~趣味の世界~
フジミ1/700特シリーズの重巡洋艦利根です。


フジミの利根は特-30のこのレイテ1944年10月仕様の他、特-44の1945年最終仕様、古いシーウェイモデルシリーズSW-6があります。


特シリーズなのでパーツ点数が多く、作り応えはあるものの軽く形にしたい向きにはちょっとウンザリしちゃう量。しかもフジミの場合ディテールアップパーツなども無いので余りパーツもほとんど出ません。ボートダビッドや2・3連装機銃くらいは予備がありますが大量に取り付ける単装機銃は予備が1個しかないので失敗しないよう注意。








説明書。でかくて長いので4分割。WLの艦船キットはたいてい艦橋を先に作ってから船体に載せていく順序が多いですがこれは船体を組んでから前後甲板の小物をビッチリ取り付けた後で艦橋周辺パーツを配置し、出来上がったスペースに艦橋や煙突などの大きな構造物を差し込むような流れになっています。「大まかな形を作ってから小物を細々と配置する」というようないつもの流れとは違い中々思った形になりませんが焦りは禁物。


説明書には読む要素がありませんが代わりに箱横に。
利根は戦間期に建造された利根型重巡洋艦の1番艦。姉妹艦に2番艦の筑摩があります。日本海軍の重巡洋艦としては最後の型であり、これより後に計画された伊吹型重巡洋艦は利根型の前級である最上型の改良型である鈴谷をベースに戦時急造したもので改鈴谷型とも呼ばれますが、完成には至りませんでした。利根型重巡洋艦は索敵用の水上機の運用に重きをおいた設計で、主砲を艦の前半に集中させ、艦後半を水上機の運用のための構造物が占めるものの、水上機係止用の甲板には構造上段差とスロープがあるというやや未完成感が漂う形には、開戦後の損傷修理のついでに航空巡洋艦に改装された最上への繋がりを感じます。


パーツは細かく袋詰めされているので開けるのは結構面倒。特に上写真の右半分のパーツ群はランナー枚数が多くそれぞれが小さいのでまとまりがありませんが、その小さなランナーにつながるパーツはトラス形状を1パーツで抜いていたり、あらゆる面にモールドが刻まれていたりと執念のようなものを感じます。


ここだけちょっとバリが目立ちました。重箱の隅をつつくレベルですが・・・


甲板上は塗り分けがメンドそうなモールドが多いですが、フジミ特は油断してるとこれらを全部別パーツにしたりとかするのでこれはこれでよし。鳳翔の格納庫周辺通路上の配置物とか見えないところなのに全部別パーツだったりしますから・・・


それでは製作開始。
バラストは2枚重ねて艦底パーツに取り付け、船体パーツと貼り合わせます。


船体パーツの上に前後の甲板パーツを載せますが、その前に説明書の指示通りに単装機銃などの取り付け穴をピンバイスであけておきます。裏側にはあらかじめ小穴がありますが、一番小さいピンバイスの直径より小さい穴なものの、表側に取り付ける単装機銃などは台座があり穴の大きさは多少大きくても隠れるので安心してブスブス穴を開けてゆきましょう。


一段高くなっている中央甲板は側面にある魚雷の出口である横穴が大きく、中もよく見えるので先に内側を塗装しておきましょうか。


穴から見える範囲だけで十分。魚雷発射管も取り付けます。


甲板を3枚とも接着したらリノリウム色を塗ります。説明書だと中央甲板の後半の塗り分けが不明瞭ですが、リノリウム色部分には横方向に走る線状のモールドがあるのでその部分が目安。


軍艦色(2)で塗り分けます。ググったところ他所の作例では甲板全体と艦橋の床部分を全部リノリウム色に塗っていたりもしますが、考証的にあまりはっきりしていない部分なので好みでよいでしょう。説明書だと艦橋の透明窓がある段の床がリノリウム色の指示になっていますが、該当部分は鉄板モールドになっているので何かなぁ・・・と思ったのでウチでは甲板上のリノリウム押さえモールドがある部分のみ43ウッドブラウンに色々混ぜたもので塗っています。


パーツをチマチマと載せてゆきます。単装機銃はランナーから切り離す時に台座との間で折れやすいので、一方をニッパーで切り込んでからランナーごと切り離した方が安全かも。船体を持つ時は甲板上に配置した小物をうっかり掴んじゃわないように注意。あちこちにある階段のパーツが細かくて配置もしづらく結構曲者。


水上機は零式三座水上偵察機が4機。透明パーツなので風防は塗らずにおくとよいでしょう(2つはうっかり緑で塗りつぶしてしまったので青で塗ってあります)


もうちょっと。重巡は甲板上がスカスカになりがちなので特シリーズのパーツ点数の多さが助かります。




いつも通りエナメルジャーマングレーでウォッシングして完成。



びっしり感がたまらん・・・エッチングパーツとかで更にびっしりさせるのも一興でしょうが、これでも十分。



ウォッシングはただぶっかけただけであまり凝った事はしていません。煙突の後ろ辺りの甲板上とか、筆の入らない位置がいくつかありました・・・



各部を見てゆきましょう。艦橋前の長い甲板上には50口径三年式20.3cm連装砲塔が4基あり、2番砲塔だけ高い位置に上げられています。前級である最上型までは後部と合わせ5基の砲塔がありましたが、後部甲板の砲塔からの射撃による爆風で同じく後部甲板上にある水上機が破損する事案が度々あったため後部甲板を広く使う意味も含め、砲塔を前部甲板に集中させているのが利根型の一番の特徴。


艦橋付近。妙高型あたりと比べ艦橋以後の一段高くなっている部分は4番砲塔1基分後ろ側へズレているため、艦橋の位置は艦全長のほぼ中央に存在します。


煙突周囲。そこかしこに対空機銃が配置されています。目を引くには舷側に張り出す2つの砲塔。これは40口径八九式12.7cm連装高角砲を防盾で囲ったもの。軽巡の14cm単装砲塔のように後方は開いています。


後部マスト周辺。マストには特徴的な13号電探(全面のハシゴ状のもの)が装備されています。マスト後方の甲板はカタパルトや水上機が移動するためのレールなどがあるフライングデッキとなっています。


艦尾。フライングデッキと艦尾甲板は段差があり、その間にはスロープがあります。開戦後に航空巡洋艦に改装された最上ではここが真っ平になっており、更に洗練されます。(伊勢型航空戦艦では逆に1段高くなっていますが・・・)


右舷側へ。板きれが付いていますが何でしょうねコレ。他所の作例だと左側にあったり・・・


再びフライングデッキ。1機斜めになっていますが、水上機を載せる台が1個斜めに配置するようになっていて、間違えてその上に水上機を載せてしまいました。説明書だと左側にあるもう一方のまっすぐ向いている台の上と、右側のカタパルト状に水上機を置くようになっています。


煙突付近やや上空から。煙突はグリル状になっていて中が見えたりとちょっと凝っていますが、実物の写真だとこのグリルは手すり並に細くてほとんど見えないのです・・・でもこれはこれで好き。


艦橋を後方から。艦橋の窓は透明パーツなので後ろ側から見ると前が透けています。


前部甲板。単装機銃がそこかしこに生えており、1944年仕様が一番多くて1945年仕様だとちょっとだけ減ります。




妙高型重巡洋艦の足柄と。えーと、スカスカ気味な方が足柄。全長はほぼ同じです。


足柄の艦尾は利根と並ぶと特にスカスカに見えます・・・


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中々楽しめた良キットでした。利根型重巡洋艦に興味が出たらどうぞ。



これもダイソーで買ったディスプレイケース。重巡が2隻入りますがもういっぱいいっぱい。戦艦は入るかどうか微妙なところ。ああ大和とかデカイのは無理です。220mくらいの艦が限度かな?





ピットロード1/700スカイウェーブシリーズの駆逐艦不知火(しらぬい)です。


不知火は陽炎型駆逐艦の2番艦。軍縮条約によって主力駆逐艦であった特型駆逐艦の保有数を制限されてしまった日本海軍がその後建造した初春型や白露型のように小型の船体に重武装という方向に限界を感じ、条約破棄とともに改めて重武装に見合った船体に作りなおした朝潮型の改良型といえるものが陽炎型駆逐艦です。


このキットはただでさえ詳細で緻密なピットロードのキットにディテールアップパーツやエッチングパーツを付属させた豪華版。通常キットだと箱の大きさの割に中身がちんまりスカスカしているピットロードのキットも、山盛りのパーツで箱の大きさ相応の内容が詰まっています。


カラー印刷の塗装指示。見ての通り、このキットはフルハルモデル(ウォーターラインモデルと違い、船体の水線下も形作られているもの)。フルハルとはFull Hull、Hullとは船体で、船体全部ちゃんとあるという意味。タミヤカラーにも艦底色として「ハルレッド」というのがありますね。

 
説明書。黒い四角に白抜き文字のパーツ番号はディテールアップパーツで、主パーツ群にも似た形(というかディテールアップじゃない方)のパーツもあるのでしっかり確認しながら組み必要があります。といっても、ディテールアップパーツは好みにもよるところがあるものなので必ずしも指示通りに組む必要はありません。キットの基礎部分は比較的シンプルにまとまっています。


パーツ群。立て掛けているランナーの内左右が基礎パーツで、この2枚だけでも形にはなります。中央はフルハル仕様にするパーツ、寝かせているランナーとその右の小袋がディテールアップパーツ、さらに右に立て掛けているのがエッチングパーツ、その手前がデカール。バラストは付属しません。


ディテールアップパーツは執念ともいえるモールドの細かさと、スケール準拠に近い正確なサイズのパーツ。普通こういう小スケールキットでは小さすぎるパーツは作りやすさと迫力を考え少し大きめにされているものなので、「リアルさ」を求めるならこれが正しいものの、代償として「パーツが小さすぎて作りにくい!」「何かパーツが小さくて迫力無いなぁ・・・」と感じる人もいるでしょう。特に砲や機銃といった武装、電探などの目立つパーツは小さいと貧相に見えがち。なので使用は「好み」によって使い分けると良いでしょう。船体側ともうまく噛み合っていない部分も多いので。


小袋には50口径三年式12.7cm連装砲塔(C型砲架)が3個と爆雷装填台が2個。爆雷装填台は説明書と形が違うので戸惑いますがNE05-28がこれ。1個だけ使用しますが、エッチングパーツを使う場合これは使用しません。形はこれが一番貧相・・・


基礎パーツ群のディテールも非常に緻密で、ディテールアップパーツなんて要るのかいな・・・という感じではあります。

 
エッチングパーツと説明書。フジミのキットに付属するような生易しい仕様ではなく、接着しろが無かったり、頭おかしいレベルのパーツの大きさのものがあったりと、かなり上級者向け。また、プラパーツと置き換えであったり、プラパーツを配置後では取り付けが不可能なものがあったりするので注意が必要です。例としては艦橋後部渡り板などは艦橋の2段目以上とマストを組んでしまうと取り付ける事が出来なくなります(なりました)。ディテールアップパーツにはすでについているモールドをエッチングパーツで基礎パーツに取り付ける指示もあるため、かなり混乱します。このキット、初回だとどれがどれの置き換えか、順序その他サッパリ分からないので一個組んですぐもう一個組むくらいしないと付属パーツを生かしきれないような気が・・・



とりあえず組み始めてみましょう。艦首上面をサッサと船体に接着。


カラー塗装指示書だと喫水線より一段厚みがあるように見えるのでウォータライン仕様にする艦底パーツをフルハル仕様の艦底パーツの間に挟んでみますが、微妙に前後に段差が出来るので挟まないのが正解のようです。この辺、説明書の記述も少し紛らわしい。


挟まなければピッタリ決まります。ただ、フルハルモデルを組むのは初めてなので「こんなもん」の閾(しきい)値がよくわからん・・・


接着は流し込みタイプを使わないと作業になりません・・・フルハル仕様のランナーは陽炎型の前後の仕様、朝潮型や夕雲型と共通なのかスクリューの軸や舵の形が違うものも入っているのでよく確認して切り出しましょう。スクリューの羽は∴のようにしてしっかりと取り付けておくと台座が無くても安定して置く事ができますが、接着が完全に固まるまではスクリューのペラが斜めになりやすいので触らないように注意。


船体中央下部の左右にヒレが付きますがここは置いた時の安定には寄与しません。ディスプレイ台に載せた時もガッチリとは載らないのでスクリューの羽左右と船体腹部の3点支持が一番安定します。


ディスプレイ台。台の上面と船体の形状が合っておらず、台に載せている時はロール方向にグラグラするので台の上面のカーブを船体に合わせて削ってやると良いでしょう。


リノリウム色(43ウッドブラウンに色々混色)、本体(32軍艦色2)、艦底(29艦底色)を塗りました。スクリューの軸と羽は9ゴールド。



2週間ほど放置した後、甲板上の艤装を載せてゆきます(エッチングパーツに置き換え忘れつつ・・・)。さて魚雷発射管や砲塔はディテールアップパーツを使用すると基部の位置も形状も合いません・・・


砲塔は基礎パーツ群の方のが大きくて好みかなぁ・・・でも、うーん・・・


2番砲塔は高い位置にあり、基礎パーツの方の砲塔だと裏側の肉抜きが見えるので結局ディテールアップパーツの方を使う事にします。ただし生えてるピンは船体側と形状が合わないので切り飛ばして面接着。


25mm連装機銃はエッチングパーツを。上写真はかなり拡大していますが、印象としては夏場に血を吸いにくる蚊みたいな感じ。エッチングパーツは結局これしか使いませんでした。


4連装魚雷発射管はピンを切り飛ばし、船体側の基部に0.5mmプラ板を貼って平らにしたところへ適宜な位置に接着。ディテールアップパーツの魚雷発射管は下面も形造られているので捨てがたい。


ボートダビットは船体側と形状や位置が上手く合わず苦戦。ちょっと不格好になっちゃった。艦橋左右のボートダビットはディテールアップパーツのものも基礎パーツのものも形状は基部以外ほとんど変わらないので船体との合いの良い基礎パーツの方がいいかも。


太平洋戦争の最中は消されていたという艦名や番号ですが、戦争末期の仕様に近代化改装されていようとこれは記しておきたい感じ・・・そう、これはジオラマじゃなくコレクションなのだから。




いつも通りエナメルジャーマングレーでウォッシングして完成。折角のパーツを使いきれず残念・・・



陽炎型というのは日本海軍の駆逐艦の中でもコンベンショナルな仕様の艦であり、あまり強烈な個性は放ってはいません。無難に作りつつも高い要求性能を満たしきれなかった朝潮型、改良により要求性能を満たしたものの艦ごとに性能がバラついてる陽炎型、さらに改良してバラつきを抑えた夕雲型・・・という印象です。また、艦隊決戦に固執する日本海軍らしく砲雷撃戦寄りで、押し寄せる航空部隊に対処する対空能力、忍び寄る潜水艦に対処する対潜能力が不足しており、戦争の中で爆撃や潜水艦からの雷撃などによって次々と失われてゆく事となりました。19隻建造された陽炎型のうち、終戦まで生き残ったのは雪風のみでした。



不知火もまたキスカ島沖において潜水艦グロウラーの雷撃で艦橋付近から前を失うほどの損傷を受け、修理後は護衛任務を粛々とこなしますが最後はレイテ沖海戦の後、軽巡鬼怒の救助に向かうものの発見できず帰投するところを米空母航空隊の爆撃を受け沈没してしまいます。


艦首から。砲塔は50口径三年式12.7mm連装砲塔。これは「C型」で、基本となる吹雪型のA型を75度高角対応としたB型が大重量な上に装填の度に水平に戻さなければならないため折角の高角が役に立たない事から、55度に戻し軽量化したもの。


船体中央部。白露型から装備され始めた九二式四連装魚雷発射管が後部煙突の前後にあります。その前後にある箱状のものは再装填装置で、ここから発射管に次弾が装填されます。後部煙突の前面左右の台には九六式25mm連装機銃が載っています。機銃はここにしかなく、電探も取り付け指示がなかった(22号電探などパーツは付属する)のでおそらく新造時状態かと思われます。


船体後部。2・3番砲塔が高低に並びます。2番砲塔(1段上になっている方)は後に撤去され25mm三連装機銃が追加されていたようです。


艦尾。


3番砲塔の先には特徴的な形状のY砲(九四式爆雷投射機)と爆雷装填台(爆雷投射機と隣接した箱)があります。艦尾左右上に立っているものはパラベーンと呼ばれる掃海具で、これを海に落としてワイヤーで曳航し、機雷にぶつけて爆破するもの。これは後に撤去されてこの場所には爆雷投下軌条が装備されました。


船体中部右舷側。後部煙突の後ろにある探照灯が載っている台や、前部煙突の左右から出ているスキッドビームは接着した後でエッチングパーツがある事に気付く始末・・・


艦橋を後方から。艦橋も本来エッチングパーツまみれになるところなのですが、気づいた時にはエッチングパーツ取り付け位置が手の入らない位置だった事、エッチングパーツ自体も細かすぎて私のスキルでは工作が無理だと判断して省略してしまいました。


特Ⅰ型吹雪と。サイズ的にはほぼ同じ。この吹雪もリノリウム色を塗って無かったりともう一度やりたいところですね。


奥から睦月型の長月、不知火、手前が初春型の子の日。


全長がわかりやすいカット。左から長月、吹雪、子の日、不知火、秋月、松。


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何か自信を打ち砕かれるキットでした。基礎パーツだけのキットなら難易度も高くないのですが、ピットロードの不知火はググってみてもこの山盛りなSPW14しか流通してない感じ。キットの全てを出し切るには相当な気合いが要るでしょう・・・



ダイソーで丁度良いディスプレイケースを見つけたので買ってみました。サイズ的に秋月がギリギリなので駆逐艦専用ですが、重ねられるのでスペース効率に優れます。ホコリ対策にも良し。




タミヤ1/700ウォーターラインシリーズの軽巡洋艦矢矧(やはぎ)です。


矢矧は太平洋戦争開戦後に竣工した帝国海軍の軽巡洋艦としては最後の型となる阿賀野型軽巡洋艦の3番艦。帝国海軍の軽巡洋艦は大正期の川内型以来長く建造されておらず旧式艦ばかりだったため、太平洋戦争開戦前の1939年のマル4計画(戦艦大和や空母大鳳などもこの計画による建造です)により6隻の軽巡洋艦の建造が計画され、この内の4隻が阿賀野型軽巡洋艦、残り2隻が大淀型軽巡洋艦として建造が計画されました。
従来の5500t型軽巡洋艦よりも一回り大きいですが世界的な流れに沿うとかなり余裕の無い艦サイズであり、武装も最初から近代化されているものの20年の間に戦術も移り変わっており水雷戦を主な目的とする本艦も航空戦主体の時代ではやや時代遅れとなっていました。
竣工し就役した時期はすでに太平洋戦争の中盤を過ぎており、阿賀野型軽巡洋艦の1番艦阿賀野は早々に戦没、2番艦の能代もそこそこ頑張ったものの戦没、4番艦の酒匂に至っては就役が遅すぎて戦う機会無く無傷のまま終戦を迎えましたが、3番艦の矢矧は戦争の終盤の数々の戦場で活躍し、末期の坊ノ岬沖海戦で戦艦大和の最後を見届けつつ大量の砲弾と魚雷を浴びて沈みました。


とまあカッチョイイ経歴だけにそこそこメジャー艦ではあるのでウォーターラインシリーズのナンバリングもNo.63とそこそこ古く、ナンバー改定後のNo.315となっていますが内容的にはディテールアップパーツが追加されただけのもののようです。

 
説明書。ナンバー改定された時期である1994の年号が見えます。それですらもう20年も前なのですね・・・


メインパーツの袋を開封。船体パーツは甲板と一体ですが船体側面にもディテールが結構あって割としっかりしています。


艦底パーツに1972の数字が・・・40年以上前!


船首の甲板によくある鉄板ディテールは無くつるりとしていますが、まあアレはどちらかといえばオーバーディテールなので無くても別に・・・それより後ろの甲板上のディテールもリノリウム押さえの横方向のモールドが薄めでこれはこれでスケール準拠のリアルさといえるかもしれません。


さっそく艦底パーツを船体パーツと貼り合わせます。バラストは艦底パーツの上に置いて船体パーツと挟むだけで大体固定されます。ただ船体パーツは反っているので少し戻してやらないと不格好。セラミックヒーターの温風にあてて少しずつ戻してやりますが少し反り戻ってしまいました。あまり熱風に晒すとぐにゃぐにゃになり悲惨な事になるのでそっと、ちょっとずつ。やんわりと。


いつも通りに大まかな塗装をしたところ。リノリウム色(43ウッドブラウンに色々混ぜたもの)で甲板を塗り、他を32軍艦色2、艦底を29艦底色。他にはタン、つや消しの白と黒。水上機があるのでこれは上面を緑、下面を明灰白色で塗ります(ウチの場合は適当に似た色で、15暗緑色と11ガルグレー)。主要パーツのディテールはディテールアップパーツに負けていないレベルのもので、本当に72年製?って感じ。なのでディテールアップパーツからパーツを出すまでも無いのであちらは袋から出しませんでした。阿賀野型は搭載砲が独特なので流用出来ないのも理由にあります。


パーツ構成はシンプルで状態も良いのでサックリと組み進められます。注意点としては煙突の後ろにある水上機の駐機台となるフライングデッキを取り付けるとその下の空間に手が入らなくなるのでここは後にした方が良いのと、説明書だと最初の方に取り付け指示のある煙突側面に付く水上機のフロートが駐機台の取り付けの妨げになるのでこれも後に。それ以外は特に難しいところが無く、非常に組みやすいキットです。


フライングデッキを取り付ける前に甲板上のウォッシングをしておきます。いつも通りエナメルジャーマングレー。ここを後で取り付ける辺りは水上機母艦の千代田を思い起こされます・・・


フライングデッキを接着後、カタパルトを取り付け(差し込んで保持力があるなら接着しなくても可)、水上機も細かく塗装しておきます。水上機は零式三座水上偵察機。塗装はググって出た画像を参考にした方が早いでしょう。細かく塗る価値のある、非常に緻密なディテールの零式水偵です。




珍しく水上機を載せる台がカタパルト上にあるのでそこへ1機接着し、もう1機をフライングデッキへ置きます。
全体をウォッシングして完成。年内に間に合いました。



やはりそこそこ大きい艦はタミヤの底力を感じます。恐ろしいのは他メーカーが最近になってやっと追いついたレベルを70年代に繰り出しているところ・・・旧態依然とか慢心とかよく囁かれますが「作りやすさ」は今でもトップレベル。



目線を下して観察。軽巡洋艦ですが5500t型とはまた違った、重巡に近い印象のフォルム。

 
重巡と決定的に違うのは艦の幅でしょうか。この点では軽巡の細長さの範疇にあります。


艦首~艦橋。主砲は50口径四一式15cm砲。金剛型を国産化した際に一緒に持ち込まれた副砲の毘式15.2cm速射砲を連装にしたものなので実はあまり新しいものでは無い(毘式15.2cm砲の改良型が三年式14cm速射砲ですから・・・)のですが、ささやかな近代化として仰角は30度から55度に引き上げられていますが、人力装填砲であり、元々15.2cm砲弾が装填作業を行うには重すぎるということで14cmに軽減していたものをまた元に戻したのですから連射速度は毎分6発と平凡なものになっています。また装填出来る角度が決まっており、対空射撃時には装填の度に仰角7度まで戻さなければならないなど、実用面でも問題が残されていました。


砲は可動させられます。砲塔の旋回も差し込んだ時に保持力が得られればそのまま可動させられるでしょう(今回は1番砲塔だけ緩かったので接着してあります)。この砲塔は見た目が角ばっていてゴツいですが実は軽量化のためか装甲が破片防御程度しかなく、2番砲塔の射撃の衝撃で1番砲塔内の電灯が消えるなど、剛性にも問題があるものでした。2番砲塔に後ろには単装機銃が2基ありますが、矢矧の機銃は三連装10基&連装4基ともあり、また単装が10~20で防盾付きだったりと時期や考証の違いがありそうです。艦橋の前には三連装機銃が2基あります。


艦橋周辺。艦橋の左右舷にはこれまた独特な60口径九八式8cm連装高角砲があります。これは「長10cm」65口径九八式10cm連装高角砲の軽量小型版なのですが、長10cmの欠点(低威力・高コスト・砲身の寿命が短い)をそのまま引き継いでしまった失敗作で、阿賀野型のみの搭載兵装となっています。艦橋周辺には各種電探のアンテナが並び、艦橋上左右に1つずつの22号、その間に21号、その後方、マストに後ろ向きに13号の電探のアンテナが確認できます。


煙突より後方。煙突は甲板中部に邪魔臭そうに複数の筒状煙突が真っ直ぐ立っていた5500t型とは違い近代的な誘導煙突。そのため甲板中部を広く活用できるようになっているのがわかります。61cm4連装魚雷発射管を2基置いた上にフライングデッキを載せ、その後方に呉式二号五型射出機を設置しています。5500t型では無理やり置いたカタパルトの上に水上機1機を置くだけなので搭載数は1だったものがフライングデッキを設置する事で搭載数は2機に増えました。フライングデッキ上の四隅には九六式25mm3連装機銃が設置されています。


艦尾。後部マストの根元左右に3連装機銃、その後方に3番砲塔、さらにその後方には2基の3連装機銃が設置されています。さらにさらにその後方の左右に爆雷投下軌条があります。


サイズ比較。上から重巡足柄、以下軽巡の矢矧、名取、那珂、夕張、鹿島。全長は174.5mで200mオーバーの足柄と比べるとさすがに小さいですが重巡でも古鷹型や青葉型の185mと5500t型の162mとの中間的な全長となっています。


左から那珂、矢矧、足柄。幅は5500t型と大差ありません。甲板上の配置は重巡を彷彿とさせるものの艦形は軽巡の形を踏襲しています。ただ甲板上の配置の傾向に関しては甲板に段が多い形状は昭和初期までの艦全部に見られ、それ以降は平らな甲板になりつつあったので設計年次の違いによるものかもしれません。


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古いキットですがディテールはかなりのレベルにあり、組みやすさもあって初心者にもオススメできるものです。物足りないという向きにはエッチングパーツで補完かな?




アオシマ1/700ウォーターラインシリーズの駆逐艦秋月です。


また艦娘になってない艦ですが、まあいいじゃん。
秋月型駆逐艦は駆逐艦のメインストリームである特型~夕雲型とは別系譜の駆逐艦で、主として対空戦闘を主眼においたタイプ。元々太平洋戦争開戦の直前に旧来の天龍型や5500t型の軽巡を防空巡洋艦に改装する案があったものの、海軍があまり乗り気でなかった事、旧型艦の改装ではすぐに老朽化するなどの理由からお流れになった代わりとして建造されました。しかしその後結局は5500t型の長良型軽巡のうち五十鈴だけはこの案の通りに14cm単装砲を全て撤去して12.7cm連装高角砲に換装して防空巡洋艦にされています。


防空駆逐艦として建造された秋月型は多くの対空兵装を搭載する要求からそれまでの駆逐艦よりも大型化し、天龍型や夕張型などの小型の軽巡洋艦に匹敵するサイズになっており、速度も33ノットとやや遅めになっています。


箱裏。何だか古めかしい印象を受けますが、ウォーターラインシリーズの秋月は元々はフジミが出しており、フジミ脱退後に補完としてアオシマが作り直したものが当キットです。なのでキットの設計年次としては比較的新しいハズですが、何かこう・・・アオシマの暗黒面がチラついているというか・・・


開封。第一印象は「・・・パーツ欠品してね?」ってくらい主要パーツが少ない。ディテールアップパーツは小型艦用のXパーツで、ここから多めに使う分主要パーツが少な目に感じるのでしょう。


船体パーツは甲板と一体化しており、その下にバラストと艦底パーツを取り付けるシンプルな構成。それ以外の主要パーツはランナー一枚を途中で分割しているだけ。あまり精巧にはせず、コレクションとして軽く作るように簡素な構成になっています。



 
説明書は2枚入っており、一枚は塗装指示。箱裏の塗装指示がやっつけ気味なのに対しこちらは甲板上のリノリウム色の部分の指示も記述されています。ただ十分かというと、やや足りない感じ。


もう一枚は秋月の説明と組み立て図。組み立て図からも構成のシンプルさがうかがえます。


モールドはアオシマらしいわかりやすいもの。昭和の時代のキットよりは今風ですが、最近のものと比べるとかなりあっさり味。特に船体側面はほとんどモールドが無いので最近のアオシマの作である初春型と比べてしまうとガッカリするかもしれません。


ああ・・・久しぶりにやられましたマスト折れ。90年代前半の頃だと買うたびにボキボキ折れていたのであの頃よりはマシですが。これくらいならリカバリーも簡単。騒ぐほどの事はありません。


さあ建造開始。ってバラストと艦底パーツの溝の寸法が合いません。リューターで削ってやります。


バラストが乗ったら次は船体パーツを載せ・・・って隙間開くんですけど。


船体パーツの裏側の突起の先端に余分なバリがあってこれが邪魔をしていました。削ってやります。


ピッタリきたので流し込み接着剤で貼り合わせ、重しをしているところ。


塗装。全体を32軍艦色2、リノリウム甲板を43ウッドブラウン、艦底を29鑑底色、カッター&内火艇の甲板を44タン、主砲付け根を62つや消しホワイト、煙突先端を33つや消しブラックで塗れば大体十分。


パーツ点数が少ないので組むのは簡単です。ただアオシマ製はどうもパーツの取り付け位置に印も何もしない傾向にあります。面倒臭いのはボートダビットくらいでしょうか。




完成。大味・・・



大きい分そこそこ迫力はあるのですが、何しろ甲板上に物が載って無い印象。いやギッチリみつしり載ってりゃイイってもんでもないのですが・・・



目線を下して観察。


各部を観察。主砲塔は特型~夕雲型までの50口径三年式12.7cm砲に代わり65口径九八式10cm高角砲(通称:長10cm高角砲)。ただこの砲はどちらかといえば40口径八九式12.7cm連装高角砲の後継型といえるもの。砲口径は小さくなっていますがその代りに砲身が長く射程距離が伸ばされています。
(たまに砲口径のみを挙げて強い弱いを語るのがいますが、小口径でも長砲身前提の砲であれば薬莢は大きいものになっており、長い砲身の中で弾丸を長く押して加速させるためより多くの発火薬が詰められています。砲身が長いほど射程が長いのは砲身内で加速させる距離が長く、砲口から出た時の初速は短砲身よりも速くなるため、それだけ遠くへ飛ぶ理屈です。ただし同じ薬莢と発火薬でも砲身が長すぎると弾丸を押す力が砲身の途中で途切れてしまうため初速が落ちてしまいますので砲身長と薬莢の発火薬の関係は効率が一番良くなるよう設計されます)


船体中央部。煙突は2か所から出ているのを1本にまとめた「誘導煙突」で、夕張との類似を感じさせる部分。煙突後方には25mm連装機銃が2基、その後ろに61cm4連装魚雷発射管。このキットは1942年の竣工時の状態のようで、1942年末には煙突の左右に25mm三連装機銃が増設されています。


艦尾。特徴的な形状の九四式爆雷投射機(Y砲)があります。ただ爆雷投下軌条が未設置なので旗竿周辺は何もありません。

 
前後から。


上から夕張、秋月、吹雪。夕張の全長140m・排水量2890tに対し秋月は全長134m・排水量2700tと、わずかに小さいだけ。煙突形状も似ている事もあり、米軍が秋月型を初めて見た時は量産型夕張だと勘違いしたという噂話があります。


手持ちの全長140m以内の艦全部。左から鹿島、夕張、秋月、吹雪、子日、長月、松。
帝国海軍の戦艦は金剛型からは200mを超えますが、その2~3ほど前の世代の準弩級や巡洋戦艦までは左端の鹿島と似た全長130~140m・幅20~23mという寸法でした。



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秋月のキットとしては廉価で初心者向けであるものの出来は相応です。精巧なものがいいならフジミの特シリーズやピットロードのものもありますが、あちらはシリーズ的にやや不親切な傾向にあるので初心者が手を出すと途中で投げ出す危険があります。スキルとやる気とおサイフ具合に応じて選ぶと良いでしょう。



ケース内がもういっぱいいっぱいです。もう一個買わなきゃかしら。
このケースは便利だけど軽巡までしか入らないんだよね・・・


アオシマ1/700ウォーターラインシリーズの軽巡洋艦鹿島です。


軽巡洋艦鹿島は香取型練習巡洋艦の2番艦で、旧式な装甲巡洋艦を練習艦代わりにしていた帝国海軍がその代替として専用に建造した艦です。しかし太平洋戦争直前の時期に就役したため練習航海は1度しか行われず、軽巡洋艦として戦隊に編入され旗艦を務めたりもした後、1944年に当キットと同仕様に改装(12.7cm連装高角砲や25mm三連装機銃、爆雷投射機などの搭載)され、終戦まで生き残りました。


鹿島はウォーターラインシリーズのNo.79だった頃は典型的なダメな時期のアオシマ製のそれで酷いブツだったらしいのですが、このNo.355はリニューアルされており、それも巡洋艦の中でも最後発にあたるため中々良好な内容になっています。



説明書。難解な部分もないし、さほど複雑な艦型でもないので大体セオリー通りに組めるかと思います。


いやらしい分割なども無く、よくできています・・・ディテールアップパーツは大型艦用のWパーツが付属しますが、ここからもカッター2艘と探照灯2個、12.7cm連装高角砲の砲身3個を使用します。


主要パーツのクオリティもディテールアップパーツに負けていません。いい・・・


説明書では甲板上の構造物から組み始めるようになっていますが、手っ取り早く形を見たいので船体からいきます。船体と艦底、三分割された甲板パーツで構成される船体。甲板の分割部分は艦橋の下になるので組み上げてゆくと見えなくなります。バラストは駆逐艦用のような小さいもので、テープで固定する必要があります。


サッと船体を組み、塗装をします。香取型の甲板はリノリウム張りではなく、戦艦のような木甲板となっています。これは香取型が「遠洋航海が行えるよう長官室や貴賓室など内装偽装は諸外国に寄港しても恥ずかしくないように設計された」(外箱側面の説明より)ためで、いわゆる高級感の演出のようです。ただしリノリウム色の指定は艦橋の3階部分にのみあり、ここはアクセントとしても面白い印象。


甲板上に構造物を載せてゆきます。一見難しいところは無さそうですが、前後艦橋の1階外周にある柱が甲板に微妙に届かなかったり、マストのパーツ合わせがあまり良くなかったり、艦橋上に立つ小パーツの取り付け位置に印も何も無かったりと、やや面倒に感じる部分もありました。ただ艦橋は特徴的に大きくて階層が多いため組み上げていて楽しい部分。


あとはウォッシングだけ、という完成間近の状態。単装機銃を多数配置するのが結構面倒でした。印も何も無いところに接着剤で置くだけなのであらかじめ配置する位置にピンバイスで浅く穴を掘っておくと作業しやすいでしょう。というかそうしないと塗装面の上にパーツを置く事になるので中々くっつかず、接着部分周辺が溶けた塗料などで汚くなりやすいです。




エナメルジャーマングレーでウォッシングして完成。



艦橋が大きくて派手なので大きく見えますが、全長130mほどで夕張よりも若干短い程度。ただし幅は重巡洋艦くらいあります。



目線を下して観察。戦闘艦としては武装が旧弊な天龍型と同程度、速力に至っては最高速力18ノットという鈍足。それもまた特徴的。大きな艦橋は教習のために広くスペースを取っているがゆえ、総合火力は低いものの種類の多い兵装も教習のため、速力を犠牲にしても幅広い船体をしているのも新米士官が長い航海でヘバらないよう安定性を重視したがため。


艦首から。主砲塔は軽巡の標準である三年式14cm速射砲を連装にした珍しいタイプ。艦橋2階には4基の25mm連装機銃があり、艦首や艦橋左右、艦橋の3階に13cm単装機銃が多数置かれています。多数の単装機銃は1944年の改装時に設置されたもののようで、これは教習のためというよりはとりあえず置けるだけ置いた、というもののように思えます。


艦橋。軽巡の艦橋というと箱状の塔型艦橋をイメージしますが、これは全周がベランダ状でとにかくスペースを広く使うようにされています。艦橋直後のマストには特徴的な2種の電波探針儀、22号電探(ラッパ状のものが2つ並んでいるもの)とその上の13号電探(「‡」みたいな形のテレビ用野外アンテナのようなもの)。


船体中央部。煙突の左右には新造時には53.3cm連装魚雷発射管がありましたが1944年の改装時に40口径八九式12.7cm連装高角砲に置き換わっています。その後方には25mm三連装機銃。煙突後方にはカタパルト(呉式二号五型射出機)があり、ここから水上機を発進できます。


後部艦橋の2階には12.7cm連装高角砲、左右に25mm三連装機銃があり、艦橋後方に14cm連装砲塔。13cm単装機銃もそこかしこに置かれています。


艦尾。旗竿の左右にあるのは爆雷投下軌条。その前方には特徴的な形状のK砲(三式爆雷投射機)があります。


後部艦橋前面にはクレーンがあり、これで艦に横付けしてきた水上機を吊り上げてカタパルトに載せます。カタパルトが置かれている艦にはこのクレーンもセットで装備されていますね。


前部艦橋後方から。艦橋4階の前面の窓は透明パーツで、うまく作れば後ろが抜けている艦橋後方から前が覗けるのですが、塗装やウォッシングでかなり暗くなってしまいました。


再び艦首。砲塔は平射砲である14cm速射砲にしては上を向いているように見えますが、一応仕様としては仰角35度俯角5度とあるのでもう少し上を向きそうです。(キットでは俯仰可動はしません)

ゲームだと三年式14cm速射砲はカス武装みたいにみられていますが、性能的には38kgの砲弾を仰角35度で20574mまで届かせる事ができ、発射速度は毎分6発とあります。対して40口径八九式12.7cm連装高角砲は23kgの砲弾を仰角45度で14800m、最大仰角90度で9400mの高度まで到達でき、俯仰は仰角90度・俯角7度、発射速度は毎分8~14発。参考までに重巡搭載の50口径三年式2号20cm砲は126kgの砲弾を仰角50度で29432m、発射速度毎分4発。

 
前後から。


大きさ比較。色のせいかわかりやすいですね。上から那珂・夕張・鹿島・吹雪・松。


縦方向から。左から足柄・那珂・夕張・鹿島・吹雪・松。太短い鹿島は幅が駆逐艦の倍ほどありますが長さは夕張よりちょっと短いくらい。


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艦娘になってない艦なんていらね、と言わずに面白い艦だし良キットなので興味があったらどうぞ。


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