~趣味の世界~
どうも初速が60台で動作不安定なGBBコンバージョンキットを組んだG36CV。でも絶対もうちょっとマシなハズだってコレ!


まず、前回のレビューで固定ホップだと書いたのを修正しておきます。チャンバーブロックの上側にあるこの丸い穴、イモネジが入る位置なのでただの固定用かと思ったら、棒で押すと何やらグニャグニャしております。


チャンバーパッキンの先には確かにパーツで押されてインナーバレル内側にゴムが押し出されてくるタイプのホップ機構と思しき四角い穴があります。


穴を押していない状態では上側に四角い穴が開いているだけ。


棒で穴の奥を押すと突起の付いたゴム部分が押し出されてきました。イモネジを締め込めばこのようにホップの突起が出てくるようになるわけです。また、このホップ突起のある位置はイモネジで押す穴の真上ではなく中でアームを介しているらしく、ちょっと前のCA870みたいに直接イモネジでホップゴムを押し下げているわけではありません。


ボルトユニットの動きも少し渋い感じがするので引っ張り出してピストンの奥へシリコンオイルを吹いたりしてみます。バラすのは整備センスの無い私にはちょっと無理。

この他、ボルトストップの動きも渋く、空のマガジンを挿してチャージハンドルを引いてもボルトストップが掛からない事が多いのでマガジンの当該部分や銃側のボルトストップの周辺もオイルを吹いてシャカシャカ動かして馴染ませておきます。


初速チェック。80を超えて大分マシな感じになってきました。組み込んですぐ外で撃った時はノンホップ状態で「飛ばねーなあ・・・」って感じだったのですが、ホップがちゃんと効くようになると素直に真っ直ぐ飛ぶようになりました。

まあキットものってこういういじりいじりしながら段々良くなってゆくこの行程が楽しいのですよ・・・


UFC-KIT-03 G36シリーズ用GBBコンバージョンキットです。


UMAREXのG36V系(電動ブローバック)に適合する、ガスブローバックガンへとコンバートするキットです。同じUMAREXでもG36Cコンペティションには対応していません。


GHK(道勳企業有限公司)の製品をUFCが輸入したもののようです。



箱を開けるとUFCが作成したと思われる日本語の説明書と、クッションに包まれたパーツが入っています。


説明書。カラーの写真付きで組み込み方が解説されています。


パーツを取り出したところ。


トリガーメカユニット一式。グリップと一体のロアレシーバーです。残念ながら黒しかラインナップされていないようす。


電動ガンのものとは全く違う中身。あらかじめグリスが盛られています。


ボルトユニット一式。ガス圧で前後するボルトアセンブリですが、結構な重量があります。


これの重さがブローバック時のリコイル発生に効きますが、一方でこれが重いと動作も渋くなるのでこの辺のバランスはメーカーによって考え方が違うようです。KSCなんかはこういった部分を軽くする事で軽快に動作させる一方でリコイルが軽い傾向にあります。


リコイルユニット一式。ボルトユニットが後退する際のガイドと、リコイルスプリングによって受け止める役割を持ちます。黒いブロックは電動の方とは違い樹脂製で軽いです。


マガジンハウジング。電動ガンのものとは違い上が完全に抜けています。


リコイルユニット一式の黒いブロック部分もそうですが、何かホコリか何かが付いてて汚い・・・中華ガンではたまにある事です。


チャンバーユニット一式。チャンバーブロックとインナーバレルです。インナーバレルは特に何の変哲もない真鍮製のバレル。


チャンバーブロックは亜鉛合金っぽいブロック。


ホップアップは調整が無く、固定式(可変ホップでした)。チャンバーゴムも少し緩めです。どれのチャンバーゴムに換えたらいいんだろう・・・?


マガジン。ガスタンクが内蔵されている専用のもので、当然電動ガン用とは互換がありません。予備マガジンは売っていないようで、他社(WEなど)と互換があるかどうかも不明。


バルブはマガジン後面上方にあり、注入バルブもその下に並んでいます。


マガジンリップは樹脂製。マガジン上面後方にあるスイッチはボルトストップが掛からないようにするスイッチ。空撃ち用でしょうか。


マガジン底面にはGHKの刻印。マガジン底部は簡単にスライドし、中には銀色の筒状ガスタンクが2本みえました。前寄りにマガジンスプリングも見えるので、弾はジグザグになりながらマガジンの全長分のみ入るようになっているようです。


さてウチのG36CVを取り出しまして、


ぱぱーっとフィールドストリッピングします。ピン3本抜くだけで工具いらず。


チャンバーの上あたりにあるイモネジを抜いておきます。


チャンバーを押し込んで回すとスプリングのテンションで押し出されてきます。


G36CVのインナーバレルとチャンバー(画像上)。今回のキットのインナーバレル長はCのインナーバレルと同程度。


説明書通りにやってるのですが、チャンバーブロックが所定の位置に収まりません。何かまだ外していないパーツが入ったままのような・・・


アウターバレルを外し、チャンバーブロックを前側からドライバーをノミのようにして小突いてやると、円筒状のパーツが外れました。ああそうか、上のイモネジはこれを留めてるネジだったのね・・・


今度はチャンバーブロックが所定の位置にパコンと収まりました。元のイモネジを締めて固定。


アウターバレルを付け直します。


トリガーユニット一式を取り付け、マガジンハウジングも取り付けてピンを挿して固定。


ボルトユニットを取り付ける前に、油気が全然無いのでシリコンオイルで拭くようにして表面を滑らかにしておきます。


ボルトユニットは後ろ側から差し込みますが、トリガーユニットの上に突き出たハンマーに当たって止まってしまうので一旦ピンを抜いてトリガーユニットを少し下にずらしてボルトユニットを前まで差し込みます。


リコイルユニットもスプリング周りに注油しておきます。


リコイルユニットを後ろから差し込み、ピンを挿して固定。


コッキングレバーを引き、ちゃんと動くか確認。セレクターをセミかフルにしてトリガーを引くと「パキン!」とハンマーが倒れる音が。そうそうこれこれ。


マガジンにガスを注入します。注入音がしなくて入ってるかどうかわからないのですが、入ってるハズです。


BB弾をロードします。リップの前面からこめてゆくのですが、非常にやりづらい・・・装弾数は・・・どのくらいだろう?30発以上は間違いなく入るハズですが、そのくらいで固くて入れるのがしんどくなってきます。


マガジン重量は470gほど。


ではいざ発射!ガッコンガッコンと大きなリコイル。動作はやや重いですが、思ったよりガシガシ動きます。


さてトップレイルを外して印象を変えてみたもののどうもみっともない感じがするのでここもレイルを付け直しましょうか。という事で買っておいたIDZレイル。


UFCのG36用IDZレイルDEです。黒の方が面白いかな?と思ったけどDEしかなかった・・・


何か曲がってね?


裏側にネジ止めされている金属製の補強板ごと曲がっています・・・


反対側へ曲げ直してみたら直りました。レイル本体は樹脂製です。キャリハンとして持ち手にするには華奢なので注意。


G36Cに標準のレイルの前後に付いていたオープンサイトを折り畳みの簡易なフリップアップサイトに変えたものです。


ネジは付属しないので銃に元々付いてたネジを使用して取り付けます。キャリハンスコープが標準のKVやVでもそのまま使えるかと思います。


サイトの見晴らし。調整などはできません。


サイクルと初速をチェック。サイクルは秒間10発ほど、初速は60~72m/sとバラついています。キットものなので当たりがついてくればもう少しマシになる事を期待したいです。
海外製のガスブローバック長物の宿命としてスタミナが無いのでたとえ夏場でもサバゲでメインを張ったりはちょっと無理かもしれません。

Youtubeに組み込み動画がありました。


あれ?イモネジの締め具合でホップ調整できたのかしら。
もうちょっと擦り合わせとか頑張ってみようと思います。


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長物ガスブローバックはどうしても電動ガンに較べ実用性に劣ってしまうものの、やはり「銃らしい」のはガスブローバック。実銃では最近になって欠陥が見つかって残念な事になっているG36シリーズですが、トイガンでは関係ありません。G36のガスブローバックはM4系やAK系に較べ安くて買いやすいのもあり、「長物ガスブローバックがどんなものか」を知る教材と思って買うのも良いかもしれません。

figmaの天津風(あまつかぜ)です。
figmaはどうせまたその場のテンションに任せて買っといては開けもしないで積んどくんだろ!という前例も多いのですが、今回はしっかり自分の中で興味が失せないように注意しながら届く日を待ちました。ええ。


外箱。およそ1/12スケールとされる中身との対比からも分かるように、あまり大きなものではありません。


箱反対側。
●元ネタについて
天津風は陽炎型駆逐艦の9番艦。軍縮条約により特型駆逐艦の建造を止められると「条約型駆逐艦」として一回り小型の駆逐艦「初春型」「白露型」を建造していたものの、性能的に満足できるものが出来なかったため、条約破棄を機に再び特型駆逐艦と同等のサイズに要求性能を求めた艦隊型駆逐艦として朝潮型が建造され、その改良型が陽炎型駆逐艦です。陽炎型駆逐艦は太平洋戦争においては練度と艦の性能のバランスも高く駆逐艦の主力として各地で活躍しました。天津風は次世代型の駆逐艦「島風」の機関の試作型を実験的に搭載しており、陽炎型駆逐艦「雪風」「初風」「時津風」と共に第16駆逐隊を編成、各地を転戦し戦果を挙げます。1944年1月、輸送船団を護衛してシンガポールへ向かう途上の南シナ海にて米潜水艦レッドフィンの雷撃を受け、艦橋を含む船体前半が断裂して失われ、1週間の漂流の後若竹型駆逐艦「朝顔」の曳航によりサイゴンへ入港、現地で応急修理を行い11月にシンガポールへ回航され、仮設艦橋や仮艦首などの増設を行い限定的ながら戦闘能力を回復させます。試作型の機関を搭載する事もあり何とか本土への帰還を願いつつ、1945年3月、輸送船団と共に本国へ出発。輸送船団は爆撃機や潜水艦の襲撃により全滅しますが天津風は香港へ到着し、そこで新たに編成された船団と共に本土を目指しますが出航後の爆撃により船団は四散し、無線機の故障で僚艦と連絡のとれなくなった天津風は単艦で本土を目指します。アモイ(中国福建省の海沿いの都市)沖にて爆撃を受け、数機を撃墜しながらも損害を受け、アモイへ何とか自力航行するもそこで賊の襲撃を受けたりもしながらどうにか警備艇による曳航を試みるも失敗。乗員の退去後4月10日に自沈処分されました。


開封。figmaを買うのが久しぶりなのもありますが、よその可動フィギュアのようにブリスター3枚重ねのパーツ山盛りというのに慣れきってしまっていて非常にシンプルに見えます。


本体、説明書、台座、その他交換用パーツ、パーツ収納用のジップロック。天津風は右手だけ手袋をはめているので手首は白が右手、肌色が左手用となります。


天津風本体前面左右。首の接続は後頭部側にあるので顔パーツの差し替えは前髪を外して顔パーツを外すだけで行えます。一方他のfigmaと頭部ごと換える時は顔パーツを一旦外さないとスムーズに交換できません。(できなくはないのですが、ちょっと面倒)


本体後面左右。髪が長いので背中の魚雷発射管が半分隠れる上、首の可動にも差支えますが、襟足から下は左右分割されていてそれぞれ可動するようになっているので多少首を上へ向けられるようになっています。


顔パーツはデフォルトでやや横を向いた視線の微笑顔のほか、正面を向いた微笑顔、照れ顔の3つが付属します。頭にある煙突は煙が出ている煙突と差し替える事ができます。


艤装パーツのひとつ「連装砲くん」。陽炎型駆逐艦の船体を模したミニチュアに乗った状態になっています。


左舷側。船体底部のリブが右舷側にしかないので置いた時の安定性がやや低いです。後頭部は左右面にあるリブが後頭部にそのまま回っている形になっています。(元ネタである50口径三年式12.7cm連装砲(C型砲塔)では砲塔後面には砲塔内への出入りのためのドアが2つあります)


首が旋回し、砲身が左右独立して俯仰できます。55度に制限されていたC型砲塔ですがかなり上まで向きます。アレンジ上左右の砲身はやや左右に開いています。首から下には可動部はありません。


船体後部に左舷側から刺さっているリベットを抜き、


天津風の右腰にあるハードポイントに連装砲くんを装着できます。ハードポイント側にジョイントがあり微妙な角度調整ができます。


髪の可動。ツインテールは付け根に近い部分にある吹き流し(赤白のコーン状のもの)の上側にボールジョイントがあり、そこでのみ可動します。


背中の魚雷発射管「九二式61cm4連装魚雷発射管」は腰に1軸接続ですが魚雷発射管の側にジョイントがあり微妙な角度調整ができます。発射管から魚雷を外したりはできません。


スカートがあるため足の可動範囲はあまり広くありません。前へは90度程度。


丈が短いので足をちょっと前へ動かすと後ろ側はお尻が露出します。


膝は正座までは無理ですが結構な可動範囲があります。太ももの艤装の下で回転軸があり、膝でも回転範囲が多少あります。


天津風の固定ポーズのフィギュアでは衣装の透け表現を何とかして再現しているものが多いですが、figmaではそこまではしていません。ただし覗き見える範囲には頭から足までつながっているガーターベルトの線が再現されています。


腕の可動範囲は肩・肘・手首それぞれそこそこ広いですが、ジョイントによる可動は若干クセがあり、一旦曲げてから回転させる必要があります。あまり直感的に動いてくれない印象。


髪パーツを外せるだけ外してみたところ。


髪を外せば上を向かせる事ができますが、腰の可動と同時でもこの程度が精いっぱい。腰は軟質パーツの内側にあるため復元力により動かした位置の維持が難しいです。


以前買ったおふろこれくしょん島風と。



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むさくるしいミリタリーも良いですがカワイラシー可動フィギュアも良いものです。




フジミ1/700特シリーズの航空戦艦伊勢です。


外箱。ハセガワの衣笠の箱よりわずかに大きい、戦艦キットらしい大柄な箱です。


伊勢は伊勢型戦艦の1番艦。日本独自の設計(とはいってもまだ多くは英国式の設計の流用ではあった)として36cm砲を12門と強力な砲火力を持つ戦艦として建造された扶桑型戦艦がいざ運用をしてみると様々な不具合が露呈したため、3・4番艦として建造される予定であった伊勢・日向はその改良型の伊勢型戦艦として再設計されました。1915年に起工し、就役は1917年。その後戦間期において幾度かの近代化改装を受けるものの、太平洋戦争の頃には運用思想の変化から同時期に建造された通常型の戦艦と同様にやや持て余し気味になっており、伊勢より旧型で火力は劣るものの速力に勝る金剛型の方が多く出番があった有様となっていました。そんな折、ミッドウェー海戦において4隻の正規空母を失った日本海軍はその補充として他艦種から空母への改装を行う中、伊勢型戦艦も空母への改装が画策されます。しかし工期や予算的な都合から部分的な改装に変更、丁度この直前に2番艦の日向の5番砲塔が事故により損壊していた事から、艦の後半に航空甲板を架装し多数の水上機を運用できるように1942年12月に改装が開始され、翌9月に完成。予定では水上偵察機「瑞雲」と艦上爆撃機「彗星」(彗星は発艦のみ可)を搭載とし、このために第634航空隊も編成していましたが、戦局に変化から航空隊のみフィリピン方面へ転出し、結局航空機を実戦で搭載し運用する機会はありませんでした。その後1944年10月のレイテ沖海戦に搭載機の無い状態で専ら「戦艦」として参加、対空戦闘で戦果を挙げました。11月には使い途の無くなったカタパルトを撤去し、「北号作戦」のためシンガポールへ向かいます。翌年2月、航空甲板下の格納庫に物資を満載し、「半分戻れば上々」とされた帰路を奇跡的に無傷で本土に帰還します。その後は燃料不足から呉において浮き砲台とされ、7月24日の呉軍港空襲時に直撃弾を受け、曳航作業中であった28日に更なる爆撃により遂に大破着底します。
キットは1944年9月30日に墳進砲を装備し、11月1日にカタパルトを撤去するまでの間、1944年10月の、レイテ沖海戦前後の仕様となっています。


大きい箱にぎっしりと詰まるボリューム。多い!小さな紙にあるようにバラストは省略されています。



説明書。やや説明不足気味なのは相変わらずですが、念入りに確認を怠らなければ何とかなります。


パーツは多いので分割して撮影。まず船体・艦底・甲板。


パーツM・N・P・R・S。


パーツ(H・I・J)、(E・F)、(E・F・G)
パーツT
パーツU、I。


透明パーツ(K・L)、Q、そしてデカール。


今回は更にフジミ純正のエッチングパーツも用意しました。


説明書。分かりにくい・・・


エッチングパーツはおそらく真鍮製。番号を間違えないように注意しましょう。
139の長いハシゴ状のパーツは説明書に使用指示がありませんが、適宜の長さに切ってキット説明書④のP20や、⑨のP11・P12の代わりにすると良いでしょう。


物量がすごいので筆塗りではやってられません。スプレー塗料で32軍艦色2を塗ってしまいます。


甲板と艦橋基部のパーツ上面のみを44タンでスプレー塗装。


エッチングパーツは全体にメタルプライマーを塗り、32軍艦色2をスプレー塗装しておきます。作業中にパリパリ剥がれがちになりますが、あとでレタッチしてやれば良いです。


艦底パーツや船体はわずかに反っていて中央部が浮き気味になっているのをバラストの重みで誤魔化せないため、艦底パーツの上面に船体パーツや甲板パーツの下面と干渉しない位置にランナーを貼りつけて補強してみました。きちんと水平の出ている台の上でキッチリ接着乾燥させてやれば効果はあるようです。(完成後もテーブルの上で艦底がピッタリと接地しています)


3パーツを接着し重しをしているところ。


甲板上の細かいところの塗装をしたところ。艦底パーツは最後まで無塗装のまま。なんか・・良い色だし・・・


甲板の色を木甲板らしくするためエナメルフラットブラウンを薄めて面相筆で前後方向に描くようにして色をつけます。木甲板は考証が人それぞれにあり、「これが正解」というものは無いと思います。思い思いにイメージに近づける方法を各々で模索してみて下さい。


艦尾の上に乗るパーツの下面に本来あってはいけない「川」状の突起が付いていますが、何で付いてんのコレ・・・削ってしまいましょう。


格納庫部分を接着。船体との噛み合わせでやや隙間が開きがちなのでしっかりと輪ゴムで縛って圧着。


航空甲板はコンクリート製だったらしく、終戦直後に撮影された日向の航空甲板が爆撃でバキバキに割れているカラー映像がYoutubeなどにあります。説明書では31軍艦色1の塗装指示になっていますが、持ってなかったのでニュートラルグレーで塗ったものの、もっと明るい色の方が良かったかも。


航空甲板を接着し、エッチングパーツの軌条を貼ります。面に対し垂直に細切りを接着するうえ、何かと触りがちになる位置なので気が付くと1本無くなってる事も・・・


ラッタルはたくさん使用します。段の部分を全部曲げるのは大変だし失敗リスクも高いので無理だと思ったら段が斜めのままの状態で使う決断をしましょう。特に艦橋後面に大量に付くラッタルは細長く、段を曲げるのに失敗して段を脱落させてしまう方が見栄えが悪いです。


艦橋、煙突、後部艦橋などを組んでゆきます。煙突の周りは元のプラパーツだと筋交いなどの部分が塞がっていますが、エッチングパーツに置き換えると内部がよく見えるようになり印象がかなり変化します。


砲塔やカタパルト、小艇類を取り付けてゆきます。小艇類は後に取り付ける手摺に干渉しない位置に置くように注意します。


艦橋と煙突一式が組みあがりました。この部分と煙突一式は接着を後回しにしておくと作業性が良いです。


後部マストは大部分がエッチングパーツに置き換わります。雪風の時に大苦戦した13号電探は2つも組まなくてはなりませんが、超丁寧に組んだので何とかうまくゆきました。


パーツの取り付けが完了。あとは細かいところの塗装とウォッシングだけ。


時期的に航空機を搭載していないので航空甲板には航空機を置かない事にしておきますが、折角の瑞雲と彗星なので1機ずつ組みました。透明パーツなのでパーツ紛失が怖いため、ランナー上で一旦塗装してからの方が安全。ただしキャノピーだけは塗らないように注意。彗星はどうも空冷エンジンに換装された彗星33型のようなので、エッチングパーツのプロペラの上にプラパーツのプロペラを切り飛ばしたスピナー部分だけを取り付けて水冷の彗星っぽくしてみました。




航空甲板をエナメルニュートラルグレーで、他はいつも通りフラットブラック、ジャーマングレー、フラットブラウンで気持ち薄めにウォッシングして完成。



エッチングパーツも戦艦サイズともなれば物凄い量だったので完成までみっちり作業しても何日も掛かってしまいます。それだけに完成してしまいさえすれば感慨もひとしお。



スキルの低さと雑な性分ゆえに寄って見れば荒がかなり目立つのですが、これ以上のものを組むのはもう無理かも…



各部を観察。主砲はビッカース1908年型14in砲を国産化した45口径四一式36cm連装砲が金剛型、扶桑型に次いで搭載されています。竣工時には6基12門あり、後の改装で主砲仰角が拡大されるなどの改良がされていますが、航空戦艦への改装時に5・6番砲塔が撤去されて最終的には4基8門となっています。


艦橋。元は金剛型や扶桑型と同様に高い三脚型のマストに籠型の構造物が複数載せられていていましたが、増設に増設を重ね「パゴダ・マスト」と呼ばれる形態を成しています。構造物の合間に元々の三脚型マストが垣間見えます。
2段目の甲板の左右側面にはケースメイト副砲として50口径三年式14cm単装砲が合計20門(甲板上に砲塔式で2門を含む)装備されていましたが、航空戦艦への改装時に全て撤去されています。


煙突付近。機関は当初石炭・重油混焼缶24基により45,000馬力を発揮し、煙突も艦橋直後から2本並んでいましたが、重油専焼缶8基80,000馬力に換装されると前側の煙突が撤去され、扶桑型と同様に1本煙突になりました。高角砲も竣工時には40口径三年式8cm単装高角砲を4基装備していたものが後に40口径八九式12.7cm連装高角砲に置き換わり、航空戦艦への改装時には更に4基が追加されて8基16門に増強されました。


後部艦橋周辺。扶桑型からの改良点として主機の真上にあった3・4番砲塔が後方へずらされて背負い式に並び、また甲板も低められて重心低減がはかられています。カタパルトは偵察機搭載のため呉式2号射出機が1基装備されていましたが航空戦艦への改装時には重量のある瑞雲・彗星の射出を行うためより大型の一式2号11型射出機を2基設置しています。しかし搭載機の転出により航空機搭載の目途が立たなくなり用を成さなくなったためレイテ沖海戦の後に撤去されてしまいました。


航空甲板。伊勢では搭載機は水上偵察機「瑞雲」14機、艦上爆撃機「彗星」8機が搭載され、全て台車に乗せられて格納庫から甲板上を軌条に沿って移動させられます。後部艦橋の直後には揚弾機があり、兵装は甲板上で装備されます。瑞雲は甲板左のデリックで水上から吊り上げられますが、艦上機である彗星は射出のみを行い、作戦後は陸上基地に着陸するか、使い捨てとなります。


航空甲板後方の左右舷には12cm28連装噴進砲が6基装備されています。この噴進砲は砲とはいっても実際にはランチャーであり、四式焼霰(しょうさん)弾と呼ばれるロケット弾(通称「ロサ弾」)を28発発射するロケットランチャーです。ロサ弾はランチャーから打ち上げられると上空炸裂し金属粒をばら撒く対空兵器です。射程が1500mと短かく無誘導のため艦対空ミサイルのように敵航空機に直接ぶつけられるようなものではなく、花火のようなものであまり実用的ではありませんでしたが、レイテ沖海戦においては巡航速度で進行し敵爆撃機が急降下を開始したら急転舵して爆撃コースを外させる、という回避戦法の補助として活用されました。


後部艦橋のマスト上には13号電探が2基装備されています。対空兵装としては九六式25mm機銃が1937年の改装時から装備が進められていましたが航空戦艦への改装時には同3連装機銃が合計31基装備されました。


伊勢型戦艦ではミッドウェー海戦と並行して行われていたアリューシャン方面での作戦時(1942年5月)に伊勢には21号、日向には22号の電探がそれぞれ装備されテストされており、伊勢には後に22号電探が艦橋頂部左右に1基ずつ計2基装備されました。21号もそのままではなく、改良されて再装備されています。






艦上爆撃機「彗星」(上画像左)。彗星は空母艦載用の小型の艦上爆撃機で、特徴として水冷エンジンである「アツタ」を搭載しているため機首形状が流線型を成しています。伊勢型航空戦艦に搭載するにあたり初期量産型の彗星11型又は改良型の彗星12型を元にしてカタパルト発進のため機体を強化した「彗星22型」が専用に用意されました。しかしキットでは何故か機首形状が大戦末期に整備性改善のため空冷エンジン「金星」に換装された「彗星33型」の形状を成しています。


水上偵察機「瑞雲」。零式三座水上偵察機の後継として戦闘爆撃機の要素も盛り込まれたマルチロール機です。ただし機体重量が零式三座水上偵察機よりやや重く、その多くとセットで用いられていた呉式2号5型射出機では射出できないため、大型の射出機をもつ一部の艦での使用か、水上基地からの運用が主となりました。



扶桑型戦艦「扶桑」と。


準同型艦のため部分的には似たところも多いです。


扶桑といえば特徴的なパゴダ・マストと呼ばれる艦橋ですが、伊勢では複雑になっている分太くなったので安定感があります。


扶桑型戦艦も伊勢型同様に航空戦艦への改装が企図されましたが結局はキャンセルされています。



画像上から金剛、扶桑、伊勢。


全長は金剛が一番長いですが、艦橋の高さは扶桑が一番高いです。


3艦とも戦艦ドレッドノートがそれまでの戦艦を時代遅れにした直後の時期に、いかにドレッドノート級を超えるかを競うように建造された戦艦でしたが、最後に活躍した時期にはすでに「戦艦」そのものが時代遅れという時代。


次は長門型だな・・・


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キット難易度的には金剛ほどすんなりとは組めないけど扶桑よりは組みやすいかな・・・でも単に慣れただけかな・・・実際は扶桑と同程度かな?という感じ。エッチングパーツ込みだと難易度は跳ね上がりますが、じっくり丁寧にやれば何とかなる・・・かなあ?
日向や航空じゃない戦艦の伊勢を組みたい方はハセガワのをどうぞ。
タミヤ1/700ウォーターラインシリーズの軽巡洋艦五十鈴(いすず)です。


外箱は巡洋艦サイズですが厚みが無く、ピットロードの駆逐艦キットの箱とサイズが近いです。ウォーターラインシリーズの長良型はフジミの担当だったため、フジミが抜けた後ラインナップを補う形でタミヤが1993年頃にモデルアップしたものです。長良、名取、五十鈴、鬼怒がありこれらはフジミも古いキットをそのまま現在も売っていますが、五十鈴だけは2隻セットにしてリニューアルされています。一方タミヤの方ではモデルアップされていなかった阿武隈を追加しています。最近になって由良が変則的ではありますがアオシマから「劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- DC 霧の艦隊 軽巡洋艦ユラ」として発売されましたが、中身はタミヤ製で同シリーズのナガラにパーツを追加したもののようです。


五十鈴は長良型軽巡洋艦の2番艦。長良型軽巡洋艦は「5500t型軽巡洋艦」に含まれる大正年間に建造された水雷戦を重視した高速軽巡洋艦で、前型である球磨型と船体形状を同じくしながら装備を進化させた改良型です。五十鈴は1923年に就役。しかし太平洋戦争の頃には旧式化が否めず当初は小規模な作戦に従事、やがて戦局が進むと前線に駆り出されてゆき、時には第二水雷戦隊を率いて各地を転戦します。1943年12月に損傷のため本土へ帰還すると、かつて計画はされたものの棚上げされていた「防空巡洋艦」としての改装が行われます。1944年9月に改装が終了するとレイテ沖海戦を戦い、11月に輸送任務に従事中に米潜水艦の雷撃を受け損傷、スラバヤで修理を行います。1945年4月に修理が終わるとティモール島などの陸軍を撤収させる「二号作戦」に従事、多数の敵航空機の攻撃をかいくぐって任務を遂行するさなか、4月7日にスンダワ島を出航後に米潜水艦「ガビラン」と「チャー」の雷撃を受け沈没します。


箱の薄さ相応に内容も少なめです。


説明書。甲板の塗装指示がやや説明不足に感じます。


主要パーツ群。ランナー一枚と船体、艦底、バラスト、シール。静模のディテールアップパーツは付属しません。


艦底パーツには1973の刻印があります。その上に書かれている31316は球磨の品番なのでこのパーツは球磨型のものを流用しているようです。


船体パーツの方には1993の刻印がありますが、併記されている31322は長良の品番なのでこのパーツは長良と共通のようす。


それでは製作開始。艦底パーツにバラストを乗せ、船体と接着・・・する前に、魚雷発射管周辺の塗装をしておかなければなりません。


魚雷発射管の置かれている部屋は前後に壁がありますが下はバラストが銀色に輝いているので32軍艦色2で塗っておきます。


船体と艦底パーツを接着。パーツ合わせは接着剤を流すためにわざわざ開く必要があるくらいピッタリしています。次はウェルデッキ。


ウェルデッキにかぶせるパーツはやや合いが悪いので前後の隙間を埋めてやりたいところです。


甲板後半に取り付けるセルター甲板にはリノリウム押さえモールドがなぜかここだけ無いので伸ばしランナーを貼ってやります。余った伸ばしランナーで上のウェルデッキ前後の隙間も埋めました。このセルター甲板もやや合いが悪くて前方の甲板との間に隙間が開くのでその部分にも伸ばしランナーを貼って埋めてやると良いでしょう。


甲板とセルター甲板をリノリウム色として43ウッドブラウンで塗装。


残りを32軍艦色で塗り、艦底部分を29艦底色で塗ります。


パーツを取り付けてゆきます。タミヤのキットらしく作業性は良好。ただしリノリウム押さえモールドが邪魔をして艦橋や煙突などのパーツがピッタリとしない傾向にあるので、パーツが乗る部分のリノリウム押さえモールドは削ってやった方がスマートかもしれません。


パーツを載せ終えたところ。タミヤ製は楽だね・・・


さてキットにはやる気のない造形の単装機銃が付属するのですが、説明書には取り付け指示がありません。折角なので取り付けておきたいもの。


ググって他所の作例を見るに、単装機銃の個数は5挺。艦首に1挺、2番砲塔跡地の左右に2挺。


セルター甲板後端の左右の下甲板に2挺。ところでこの船体パーツは長良と共通のため後甲板には機雷敷設軌条がついたままなのですが、五十鈴には本来ありません。ハセガワのキットだったらここは「削れ」って指示になってるかも。リノリウム押さえモールドと交差しているので実際削るとなると結構大変かもしれません。




エナメルフラットブラック、ジャーマングレー、フラットブラウンでウォッシングして完成。



三連装機銃の防弾版とか、色々不足気味ですがパリッとしているタミヤらしいキット。



船体側面もそれなりにモールドがあるので低い視点からの見た目も悪くありません。



各部を観察。防空巡洋艦としての改装の際に元々装備されていた50口径三年式14cm単装砲は7基全部が撤去され、跡地には3基の40口径八九式12.7cm連装高角砲が設置されました。この高角砲は対空・対艦両用砲であり、同じ12.7cmでも駆逐艦用の50口径三年式12.7cm連装砲より初速・射程が劣るものの半自動装填により連射速度が高く、毎分14発(三年式12.7は10発)。大は大和型戦艦、小は松型駆逐艦など多くの艦に搭載された砲ですが、実際の運用では砲架の旋回速度が遅く航空機の速度に追従できないなど能力不足だったと言われています。後継砲として「長10cm」こと65口径九八式10cm連装砲ならば多くの点で性能が上回っていましたが、それもまた生産性が低く数を揃えられなかったのかもしれません。


艦中央部。長良型までの5500t型軽巡洋艦の特徴的な3本煙突。その後方には2番砲架があります。その下になる左右舷には魚雷発射管の横穴があり、ここには八年式連装魚雷発射管がありましたが改装により九二式4連装魚雷発射管に換装されており、九三式酸素魚雷の使用も可能になっています。


艦後部。セルター甲板上の砲塔やカタパルトは撤去されており、後端の7番砲塔跡地に3番砲架があります。後部マストには22号電探と13号電探が装備されているのが確認できます。


右舷に回り艦尾。五十鈴は改装時に対空だけでなく対潜能力も強化されており、セルター甲板左右から艦尾にかけて敷かれていた機雷敷設軌条を撤去(キットでは残っています)し、艦尾に爆雷投下軌条を2条設置しています。他、爆雷投射機や水中聴音器・探針儀といった各種ソナーも備え、これをもって改装中に対潜掃討部隊である第31戦隊の旗艦に編入されていましたが、結局は対潜掃討任務に就く事はありませんでした。


再び艦中央部。防空巡洋艦らしく対空機銃も多く搭載されており、九六式25mm三連装機銃が各所に11基、単装機銃が5挺装備されています。


艦橋頂部には特徴的な21号電探が装備されています。マストと1番煙突の間の甲板の位置には1段下がったウェルデッキとそこに鎮座する連装魚雷発射管がありましたが、改装によりウェルデッキは埋められて兵員室となっています。余談ですがこの兵員室はその真下にある機関の熱のために蒸し暑く居住性が非常に悪かったと言われています。



同じ長良型の3番艦・名取と。


名取は五十鈴とは違い通常の改装のみ行われ最後まで「普通の」軽巡洋艦でした。キットはフジミのもので羅針艦橋の窓がシールだったりとかなり古さが目立ちますが、所々雰囲気はタミヤのものに負けていない部分もあります。


艦中央部の比較。長良型では当初艦橋下の格納庫より前に伸びる滑走台を利用して艦載機を発進させていましたが、五十鈴に「萱場(かやば)式艦発促進装置」と呼ばれる、スプリング式のカタパルトが装備されて発艦試験が行われ、後にその装置は由良に移設されて4年間の長期運用試験が行われました。結局は鬼怒→神通で試験されていた火薬式のカタパルトが主流になり、名取には火薬式の呉式二号カタパルトが装備されています。(五十鈴は改装前にカタパルトを装備していたのかどうかググってもよくわかりません・・・)


艦尾の比較。名取は最終的には5番と7番砲塔が撤去され、五十鈴と同様にセルター甲板の後端に40口径八九式12.7cm連装高角砲が設置されます。五十鈴の改装前は名取と同様の形だったのかもしれません。(鬼怒などはセルター甲板の形が少し違います)



同タミヤの球磨と。


準同型に近いとはいえ違う型の艦ですが、キットのディテールは全く同じ部分がそこかしこに見受けられ、球磨→長良→五十鈴という流れが感じられます。


艦橋は全然形がちがいますが、どこを見てもそこから五十鈴の形に変わっていく流れが見て取れます。


同じタミヤの長良と並べたら更にもっと似ているのでしょう。



5500t型球磨から那珂までのうち5艦。上から球磨、名取、五十鈴、川内、那珂。



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5500t型のキットはどの艦もそれぞれ年代が変えられていたりして個性が与えられている場合が多く、似ているようでちゃんと違いが楽しめるように感じられます。
五十鈴のキットはタミヤの他にも同スケールでフジミ、1/350でもアオシマが出しており、それぞれに特色があると思います。今回のタミヤの1/700五十鈴は組みやすくパーツ点数も少ないので初心者にもおすすめできるでしょう。ただ少し物足りなさは感じたのでいくつか組んできている方にはフジミの方が向くかも。



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