逐艦「夕風」に曳航されて別府湾内の日出海岸に移動するもそこで空襲により大破擱座、28日には放棄されそのまま終戦を迎えます。
このキットはエッチングパーツが付属します。プラパーツとの置き換えではなく使用が必須なのでキット自体は上級者向けとなります。
付属の艦載機の塗装図は箱横に横から見た図があるのみなので正確にはググるなりして自分で調べる必要があります。
ボリュームは空母としてはさほど多くありません。
説明書。塗装指示が投げやりで非常に不親切。ただしこのキットが初めてだとかそんな事でもない限りは大体ここはこんな感じ・・・という常識が出来上がってると思うので、それに則って、やりたいようにやれば良いかと思います。あとはネットで調べればまあ何とか・・・と言いたいところですが、マイナー艦なのであまり多くの情報は落ちていません。
主要パーツ群。このキットは今の特シリーズのイメージとは少し違った雰囲気で、超絶ディテールでリメイク!というのではなく、まだ出てないやつをとりあえず出したという印象。
線引きは金剛1944(特-23)あたりで、海鷹は特-18とそれよりも前。ディテールは全体的に雑ではないけれど特シリーズにしてはあっさりめ。特シリーズの三連装機銃なんかは特徴的な形状をしているのですがこのキットに付属のものは静模のディテールアップパーツのものに少し似ています。
付属の艦載機は4種4機ずつ。ただこのランナーは静模のものに似ていますがディテール面では完全に負けており、昔からあるやつを透明成型色にしただけかもしれません。
エッチングパーツ。艦橋、煙突出口の網、両舷着艦標識など。ステンレス製です。
デカールは艦載機に貼る日の丸マーク。旗などはありません。
オプション品のエッチングパーツも用意しました。ただしステンレス製で手摺の糊しろを見るに名取や那珂みたいな古いキットに豪華版としてセットで付属するやつと同種のもの。最近の金色な真鍮製のやつほど詳細ではありません。
説明書も然り。エレベーターとかいらないから手摺りとラッタルがもっと欲しい印象。その辺は別売りされているのでそっち買えばいいのですが。
それでは製作開始。説明書では側面に取り付く段に小パーツを取り付けるところからになっていますが船体から始めてしまいます。左右と艦底に分割されています。艦底はウォーターラインシリーズみたいに側面に露出するタイプ。
船体左右を内側で補強する梁が一切無いので接着が固まる前に側面をつまんで持ち上げたりすると崩壊してしまうので注意。
艦尾の両側面にある穴から覗く内側部分を先に塗っておきます。
艦首と艦尾の甲板を接着し、輪ゴムで止めて乾燥待ちのところ。艦橋の両サイドあたりに大きく隙間が開く部分があり、ここはどうしたもんだろう?結局そのままにしてあります。
エッチングパーツにメタルプライマーを塗っておきます。臭い。
甲板のディテールはエッチングパーツに置き換えられるので、塗装の邪魔だし削ってしまった方が都合が良いです。
カッターでカンナ削りすれば簡単に削り落とせますが、落としたところが溝になりやすいです。まあエッチングパーツ貼っちゃえば隠れるのですけれど。
海鷹の飛行甲板は他所の作例では軍艦色1あたりで塗っているものが多いですが、木板貼りにしている作例も多いです。ただどこからどこまで木板貼りでどこまでが鉄板なのかは作例によってまちまち。なので全部!44タンでスプレー吹き。
エナメルフラットアースで木板貼りっぽく模様を書き込みます。といっても年輪が1/700スケールで見えるわけないので、パネル貼りされてる板一枚一枚の色が違うみたいにイメージします。あくまでも雰囲気よ雰囲気。リアルだったら木甲板シール買ってきた方が早い・・・
エッチング艦橋を接着。ゼリー状瞬間がチューブごと固まっててダメになってたので普通のアロンアルフアでやっていますがやはり作業性はゼリー状のが良い。
他所の作例で上にはみ出ると聞いていたのですが何もせず普通に取り付ければ特に面倒はありませんでした。飛行甲板もフジミ龍驤みたいに苦戦したりも無く、普通にピッタリ載ります。
全部、とはいってもエレベーターまで貼ってないだろう、という事で塗り分けはこんな感じに。戦争末期頃の日本空母は緑系の迷彩塗装が施されており、おそらくこの海鷹もそうだったと思われます。あちらもいずれやってみなければ・・・
白線や後端の紅白縞はデカールが付属しないので自分で塗る必要があります。前端側の放射状のラインや後部エレベーター前のサークルはさすがに無理だったので単純に3本線。紅白縞はマスキングに失敗したので結局フリーハンド。
船体全体を32軍艦色で塗り、艦底パーツの側面に出ている部分を29艦底色で塗ります。側面だけ。
船体側面の段を取り付けます。
エッチング手摺とエッチングボートダビットはどっちを先にやるか迷うところですが、エッチングのボートダビットは高さ方向に大きすぎて上の段と干渉するためオミットしてプラパーツの方を使い、カッターの取り付くところは半分ほどの長さに切ってカッターとエッチング手摺の干渉を回避しています。スマートにキレイに形作るならば、段に開いているボートダビットの取り付け穴をもっと舷側に開け直してエッチングボートダビットも少し短く切り詰め、カッターを手摺りの外側に吊るすように位置調整するのが良いでしょう。
手摺りは糊しろを曲げずに外側に露出させています。(見栄えはともかくこの方が付けやすかったし・・・)
さてマストの載る台を1ヵ所うっかりランナーごと捨ててしまっていました。どうしよう。
ランナーのタグ部分を切り取って説明書のパーツ図を見ながら同じような形に切り出して代用しました。
マスト以外のパーツが全て取り付きました。
マストはプラパーツを加工する必要があり、また糊しろも非常に狭いので接着後は何かに引っ掛けたりするとあっさり曲がったり取れたりするので細心の注意を払う必要があります。
ここまできたら後は飛行甲板を載せて接着するだけ。
マストを立てた状態で飛行甲板に飛行機が居るのは不自然じゃね?と思い、ドウシヨッカナーと思うも、付属の艦載機はこんななので潔くオミットしてしまいます。説明書では零式艦戦と九七式艦攻だけ使用して天山と九九艦爆は使用しません、とありますが、どれがどれなのか番号すら書いてありません。楕円翼の①が九九艦爆、小さい④が零式艦戦なのは分かりますが、②と③は見分けが付かん・・・機首下に出っ張りのある③が九七式艦攻?じゃあ残った②が天山か。
ディテールが少な目でエナメルフラットブラックでスミ入れしてもあまり密度感が出ないのでエナメルジャーマングレーでぶっかけウォッシングして完成。
小さいけど形は空母空母しているし、色で日本空母アピールもしています。これ全部グレーだったらアメリカの護衛空母みたいになっちゃうのでは。
空母とはいっても船体の形状が商船チックなので特徴はあります。
そうそう艦首の菊花章はパーツが付属しないので静模のディテールアップパーツWから流用。大きい方は使わない艦が多いので大抵余ってるハズ。
各部を観察。海鷹はアイランド型艦橋を持たない平甲板で、艦橋は艦首側の飛行甲板の下にあります。
飛行甲板の脇には多数の九六式25mm三連装機銃が設置されています。キットには単装機銃も多く用意されていますが、設置位置に取り付け穴っぽいのだけあって説明書では一切取り付け指示が無いので、好みで設置すると良いのでしょう。
艦後半左右舷には計4基の40口径八九式12.7cm連装高角砲があります。あるぜんちな丸時代のミッドウェー海戦での報告書に「7.7mm機銃なんかじゃ全然役に立たなかったからせめて射程4~5000mの対空兵装付けてほしい」みたいな記録があったとか。
艦尾。艦載艇置き場となっており、13m特型運荷船(中発)2艘と12m内火艇1艘、12m内火ランチ1艘が置かれています。
右舷に回り艦尾。艦載艇置き場の一層下にプロムナードデッキと呼ばれる通路があるのが特徴的。海鷹は対潜兵器として手動爆雷投下台を設置しているようなのですが、ここから投下していたのでしょうか?
右舷の中央部には下を向いた煙突が突き出ており、それより後方の高角砲と機銃は排煙避けなのか覆いが付いたタイプになっています。あるぜんちな丸時代は16500馬力のディーゼル機関でしたがこの時代の日本艦のディーゼル機関はトラブルが多く、空母改装時に陽炎型駆逐艦用の蒸気タービン機関(52000馬力)に換装されています。
右舷前方。ここのマストはメインマストで、他より少し大きいものが立っています。
上に上がって飛行甲板前半。エレベーターの前にあるのは電探のフタで、21号電探が格納されています。
説明書で取り付け指示が無かったため取り付けてないのですが、海鷹は竣工時から右舷中央と左舷前側のマストに計2基の13号電探が装備されていたようです。パーツはあって、エッチングパーツもあるのですが・・・
飛行甲板後半。左右に突き出ている構造物は着艦標識。着艦する艦載機に着艦指示灯などで誘導するためのもの。
飛行甲板は全長160m幅23mで、小さいとはいっても龍驤とほぼ同じ大きさ。そりゃ赤城の250m×30mなんかに較べたら非常にミニマムなのですが。
空母鳳翔と。この鳳翔は1939年時でまだ飛行甲板が延長されていない頃ですが、寸法的には海鷹とかなり近いです。
並ぶと飛行甲板の高さの違いが目立ちます。
同じく客船から改装された特設航空母艦である隼鷹と。遠近感で多少和らいでいますがかなり大きさに差があります。
飛行甲板の高さはほぼ同じくらい。隼鷹の方が空母として完成した時期は早いですが、大きな島型艦橋を貫いて上方に抜け外側に傾けられた煙突などモダンな作りになっている隼鷹に対し、海鷹はオーソドックスに作られている印象。
峯風型駆逐艦・夕風と。ぶっちゃけると何で海鷹?というとこれと並べたかった。何となく。
夕風は練習空母として瀬戸内海で活動していた鳳翔に随伴してトンボ釣り(着艦に失敗した練習機の救助)を行っており、1945年前半に鳳翔が呉に留まるようになると替わって練習空母となった海鷹の随伴艦として活動しました。
前述のように海鷹に終戦まで付き添い、海鷹が擱座した後もその周辺で対空戦闘などを行っていました。
@@@
練習用に小さい空母を、という向きには全く向いていない微妙なキットです。小さめな空母のキットはアオシマの大鷹型は古いキットだし、フジミの鳳翔や龍驤も面倒臭いキットなので、練習用というならもうちょっと大きい空母にした方が良いでしょう。物好きな方に。
〇鷹は色々あってどれがどれやら・・・という人も多いかもしれません。〇鷹シリーズは大体が戦時には海軍が徴用して空母に改装する前提で政府が助成金を出して建造させた民間の客船をベースに予定通り空母へと改装された特設航空母艦です。大型の飛鷹型(全長約220m)から神鷹(約200m)、大鷹型(180m)と小さくなってゆき、この海鷹はその中でも167mと最も小さい空母となっています。
海鷹はあるぜんちな丸級貨客船「あるぜんちな丸」として1939年5月に竣工し、処女航海として西回りでの世界一周の最中に第二次世界大戦が勃発、しばらくは客船として運行するものの1941年9月には日本海軍に徴用されて輸送任務に従事します。1942年にはミッドウェー海戦やキスカ島への兵員輸送などいくつかの輸送任務に従事した後1942年12月に海軍に買収され空母への改装が行われます。
1943年11月に空母海鷹として改装が完了しますが、小型低速なため多数の艦上機を発進させられず専ら船団護衛に従事します。1944年2月から日本本土と台湾やシンガポールとの往復する輸送船団の護衛を行い、連合国によって航路の制海権が失われる1945年4月頃からは別府湾で訓練目標艦として活動、7月24日に四国佐多岬沖で触雷し航行不能となり、随伴の駆逐艦「夕風」に曳航されて別府湾内の日出海岸に移動するもそこで空襲により大破擱座、28日には放棄されそのまま終戦を迎えます。
このキットはエッチングパーツが付属します。プラパーツとの置き換えではなく使用が必須なのでキット自体は上級者向けとなります。
付属の艦載機の塗装図は箱横に横から見た図があるのみなので正確にはググるなりして自分で調べる必要があります。
ボリュームは空母としてはさほど多くありません。
説明書。塗装指示が投げやりで非常に不親切。ただしこのキットが初めてだとかそんな事でもない限りは大体ここはこんな感じ・・・という常識が出来上がってると思うので、それに則って、やりたいようにやれば良いかと思います。あとはネットで調べればまあ何とか・・・と言いたいところですが、マイナー艦なのであまり多くの情報は落ちていません。
主要パーツ群。このキットは今の特シリーズのイメージとは少し違った雰囲気で、超絶ディテールでリメイク!というのではなく、まだ出てないやつをとりあえず出したという印象。
線引きは金剛1944(特-23)あたりで、海鷹は特-18とそれよりも前。ディテールは全体的に雑ではないけれど特シリーズにしてはあっさりめ。特シリーズの三連装機銃なんかは特徴的な形状をしているのですがこのキットに付属のものは静模のディテールアップパーツのものに少し似ています。
付属の艦載機は4種4機ずつ。ただこのランナーは静模のものに似ていますがディテール面では完全に負けており、昔からあるやつを透明成型色にしただけかもしれません。
エッチングパーツ。艦橋、煙突出口の網、両舷着艦標識など。ステンレス製です。
デカールは艦載機に貼る日の丸マーク。旗などはありません。
オプション品のエッチングパーツも用意しました。ただしステンレス製で手摺の糊しろを見るに名取や那珂みたいな古いキットに豪華版としてセットで付属するやつと同種のもの。最近の金色な真鍮製のやつほど詳細ではありません。
説明書も然り。エレベーターとかいらないから手摺りとラッタルがもっと欲しい印象。その辺は別売りされているのでそっち買えばいいのですが。
それでは製作開始。説明書では側面に取り付く段に小パーツを取り付けるところからになっていますが船体から始めてしまいます。左右と艦底に分割されています。艦底はウォーターラインシリーズみたいに側面に露出するタイプ。
船体左右を内側で補強する梁が一切無いので接着が固まる前に側面をつまんで持ち上げたりすると崩壊してしまうので注意。
艦尾の両側面にある穴から覗く内側部分を先に塗っておきます。
艦首と艦尾の甲板を接着し、輪ゴムで止めて乾燥待ちのところ。艦橋の両サイドあたりに大きく隙間が開く部分があり、ここはどうしたもんだろう?結局そのままにしてあります。
エッチングパーツにメタルプライマーを塗っておきます。臭い。
甲板のディテールはエッチングパーツに置き換えられるので、塗装の邪魔だし削ってしまった方が都合が良いです。
カッターでカンナ削りすれば簡単に削り落とせますが、落としたところが溝になりやすいです。まあエッチングパーツ貼っちゃえば隠れるのですけれど。
海鷹の飛行甲板は他所の作例では軍艦色1あたりで塗っているものが多いですが、木板貼りにしている作例も多いです。ただどこからどこまで木板貼りでどこまでが鉄板なのかは作例によってまちまち。なので全部!44タンでスプレー吹き。
エナメルフラットアースで木板貼りっぽく模様を書き込みます。といっても年輪が1/700スケールで見えるわけないので、パネル貼りされてる板一枚一枚の色が違うみたいにイメージします。あくまでも雰囲気よ雰囲気。リアルだったら木甲板シール買ってきた方が早い・・・
エッチング艦橋を接着。ゼリー状瞬間がチューブごと固まっててダメになってたので普通のアロンアルフアでやっていますがやはり作業性はゼリー状のが良い。
他所の作例で上にはみ出ると聞いていたのですが何もせず普通に取り付ければ特に面倒はありませんでした。飛行甲板もフジミ龍驤みたいに苦戦したりも無く、普通にピッタリ載ります。
全部、とはいってもエレベーターまで貼ってないだろう、という事で塗り分けはこんな感じに。戦争末期頃の日本空母は緑系の迷彩塗装が施されており、おそらくこの海鷹もそうだったと思われます。あちらもいずれやってみなければ・・・
白線や後端の紅白縞はデカールが付属しないので自分で塗る必要があります。前端側の放射状のラインや後部エレベーター前のサークルはさすがに無理だったので単純に3本線。紅白縞はマスキングに失敗したので結局フリーハンド。
船体全体を32軍艦色で塗り、艦底パーツの側面に出ている部分を29艦底色で塗ります。側面だけ。
船体側面の段を取り付けます。
エッチング手摺とエッチングボートダビットはどっちを先にやるか迷うところですが、エッチングのボートダビットは高さ方向に大きすぎて上の段と干渉するためオミットしてプラパーツの方を使い、カッターの取り付くところは半分ほどの長さに切ってカッターとエッチング手摺の干渉を回避しています。スマートにキレイに形作るならば、段に開いているボートダビットの取り付け穴をもっと舷側に開け直してエッチングボートダビットも少し短く切り詰め、カッターを手摺りの外側に吊るすように位置調整するのが良いでしょう。
手摺りは糊しろを曲げずに外側に露出させています。(見栄えはともかくこの方が付けやすかったし・・・)
さてマストの載る台を1ヵ所うっかりランナーごと捨ててしまっていました。どうしよう。
ランナーのタグ部分を切り取って説明書のパーツ図を見ながら同じような形に切り出して代用しました。
マスト以外のパーツが全て取り付きました。
マストはプラパーツを加工する必要があり、また糊しろも非常に狭いので接着後は何かに引っ掛けたりするとあっさり曲がったり取れたりするので細心の注意を払う必要があります。
ここまできたら後は飛行甲板を載せて接着するだけ。
マストを立てた状態で飛行甲板に飛行機が居るのは不自然じゃね?と思い、ドウシヨッカナーと思うも、付属の艦載機はこんななので潔くオミットしてしまいます。説明書では零式艦戦と九七式艦攻だけ使用して天山と九九艦爆は使用しません、とありますが、どれがどれなのか番号すら書いてありません。楕円翼の①が九九艦爆、小さい④が零式艦戦なのは分かりますが、②と③は見分けが付かん・・・機首下に出っ張りのある③が九七式艦攻?じゃあ残った②が天山か。
ディテールが少な目でエナメルフラットブラックでスミ入れしてもあまり密度感が出ないのでエナメルジャーマングレーでぶっかけウォッシングして完成。
小さいけど形は空母空母しているし、色で日本空母アピールもしています。これ全部グレーだったらアメリカの護衛空母みたいになっちゃうのでは。
空母とはいっても船体の形状が商船チックなので特徴はあります。
そうそう艦首の菊花章はパーツが付属しないので静模のディテールアップパーツWから流用。大きい方は使わない艦が多いので大抵余ってるハズ。
各部を観察。海鷹はアイランド型艦橋を持たない平甲板で、艦橋は艦首側の飛行甲板の下にあります。
飛行甲板の脇には多数の九六式25mm三連装機銃が設置されています。キットには単装機銃も多く用意されていますが、設置位置に取り付け穴っぽいのだけあって説明書では一切取り付け指示が無いので、好みで設置すると良いのでしょう。
艦後半左右舷には計4基の40口径八九式12.7cm連装高角砲があります。あるぜんちな丸時代のミッドウェー海戦での報告書に「7.7mm機銃なんかじゃ全然役に立たなかったからせめて射程4~5000mの対空兵装付けてほしい」みたいな記録があったとか。
艦尾。艦載艇置き場となっており、13m特型運荷船(中発)2艘と12m内火艇1艘、12m内火ランチ1艘が置かれています。
右舷に回り艦尾。艦載艇置き場の一層下にプロムナードデッキと呼ばれる通路があるのが特徴的。海鷹は対潜兵器として手動爆雷投下台を設置しているようなのですが、ここから投下していたのでしょうか?
右舷の中央部には下を向いた煙突が突き出ており、それより後方の高角砲と機銃は排煙避けなのか覆いが付いたタイプになっています。あるぜんちな丸時代は16500馬力のディーゼル機関でしたがこの時代の日本艦のディーゼル機関はトラブルが多く、空母改装時に陽炎型駆逐艦用の蒸気タービン機関(52000馬力)に換装されています。
右舷前方。ここのマストはメインマストで、他より少し大きいものが立っています。
上に上がって飛行甲板前半。エレベーターの前にあるのは電探のフタで、21号電探が格納されています。
説明書で取り付け指示が無かったため取り付けてないのですが、海鷹は竣工時から右舷中央と左舷前側のマストに計2基の13号電探が装備されていたようです。パーツはあって、エッチングパーツもあるのですが・・・
飛行甲板後半。左右に突き出ている構造物は着艦標識。着艦する艦載機に着艦指示灯などで誘導するためのもの。
飛行甲板は全長160m幅23mで、小さいとはいっても龍驤とほぼ同じ大きさ。そりゃ赤城の250m×30mなんかに較べたら非常にミニマムなのですが。
空母鳳翔と。この鳳翔は1939年時でまだ飛行甲板が延長されていない頃ですが、寸法的には海鷹とかなり近いです。
並ぶと飛行甲板の高さの違いが目立ちます。
同じく客船から改装された特設航空母艦である隼鷹と。遠近感で多少和らいでいますがかなり大きさに差があります。
飛行甲板の高さはほぼ同じくらい。隼鷹の方が空母として完成した時期は早いですが、大きな島型艦橋を貫いて上方に抜け外側に傾けられた煙突などモダンな作りになっている隼鷹に対し、海鷹はオーソドックスに作られている印象。
峯風型駆逐艦・夕風と。ぶっちゃけると何で海鷹?というとこれと並べたかった。何となく。
夕風は練習空母として瀬戸内海で活動していた鳳翔に随伴してトンボ釣り(着艦に失敗した練習機の救助)を行っており、1945年前半に鳳翔が呉に留まるようになると替わって練習空母となった海鷹の随伴艦として活動しました。
前述のように海鷹に終戦まで付き添い、海鷹が擱座した後もその周辺で対空戦闘などを行っていました。
@@@
練習用に小さい空母を、という向きには全く向いていない微妙なキットです。小さめな空母のキットはアオシマの大鷹型は古いキットだし、フジミの鳳翔や龍驤も面倒臭いキットなので、練習用というならもうちょっと大きい空母にした方が良いでしょう。物好きな方に。